自宅で歌入れ作戦2020

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音声・音楽
こんにちは!レコーディングエンジニアのMaCoです。

ココナラでは主に
・ソロで活動されている方向けに「2mix音源のOffVo + Vo のMIX」
・バンドなどのそれぞれの楽器パートから構成される「Stem MIX」
・音源の編集や加工をおこないダンスなどのオケを作る「音源編集」
の商品を出させていただいています。

意気込み

某アニメの劇場版が無料公開されてて、毎回 みなきゃダメだ、みなきゃダメだ、みなきゃダメだ。と思っていましたが、結局時間作れず見れませんでした。。。ぴえん


”ぴえん”の使い方大丈夫ですよね?
僕的には曲終わりでバンドが ジャーン と終わった1つあとに入るボーカルの刹那一撃のような表現だと思ってます。


映画とかアニメとか何度も見ているのですが、また見たくなる作品って結構ありますよね。
何度も聞いた音楽も頭の中でいつでも再生出来るのに、再生ボタンを押すと本物の”音”の実力と自分の想像力が2週差である事に気付かされます。


そんな何度も再生ボタンを押してしまいたくなる魅力的なミックスが出来るように日々を楽しんでいます。


今回は前回「宅録でのボーカル録音で気をつけたいランキング」1位になった(勝手に決めたけど)部屋の反響について詳しく書いていこうと思っております。



そもそも反響ってなに?

ちょっとWikiってきました。
反響(はんきょう)とは、音波が壁などに衝突しはねかえって来る現象である。いわゆるやまびこ、こだま。
音波は壁などの物体に衝突すると、その壁自体が音波と同じように振動する。その物体の振動により再び音波が発生する。これによって生じたものが反響である。物体の性質によって、反響してくる音波は変化する。特定の周波数帯が弱まったり、音量(振幅)が小さくなったりする。 反響は音波の自由端反射になる。それに対し、全く反響しない部屋は無反響室と呼ばれる。
英語ではエコー(Echo)という。カラオケルームなどにあるエコー機能は反響に残響を加えているものが多い。残響はリバーブ(Reverberation)である。
音楽製作などの場ではディレイ(Delay)と呼ぶほうが一般的である。
残響は、反響の一つ一つが区別できないほど連続的に音が反射してくることで、厳密に言うと原理的には同じものである。
実際の反響現象としては、鳴き龍、鸚鵡石、山彦などがある。
ここでの注目は最後の行にある「鳴き竜(なきりゅう)」。
なにそれ、そんなの知らない!めっちゃカッコイイ!
。。。と今まで、鳴き竜を読み漁って来たのでここまでで約1時間くらいたってしまいました。


鳴き竜は種類でいうと「フラッターエコー」の感じだそうです。
そして、すごく偶然でホントびっくりなのですが宅録で退治すべき敵はなんとこの「鳴き竜」の事です。
という事で、僕なりの経験からお部屋に住み着く「鳴き竜討伐作戦」を始めます。


ミックスしてみよう!

世の中にはものすごい研究と技術で開発された穴の直径を変更して音を吸い込み閉じ込める音調チートアイテムも存在してますので、突き詰めていくとキリはないですが(コスト的にも)、大切なことは現状が「どんな音場のかを知る」という事!


録音の良し悪しの判断は録音した素材を聞くだけでは結構難しいです。
じゃあ、どしたらいいのっ?!
そう!自ら録音したデータを自らミックスしちゃう事で判断出来る事があります。


レコスタブースで録音したボーカルデータはEQ(イコライザー)使わない事は珍しくないです。狙って録音できた音質はそのまま使えるし、マイクの使い方が上手い人だとコンプも使わないでOKなんて結構あります。
フェーダーだけで決まるミックスなんて、すごくテンション上がりませんか!?フェーダーだけで決まるミックスなんて、すごくテンション上がりませんか!?


大事な事なので2回言いましたが、、、訳すと「ボーカルトラックの音量調節だけで、オフボーカル音源とのバランスがとれるなんて、とても素晴らしくて夜も眠れなくなりませんか!?」×2です。


脱線しました、、、
判断の仕方ですが、1番声を大きく出したフレーズをループ再生して音量だけでバランスをとってみます。この時の音質は置いといてあくまで声とオケのバランスを重視。

次に、ボーカルトラックにEQを使って「目指す音質」に近くなるように 不要な周波数を下げていきます。この時のQ幅(周波数を下げる範囲の幅)を広げすぎずに素直に。

こんな感じかな!というところまで出来上がったら、EQを下げたポイントを把握します。
もしもー3dB以上に下げているポイントがあればそこが鳴き竜の住処である可能性が大です。



平行面に気をつけよう!

では早速!鳴き竜の生息しやすい場所ですが、ズバリ平行面の多い部屋です。
引っ越しの時に経験ある方もいると思いますが、まだ何も家具のない素の部屋で喋るとむちゃくちゃ喋りにくかった経験があると思います。
あの状態の鳴き竜はめっちゃ鳴き竜です!住み心地抜群です。


その部屋にソファー、本棚、机、椅子、と部屋に配置していくと、「あーここに水槽が欲しいなー」とは思っても、「喋りにくいなー」とは感じないと思います。
それは、家具を配置した事で不規則な凹凸が発生し平行面積が少なくなっているからです。


討伐ポイント①
平行面をなくすイメージは、スーパーボールを全力で壁にブン投げた時にどれくらいでボールが静止するかを考えるとイメージしやすいかな。
カラッポの素の部屋では壁と壁、天井と床の全てが平行面であると、スーパーボールが静止するのに10秒かかったとします、、、そして家具を配置した部屋で同じ様に全力投球した場合は物に当たる回数が多いのと正面に反射する機会が少なくなる事で反射する度にエネルギーが減少していくので6秒で静止する。。。といった感じです。家具のレイアウト次第では良い音場作りも可能だと思ってます! 


デットニングはピンポイントで吉

鳴き竜の進行方向をある程度家具などで、ランダムにすることが出来ても残ってる音がある場合、その部屋の残りやすい音であると思考を変えてみる。
壁面と天地の平行面が比較的多いトイレとバスルームでは、部屋の大きさが違うので残ってしまう音の周波数も変わっていると思います。
この残った音の周波数が初めに行ったEQポイントであると予想。


ここではチョット低音は置いといて、その音のポイントが300Hzくらいから上の中・高域だと突き止めたとします。
ポーンやコーン、シュピーンといった印象の周波数です。


その対策として使用するアイテムが、主に「吸音材」と「ディフューザー」という音調専用のアイテムとなります。



吸音材

名の通り”音を吸収する材料"を壁に貼って使う事が多いアイテムです。
例えば、、、水を一滴スポンジに落とした時、水滴は周りに飛び散らずにスポンジに吸い込まれていきますよね?
音の場合も同じ様なイメージで吸音材に吸い込まれていく感じです!


え?!じゃあ吸音材の一択で決まりだっ!っと今すぐポチりたくなると思いますが、そーではないんです。
それぞれの周波数には波の大きさがあって高音から低音になるにつれてだんだん大きくなっています。(振幅:高音<低音)


先ほど例に出した「水」ですが、水は高音の性質よりなキャラクターです。
では低音よりの音は?というと振り切った例えをすると「木工用ボンド」なんかが分かりやすいかも!


木工用ボンドを一滴スポンジに落とした時 ポテっと乗っかって吸い込まれませんよね!!同じ液体でも粘度の違いで吸収力に差が出ちゃう。
吸音材と音の関係も同様に小さい振幅(粘度小)の高音は吸収されやすく、大きな振幅(粘度大)の低音はそんなに吸音されない傾向にあるのです。


テーブルの角に小指をぶつけて、枕に顔を埋めて「ゔあ”ーーー!」って叫んだ時の声の感じ。こもってますよね。それっぽい事!

という事は、壁一面に吸音材しちゃうと詰まった感じの音で、いわゆる「こもった」とか「抜けの悪い」というボーカリストからするとすごく力の入る歌い方が必要な環境になっちゃってたりして。。。


討伐ポイント②
吸音材は中・高音に効果的だけど、やりすぎると低音成分が置いてけぼりになって逆に目立ってきちゃうので抜けの悪いこもった音場になってしまう可能性がある。全面貼は要注意!片面の壁と天井だけに貼るとかで少しずつ調整して歌いやすい(嫌な響きのない)環境を目指そう!




ディフューザー

こちらは吸音とは逆の考えで当たってきた音をランダムに拡散(ディフューズ)させようという戦法!!
「ルームアコースティック」とかで検索をかけると色々ヒットするので面白いですよ。(好きな人はね)
ディフューザーという名前からはアロマのイメージが強いですが、録音屋でのディフューザーは音を拡散させる目的のアイテムのイメージが強いです。


冒頭に理解した、部屋に家具をレイアウトする事も、このディフューザーの様な役割になりますね!


ディフューザーは形状が凸凹した木で出来ていたり、円柱タイプだったりと見た目にはアート作品の様な物が多いのでインテリアとしてもよろしいかと。
当たった音はランダムに拡散され、それによって音どうしが打ち消し合い、または平行面での反射を抑えて軽減してくれます。


ただ。。。これまた低音に関しては結構効果が薄かったりします。
砂利の地面(凹凸)でバスケットボール(低音・大きな振幅)はドリブル出来てもピンポン玉(高音・小さな振幅)は凹凸に影響され突拍子も無い方向へ飛んでいっちゃうイメージ。


その「凹凸面にぶつかると突拍子も無い方向へ飛んでいっちゃう」を生かして正面に反射しづらくするのがディフーザーの狙いです。
低音に効果が少ないのもその理由ですが、吸音材とは違い「吸い込まない」ので、置いてけぼり感のゆるい自然な音場を狙えます。



討伐ポイント③
ディフューザーは吸音材でデットになりすぎる環境を避けるようなイメージで効果的に使用する。凹凸の大きさでさらに効果的に(跳ね返り方のイメージは、砂利の大きさを変える事でピンポン球を拡散したいのかBB弾を拡散したいのかといった感じ)散らすことの出来る周波数に狙いをつけるとかなり良き。


低音の鳴き竜討伐

ずっと関わらないようにしてきた「低音」に関しての鳴き竜の攻略法、すごく強いので厄介だけど、原因が突き止められれば意外とチョロイな!というモチベの火を消さないで欲しい。。。

ちなみに部屋によっては、気にならなかったりするので音場チェック時に250kHz以下の鳴き竜がいなかった方は「おめでとう」で最終回です。

低音は振幅が大きく、吸い込んで抑え込むという攻撃に耐性のあるモンスターで、部屋の形や容積によってはお手上げな事もあります。

だからと言って引っ越すのはまだ早いです!
低音鳴き竜にはいくつかの行動パターンがあって、そこを避ければこちらも影響を受けずに済む可能性もあります。

低音鳴き竜の行動パターンを知る

それでは、さっそく大きく分けて3つのパターン紹介です。。。

①部屋の角(天地4隅)の三角コーナーに住み着く。
②壁と壁の隅っこ(90度)に住み着く。
③部屋のど真ん中に住み着く。

というような感じです。
なので、1、2、3、のどこに住み着いているのかを把握して
その状況を避けるとうまく折り合いをつけて共存する道を選ぶ事ができます。

①の場合、床面の三角コーナーでは物理的に潰す事。観葉植物を置いたり、冷蔵庫を配置したりと、、、重たいものの方が効果的です。
天井面の三角コーナーには、重たいものを吊るすのは危険なので難しいけど、市販されている「ベーストラップ」という商品で天井コーナー用の物もあります。自作は難しいけど三角形にカットしたパネルで角を潰すように設置し、中の空洞をグラスウールで埋めると効果が出る事も。。。
その場合のパネル材には硬度の高い物を使用するといい傾向にあります。

②の場合、①と似ていますが本棚を置いたり(重たくて硬い物)サーフボードを吊るしたり、、、物を置けない場合は壁の材質を変更する意識で(壁紙を変えてみるとか絵をかけてみるとか)攻めてみると良いです。

③の場合、手取り早いのは「そこにマイクを立てない」です。
マイクを立てる向きや、壁側で歌ってみたり、壁面に平行面がない場合は天井と床の関係性かもしれないので、床にマットや毛布を敷いて(すでに敷いている場合は外す)材質を変更してみる。という攻め方が良いです。

討伐ポイント④
大きな振幅の低音源には、こちらも負けじとスケール感大きく世界をひっくり返す心意気で尚且つ冷静に攻める事をオススメします!
ざっくりとした考え方は、吸い込めないなら跳ね返えしちゃおう!というようなO型の僕にとっては結構楽な考え方ですね!
跳ね返すには硬くて重たい物で交戦するのがオススメです。



改めてミックスしてみよう!

鳴き竜との共存に成功したら、改めて録音してみて理想の音質にする為のEQがー3dB以上になっていないかを確認してみます。
サクサク書いてきましたが、ここまでを初回で討伐成功するのはなかなかの強者です!


根気よく向き合っていけば、なんとなく音の性格を正確に掴めるようになっていき、ジワジワと追い込んでいけるようになります!追い込み漁ですね!


ミックスしていくうちに、「声の抜け感」や「オケ馴染み感」、「繊細な表現感」を欲するようになってきます。というか初めからこういう理想があって、そこをプラグインのEQに背負わせてしまっている場合が大半だと!


EQは確かに音質を変えられますが、基本的な考え方はスッピン状態のボーカルテイクには「無い物は無いし、有る物は有る」です。現実世界の時空を歪めて周波数を操作できるEQは効果的に使うことがとっても大事になります。
よくある写真の加工で足を細く見せたいが為の加工を行って、背景の時空が歪み異世界から発信されているの?!って思った経験があると思います。


今回は「部屋鳴り」について紹介しましたが、ここを突破して次はマイクやケーブルの選定やマイクの使い方でカッコイイテイクを録音しよう!を紹介したいと思います!
機材の特性や音との距離感を理解してテイクを抑える事が出来れば、ポン!とEQを効果的に使う事で、後々の「声の抜け感」「オケ馴染み感」「繊細な表現感」に繋がってきます。


ちなみに時空の歪みをなるべく感じさせないように声だけを綺麗に見せる方向の「音質改善」を行って、その後ミックス・マスタリング納品しちゃうという商品がありますよ!しかも基本料金内で可能だというコスパも抜群!
でも。。。出来る限りの高音質で録音して、最高の音をお届け出来るように一緒に楽しんで作りましょうね! 壁|ω・)チラ

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