バーチャルゲーム空間で頂点へ上り詰めるお話:DEAD OR ALIVE ep2+【朗読動画】

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 おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。

 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。
 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。
 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。

 今回ご紹介の朗読動画は、バーチャルゲーム空間で頂点へ上り詰めるお話です。
 良かったら聴いていただけると嬉しいです。

・朗読動画もご用意しております。
・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。
◉DEAD OR ALVE 第2話
作者:seara0216
原案:北条むつき
朗読:荘司 哲也


 桜庭星は周囲を見渡す。
 そこにはファンタジー風な洋風の建物や、酒場の風景が広がり、そこを行き通う人達は鎧や武器を身につけていた。

『DEAD OR ALIVE』

 ここは仮想世界での格闘ゲームの世界。
 この世界ではランキング制になっており、ランキングが上に上がるに連れて、強さと賞金のマネーが発生する仕組みだった。
 ゲーム内で発生する賞金は現実世界でも通常の金銭として使用が可能になっており、ゲーム内で頂点を目指せば目指す分だけ強さと金銭が手に入る仕組みとなっていた。

 星は三ヶ月前から付き合い始めた彼女と同棲をしていた。
 だが、彼は日々の仕事に謀殺され続けて10年間務めた会社を自ら辞めてしまった。
 現在は貯金を切り崩し、失業保険をもらいながら仕事を探している中。
 そんな時、彼はネットでスチーム内のゲームに現実世界でも使用出来る懸賞金の存在を知った。
 元々彼はゲーマーでスチームサイトで稼ぎたいと考えていた。

 (これだ! これなら俺にだって出来る!!)

 星はそれを目にした途端いても立ってもいられない衝動に駆られてしまう。

 (格闘ゲームならPSの時からずっとやってきたんだ! ゲームなら自信がある! よっし! ここで1位を掴んでやる!!)

 そう思って彼はこの世界にやってきた。
 星は自分の姿を見下ろす。
 今自分が身に付けているのは長袖のシャツ、ズボン、ベルト、ブーツの初期装備だった。
 星は宙に人差し指で操作すると、ウィンドウの画面が出現する。
 星はその画面を操作し、自分の所持金を確かめた。

 (ひとまず、初期装備一個買えそうな感じか……。あとは対戦して金額を手に入れるなりランキングを上げる必要性があるな……)

 そうと決まればまず自分がすべきことは一つだ。
 星はそのまま街の中を歩き出した。

 街の中には様々な店が立ち並んでいた。
 その中で星は目的の場所を見つけた。
 そこは小さな装備屋だった。
 この格闘ゲームの世界では格闘で戦うスタンスが主となっているが、それには体力、筋力などといった限界がある。
 そこで、装備などを使い自分の技を極め、あるいはパワーアップして戦いに挑む者たちが殆どだった。

 装備屋の店のドアを開くとカランと鈴の音が鳴り、店内に足を踏み入れると店内には様々な装備が並んでいた。
 メリケンサックに似た腕力パワーアップアイテム、腕輪タイプの強化装備、脚のスピードを上げる装備。

「話には聞いてたが何でもありな世界なんだな……」

 ここは仮想世界。
 昔のゲームとは違いVR技術のゲームだ。
 格闘ゲームでも、純粋に力で勝ち上がるだけでは無理な話だ。
 勝つためにはそれなりの装備や知識が必要とななるのだろう。

「いらっしゃい。何か探しものか?」

 店の奥から大柄で強面の男が出て来た。
 彼はこの店の店主であり、NPCだった。
 星は店のに答えた。

「ああ。装備を買いに来たんだ。耐久性とスピードが出る装備が欲しいんだけどあるか?」

「ああ。それならこれがある」

 ガサゴソと何かを棚の上から取り出した店主は星にあるのもを見せた。

「これだ」

 それは腕に付けるタイプの装備タイプのシルバーパーツだった。

「こいつはお前さんが言ったとおり耐久性とスピードがプラスされる装備になっている。初心者にとっては扱いやすい代物だが、上級者のようなスピードは出せなくなっているがな」

(まぁ……最初だし、この辺が無難だろう……)

「じゃあこれをくれ。いくらだ?」

「500ダリーになる」

「わかった」

 星はウィンドウを操作し、店主に500ダリーを支払った。
 チャリン。としたコインの音がした。
 この世界に来た時所持金は1000ダリー設定されている。
 それを使い装備を整えたり、戦闘して金額を増やしていくのだ。

「まいど。確かに受け取った」

 装備を手に入れた星は店主に軽く挨拶をしたあと、店を後にした。

****

 街の中央広間にある戦闘区域にたどり着いた星は対戦相手を探していた。

「さすがDEAD OR ALIVEだな!結構人がいるな」

 戦闘区域には格闘している者たちや、観客達で賑わっていた。
 そんな時、一人の竜の亜人の男が星に話しかけて来た。

「ひょっとしてお前対戦相手を探してるのか?」

「ああ。そうだけど」

「ちょうど良かった。俺も相手を探してたんだ。俺と対戦しねぇか? もちろんレベルは1だ。お前とそんなに変わりゃしねぇと思うけど」

「ああ。それなら良いけど」

「なら決まりだ」

 そう言うと男はウィンドウを操作して、星に格闘対戦のメッセージを送ってきた。
 星はそれを開くと、

『許可をする』『拒否する』

 とのアイコンが表示される。
 星は迷わす『許可する』のアイコンをタップする。
 すると、周囲の空間がポリゴン状になり竜の亜人の男と星の空間だけ変化していく。
 仮想空間になった中で、『3』『2』『1』とカウントされる中で亜人の男は言った。

「やるからには全力で勝たせてもらうぞ!」

『0』
戦いは始まった。

 竜の亜人は星目掛けて一直線に駆け出し、殴りかかろうとした。
 星はすかさず左へ避けるとの脇腹目掛けて足蹴りをした。
 だが、亜人はそれを交わし、口を大きく開けて星へとレーザーブレスを炸裂させた。

 ごおおおおおおお

 至近距離の攻撃。
 だが、星は両腕でガードした体制で先程手に入れた装備を使い、それを防いだ。

「くっ……なかなかやるな。ならば、これはどうだ!!」

 竜の亜人は身体中に力を貯めて、腕に炎を纏いながら星の顔面目掛けて殴りかかった。

「くっ……」

 星は瞬時に攻撃を交わそうとしたが、交わしきれず、敵の攻撃を受けてしまった。
 表示されている体力ゲージが半分に達してしまい、最初の青だったものが黄色に変わっていた。

 (あと2、3発くらったら確実に負けてしまう……。何か方法は無いのか……)

 星は思考を巡らせ、ある考えを思いつく。


 (迷ってる暇はない! これでいくしかない!!)


 星は亜人の懐に入り込み、強引に亜人の口を押さえ込んだ。

「!?」

 意表を憑かれた亜人は一瞬驚いた表情を浮かべ、すぐさま鋭い爪を立てて星の身体に攻撃をしょうとする。

「そうはさせねぇよ!」

 星は口の端を吊り上げ、不敵に笑った瞬間。
 手に力を込めて氷の技を炸裂させた。

 バリバリバリ!!

 竜の亜人の口は閉じられて技を出せない。
 星は亜人の身体目掛けて拳に力を込めて殴飛ばした。
 竜の亜人は宙を舞い、地面にドサリと音を立てて落下した。

「勝ったのか……」

 突然ウィンドウ画面に『勝利』という金色の文字が表示されると共にチャリンとコインの音がした。
 確認してみるとそれは戦闘に勝利したダリーを獲得した音だった。

「あーあー負けだ。負け。クソっ! 絶対勝てると思ったのによー」

 いつの間に口の氷が溶けた竜の亜人は地面に寝っ転がりながら悔しそうに言った。
 気づくと仮想空間はいつの間にか消え去り、戦闘区域の広場に変わっていた。

「おいお前、この俺に勝ったんだから絶対に負けんじゃねーぞ」

「ああ。もちろんそのつもりだよ」

「しかし、まぁ久々に楽しかったぜ!またやろうな」

 竜の亜人はニカッとした顔を星に向けた。
 星も彼の顔を見てふっとした表情をした。

「うん。またやろう。俺も今よりもっと強くなるよ」

 こうして、彼の戦いは始まりを告げたのだった。


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