おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。
youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。
自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。
たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。
今回ご紹介の朗読動画は、仮想空間で、恋人にみつかり恋人にちゃんと働きなさいと言われバーチャル対決するお話です。
良かったら聴いていただけると嬉しいです。
・朗読動画もご用意しております。
・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。
◉DEAD OR ALVE 第3話
作者:seara0216
原案:北条むつき
朗読:荘司 哲也
それから星は「DEAD OR ALVE」で戦い続けた。
星は順調にレベルを上げ、ランキングの上位へと上り詰めていった。
元々ゲーマーな彼はランキングの上位に到達し、力を手に入れるのにそう時間は掛からなかった。
それに加えて彼はこのゲーム内でランキングの覇者達をライバル視していた。
中でもこの「DEAD OR ALVE」でやたらと強いと称されているマッポ。
星は彼と何度も対決をし、負け続けていた。
だが、星は努力を重ね続けてついに最強と呼ばれたマッポに勝利した。
マッポに勝った星はゲームマネー1億ダリーを手に入れ、最初の頃に比べて今では悠々自適生活を手に入れ、ゲーマーとしてランキングの上位に君臨していた。
「俺が一位か。案外早かったな」
星はそう呟いた。
****
VRでゲームをしていた星を見ながら、東川景子は不満そうな顔をしていた。
「……………」
景子は星の大学時代の友人だった。
彼女は大学時代に星に想いを寄せていた。
だが、社会人になってからは彼と会わなくなってしまい、お互いに疎遠だった。
しかし2年前に星と偶然街の中で再会をした。
それから二人は会うようになり、付き合って星の部屋で同棲をしていたのだった。
(ゲームでお金を稼げるのは知ってるけど、やっぱりちゃんと働いて稼いだ方がいいに決まってるわ)
相談もなしに突然会社を辞めた星に苛立ちを隠せないでいた。
景子はきっちりした性格で昼間はジムトレーナーをしている。
ゲームについては星と違い格闘ゲームが大の苦手だ。
自分から進んでプレイをしょうとは思えなかった。しかし、このままでは星は一生ゲームで金を稼いだ生活を送り続けてしまう。
そうなってしまうと、社会に出て働かなくなってしまう。
(このままじゃあ星がダメになってしまうわ! 私が何とかしないと!!)
景子は意を決してあることを決めた。
****
ある日。
「DEAD OR ALVE」の街の中を星は一人歩いていた。
(新しい装備も新調したし、そろそろ誰かと闘いたいな)
「おい聞いたか。最近出てきたルーキーの噂」
「ああ。何でも女のプレイヤーなのにかなり強いっていう噂なんだろう。しかも最近までレベル1だったのに今じゃあ上位ランキングにあがってんだろう」
「マジスゲーよな!! でもそんなに強かったらマッポーや星に勝てるんじゃねーのか?」
「いや、さすがにムリだろう。だって最近やり始めたルーキーなんだぜ」
「まぁ、それもそうか」
(へぇ……。そんな奴がいるんだ。ちょっと面白そうだな。そいつがどんな奴なのか試しに覗きに行ってみるか)
そんなことを思いながら星は戦闘区域に向かった。
戦闘区域にたどり着くと一人の女キャラから話しかけられた。
「こんにちは。もしかしてあなたが星?」
「そうだけど、きみは?」
「私はケイ。最近このゲームをやり始めたルーキーなの。もし良かったら私の相手をしてくれる? 他の人達私がいきなり上位に上り詰めちゃったから、あまり相手にしてくれなくなっちゃって……」
(もしかして、この子がさっき噂されていたルーキーなのか!?)
「ああ。俺で良かったら。だけど手加減なんってしないからな」
「有難う! そんなことわかってるわ」
そして。
2人は仮想空間で戦い始めた。
相手は最近ランキングに上り詰めたルーキーだ。相手がどんな攻撃を仕掛けてくるか分からない以上星は構えながら慎重に相手を見据えていた。
「来ないのならこっちから行くわよ!」
女は星の身体へと蹴りを放ち、瞬時な動きで身体に連打を叩き込む。
「はぁぁぁぉ」
「ぐっ……」
星はそれをガードしたあと、身体を捻り、手のひらを女に向けて氷のつぶてを放った。
ズドドドッ
女はダメージを受けながらも咄嗟に出した盾でガードし、星の腹目掛けて脚に雷を纏い蹴り飛ばした。
「ぐはっ」
ズザザザッ
星は靴底を滑らせて、何とかその場に踏み止まった。
(コイツ……。もしかしてこの戦い方は景子なのか? でも、景子は格闘ゲーが苦手だったはずだ。もし景子ならどうしてこんなところにいるんだ?)
女は星へと突進して、技を繰り出してきたが、星はそれを交わし、女の身体へと拳を叩き込んだ。
「うっ……」
ダメージを受けた女は一瞬怯んだ。
しかし、それを星は見逃さなかった。
(いまだ!!)
星は女へと氷の冷気を纏わせ、女に攻撃をした。女はダメージを受けてHPが減る中で、星の腕をがしっと掴んだ。
女は唇の端を吊り上げてニヤリと笑った。
そして星の身体に電流を流した。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
バタッ 女の攻撃を受けた星はその場に倒れてしまった。
HPを見るとゼロになっており『負け』という文字が浮かび上がっていた。
「私の勝ちね。星」
「お前やっぱり景子なのか!? どうしてこんなところにいるんだ!?」
「あなたに勝つために来たのよ。ゲームで稼いでろくに働きもしないでしょう。このままじゃああなたがダメになると思って、あなたにゲームで勝って更生させようと思ったのよ。私が勝ったんだから、ちゃんと真面目に仕事してよね」
「くっ……。わかったよ」
景子に負けた以上星は何も言えず、景子の言葉に従うほかなかった。
こうして星は仕方なく、また就活を始めるのだった。
了
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