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【ショートショート】『バイオリズム』

 所沢雄二は市内の小学校に通う六年生だ。クラスの友人に対して明るく振舞う性格は、女の子から人気で仲の良いグループの中心だった。  しかしある時から彼の性格は一変した。音楽好きな父の勧めでバイオリンを習い始めたのがきっかけだが、雄二は一つのことに熱中するタイプで周りを見ようとしなくなった自分に気が付いていなかった。「習い事は何よりも大事」と教え込まれていたためか、無意識に友人を避けるようになっていたのだ。  常に心の変化を監視し続けることは不可能だ。出来るとすれば本人以外、例えば両親が常に子供の様子を観察し、もしかしたらと想像することぐらいで、無口になった雄二の心中を誰も分からない。 「僕はこたつなんていらない。一度入ったら出られなくなる」  いつも灯油ストーブのダイヤルを回し、電池切れになって役に立たない点火装置の代わりにチャッカマンで火をつけるのが彼の日課になっていた。一回で点いたら飛び上がるほど嬉しくなる、とはいかない。 「雄二にはストーブ当番、任せようかね」 「どうせたまたまだろ」  母親が褒めるが仏頂面でそう答えた。  彼の家は冬場になってもこたつを置かない。バイオリンに熱中している雄二が「こたつは人をダメにする。僕の足を引っ張るならいらない」と嫌がったのを聞いて、すぐに撤去した。  中学に上がってからも変わらずバイオリンにのめり込んでいた。コンクールに幾たびも出場し、入賞したこともあった。  ある日、近所の橋の上から川面を眺めていた雄二は奇妙な物を発見した。最初は黒いゴミ袋が石に引っ掛かっているだけかと思ったが、よく見てみると人だった。  川岸まで降りてみると、その人
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【弾き語り】『死神』|高宮聡

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【弾き語り】『偶像のサウダージ』|高宮聡

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【20201004 クローゼット配信ラジオ】

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【弾き語りreaker or Baker.』

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【弾き語り】『ウロボロスの輪』|高宮聡

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… エクスカリバー持ってるのは誰なんでしょう? ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… ハインリッヒの法則だれが考えたの? あなた疲れてるのよ そろそろベッドに入っておきなさい 夢野久作先生の物語の中の僕はただの病人 ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… ウロボロスの輪……ウロボロスの輪…… ゴルディアスの結び目一生ほどけないよ ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ・喫茶&バー【Even Fowls】不定期20:00~配信 小説家の気分転換部屋。朗読、弾き語り、雑談をします。たまに飲み配信。 ・クローゼット防音室β 時空が歪んでしまった少し大きめのクローゼットよりお届けします。一日中配信したままにしておいて、ふらっと姿を現します。何をするかは気分次第。会えたら幸
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【弾き語り】『ウィッチクラフト』|高宮聡

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【弾き語り】『寝言』|高宮聡

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【弾き語り】『もしもあなたが』|高宮聡

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【弾き語り】『命綱”タイムカプセル”』|高宮聡

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【弾き語り】『袋のネズミ』|高宮聡

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【弾き語り】『不運にも満月の夜に』|高宮聡

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【弾き語り】『シガレットとマドレーヌ』

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【朗読】『沈黙の塔』/森鴎外

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【朗読】『生活』/林奈美子

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【朗読】『黄色い鋼鉄船』/三岸好太郎

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【朗読】『椿の花の赤』/豊島与志雄

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【朗読】『秋草』/島崎藤村

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【朗読】『けむりを吐かぬ煙突』/夢野久作

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【朗読】『月の子たち』/リチャード・ミドルトン

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【朗読】『デンデンムシノ カナシミ』/新見 南吉

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海で遭難した後、砂浜に打ち上げられ眉毛があるか確認したときの「眉毛がない……」

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高宮聡、突然変異でケモ耳化する。

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【朗読】『ベルゴレーズ街の殺人事件』

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『夕凪』|高宮聡

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『語る、死す。』|高宮聡

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『ヘコンダブブン』|高宮聡

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『コーヒーの安眠効果?』|高宮聡

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『駒送り』|高宮聡

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『マトリョーシカの最後』|高宮聡

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『幸薄よきかな』|高宮聡

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『繋ぎ忘れ』|高宮聡

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『カラスのもふもふ』|高宮聡

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『もらい泣き、物思い』

もらい泣きはラーメン屋で起こったら最悪だ。豚骨とにんにく臭が目に染みて涙が乾いた後にスープを完飲しやけ食いでチャーハンを注文した。ああ背筋がくすぐったい。「お兄ちゃんなんか店の前でおばちゃんが呼んでるよ」子供が背中をつついていただけだ。彼女は“泣き”をもらった相手である。  #twnovel 見出し太字位置引用
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『甘い影』

神社、論理、内弁慶――。三つの事柄に関連性があるように思えるのはそろそろ「甘い影」が現れる時刻だから。日暮れに潜んで甘い影、世闇に潜んで甘い影……。悩み事があったら気が紛れるから、中学生の君たちにはどうでもいいことだろうけど。「甘い影って何?」「ふふ。やっと食いついたな」 #twnovel
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『アジテーションオータム』

無人機が墜落したと住民が大騒ぎしている。視界は曲がりくねった道で占領され、迂回路に進むようにと誘導員から促された。「なるほど、無人機ってラジコンのことね!」カメラを構えるノースリーブで生気あふれる女性はマレーシア出身らしい。ビジネス英語の中にマレー語が混じっているのだ。 #twnovel
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『兜焼きの瞳』

刑務所前の交番で落とし物がないか訊ねる。「さすがに白馬の王子の王冠はないな。中学生用の体操着入れならある」気心知れた間柄ではあるがこの時ばかりは“何を言っているんだこいつ”と心の声が瞳の濁り具合から察することができた。本当に漫画みたいだ。マグロの兜焼きでもこうはならない。 #twnovel
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『オレンジ特急』

特急電車に転がる大量のオレンジ。急ブレーキにより大柄な黒人男性、孫を連れた老婆、両者のオレンジが入り混じる。まるで渋谷のスクランブル交差点だ。「トリックアートより面白い。一枚撮らせてもらうよ」一眼レフを持った青年がその様子を捉えようと必死に踏ん張っているが、ついには――。#twnovel
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『インディアンと熱帯魚』

インディアン闘争の跡地をめぐるツアーは経済成長が停滞している証拠としてコンセントなし風呂なしのペンションの壁に貼られている市報の一面を飾っていた。生徒と弟子の区別はつかないがとにかくここの代表を慕っている子供は多く、また熱帯魚を見に来る観光客も増え始めていた。しかし――。 #twnovel
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『ちまきの交渉術』

訛り口調で名刺交換をした相手が巻きたばこ会社の次期社長だった。予想通りちまきも大好物らしく手土産に用意していてよかったと胸をなでおろした。「しかし遅いですね。今日で一週間……いつもなら家出した娘が返ってくるはずなのに」「は、はあ。あの、心配じゃないんですか?」「何が?」 #twnovel 見出し太字位置
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『オートマタの夢』

クリエーターとしての機械人形はお好み焼きを食べるにも一苦労だ。カフェラテと同時に頼むという組み合わせは彼女らしい。隣席ではママ友同士の世間話が盛り上っているが、こちらは対照的に黙々と口に運ぶ。「メモリ使用量が80%を超えています」「ほら、創造的な処理ばかりするから……」 #twnovel
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『ウサギのいない月』

いかにも意地悪な掛け軸を買った。発注ミスで月にウサギが居ないのだ。骨董品屋をめぐる旅も終わる。亡くなった自己肯定感、勢いで買った同人誌、正式名称のわからないスクラップ直前の携帯電話を持ちながら。今、すぐ先の交差点で玉突き事故が起こった。掛け軸を丸める途中で手が止まった。 #twnovel
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『ポルターガイスト・ホイッスル』

アクシデントを知らせるためホイッスルが田舎町に鳴り響いた。鉄道輸送コンテナを補完する倉庫街に逃げ込むと、朝から荷物待ちの中年男性が深くかぶった帽子を指で押し上げて口を開く。「鼻水、出てんぞ」青年は慌てて拭った。だがその瞬間ポルターガイスト現象で線路の向こうから何かが――。 #twnovel
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『焼き魚と警察官』

「行動の後に答えがある。でも、あなたは行動の前から答えが手に入ると思っている節がある。手に負えないわ――」とんとん拍子で警視総監にまで上り詰めた人間がそれほどまでに頭を抱えた。食堂で焼き魚を注文したのは部下の方で、骨を取り除く必要があるのに切り身を思い描いて憤慨している。 #twnovel
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『全身絆創膏』

全身絆創膏だらけのピクニックはとてもじゃないけど良い思い出ではなかった、ただチャラ男と悶絶した花火チキンレースだけはもう一度……と恋焦がれるような印象で彼女は語っている。取材班からため息が漏れる。「あの、林間学校で行方不明になった女児というのはあなたで間違いないすか?」#twnovel見出し太字
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『裏庭のリンゴ』

裏庭のリンゴを盗んだ犯人は彼だった。夢遊病だろうが自覚するには強めのアスピリンを飲まなけらばならなかった。熱で頭がやられてたんだろう。やりがいを求めるなら田植えでもすればいいんだ。通勤ラッシュもない。大切に育てたリンゴを全部盗むとは聖職者として分不相応だと思ってしまう。#twnovel
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『五本指の先に』

五本指の先にウィッチクラフトを行うための細工をした。村長に直談判するとわかると、明後日の方向に足が向く。彼らは瞬足だがしわくちゃでエヴァンズの鉢植えをひっくり返しそうな乱暴な世代だ。不平等なエキシビションが教科書的挙動(のっぺりとしている様)を模造しているのが少しも――。 #twnovel
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『社員全員で公衆電話』

社員全員で公衆電話のカラーバリエーションを考えているようで、心霊スポットにも足を運び赤い公衆電話や海辺の青い公衆電話が景観を損なわずに設置できるかを試している。ちょっとだけ流行り病かもしれない。遊びも結構。個人的にはペガサスの羽が生えたBOXを草原のど真ん中に設置して――。 #twnovel
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『ハンドボール』

ハンドボールの後にカニ雑炊専門店に立ち寄ったまではよしとしよう。その後のカラオケ喫茶ではなぜか豚骨スープの匂いと大相撲の中継で満腹な体にひどい仕打ちだった。新居では妻が待っていると連絡すれば日頃の行いの副作用というべき留守番電話サービスへと切り替わる。「妻は消えた……」#twnovel見出し太字位置引用m/sattakanovel_oo/status/1309401421792518145
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『最終的に哲学的ゾンビ』

最終的に哲学的ゾンビとして罪悪感を感じてはいたが、警察の事情聴取から逃げると決めた。飲んだくれの居酒屋のおやじに話を聞き当たりはずれの激しい彼女との海辺の待ち合わせに向かおうとした。しかし耳元で「ブン」と異様な音がしたため振り返り「やっぱりこの先は叶えない」と想いを――。 #twnovel
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『スタンダードにティーブレイク』

スタンダードにティーブレイクを決める。倫理的にはどうにもおかしい部分があるが、南京錠をぶっ壊して侵入した民家裏の空き地には逃げ道のナビゲーターが居た。「私はウサギですけど性格はモグラですので」ちょっとだけおかしな雰囲気でイタリアンレストランの前を通り過ぎ、丘を登り――。 #twnovel
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『一年後までに』

一年後までに足場を整備するため貫くことは、サンバイザー付き決闘をベッドの上で行わないことである。休業すれば山場を迎えるもので持ち寄ったクワガタも貴重な雑誌のモデルとなる。真っ逆さまな抱き枕付き美少女がパン工房の前に立つ。「食パンはいりません。パン屋さんの帽子をください」 #twnovel
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『順風満帆目つぶしハザードマップ』

『順風満帆目つぶしハザードマップ』とは順風満帆な人々が目つぶしで大怪我を負わないように地図上に様々な情報を記したものである。「……妖怪が居るんです。順風満帆な人たちに嫉妬するやつが」「さすがに目つぶしはいかん。大変遺憾です」藪から棒に何を言うんだ、オラ狸寝入りすっぞ。 #twnovel
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2020/08/24 twnovel

面談当日、コオロギに恋愛感情を抱いてしまった不思議少女は、マスカットアイスを食べながら最後の悪あがきをしていた。「進路に希望はありません。未来もまったく見えません」何を聞かれてもそう答えるつもりだそうだ。悶々としていると同級生がおもちゃのナイフをちらつかせ――。 twnovel
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2020/07/18 twnovel

取材という名目で人の輪に入れば僕は絶対に自閉しないと思う。ジャーナリストという盾がなければ何も出来ない自分を肯定するにはこう言っておかないと、生きることを諦めてしまうから。何もこの一言で紙面を飾るつもりはなかったのだ。取材に向かった廃墟地域を目にした時、詩人のような――。 #twnovel
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20200710 twnovel

凍りついた彼女はロータリーを見据え立ち尽くした。「流行語なんて使いたくない。あの曲がり角の先で魔法が解けて、一瞬で消えるんだ」ほとんど地面と一体化した自分自身の影を踏み、ザリザリと靴の底をこすりつけた。「ツーリストを尊敬してるって言ってたね。俺は心底軽蔑してるから――」 #twnovel
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20200621 twnovel

天空の世界では数パーセントの確率で自己ベストを叩き出す人種が生き残るらしい。弱肉強食の世界は自然法則にだけ従順に、有力馬を探しながらふるいにかけ続ける。生娘にとってはマグロの刺身が一番優秀だと思っているらしいが、それも年に数回のご馳走だ。夏の日差しでは腐ってしまうのに。 #twnovel
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2020/06/04 twnovel

2020/06/04 twnovel 尋ねることは恥ずかしいことじゃないのに、大人に声をかけるのを躊躇する――。幼児たちはじっと待っているだけだった。丸の内線から徒歩十分の公園にアマガエルが大量発生したことに、近隣住民さえ言及しないのだから当然である。口達者でもあの大群を前にすると「ぐぅ」と声を殺すと思うが。
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2020/05/31 twnovel

世情の変化で「正攻法で行けばこうなるはず……」と陳腐な台詞を言い残し、結果として撃沈してしまった彼。しかし功績は計り知れなかった。ある日特製ペットボトルロケットで親友宅の窓をぶち破ったことでちょっとだけ風通しの良くなった六畳部屋は、引きこもりを命の危機から救ったのだ。 #twnovel
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