転職活動を始めて1ヶ月。
書類は出している。エージェントとも話している。求人もチェックしている。でも、内定どころか面接にすら進めていない。
この状態、やり方が間違っているわけではないことが多いです。ただ、2つの「見えないズレ」が起きている可能性があります。
10年間、採用人事として数多くの書類を見てきた立場から、正直に書きます。
ズレの1つめ:職務経歴書の「読まれ方」を知らない
職務経歴書に何を書けばいいか、多くの人は「自分にできることを伝える」と思っています。
でも人事が職務経歴書で本当に見ているのは、「できることの羅列」ではありません。
「この人は、前の会社でどう評価されていたか」です。
社内で活躍している人には、会社が機会を与えます。新しいプロジェクトへのアサイン、後輩や部下の指導役、大きな取引先の担当、昇進や役割の拡大。地味に見えますが、こうした変化が経歴の中に積み上がっていきます。
人事はここを読んでいます。
「この人はどんな仕事を任されてきたか。その規模や責任範囲は、時間とともに広がっているか」という視点で、経歴の流れを追っています。
だから、「〇〇の経験があります」「〇〇が得意です」という言葉がどれだけ並んでいても、経歴の流れに「活躍している人の流れ」が見えなければ、人事の目には「この人は自分でそう思っているだけかもしれない」と映ります。
逆に言えば、派手な実績がなくても、任された仕事の変化や責任範囲の広がりが読み取れる経歴書は、人事に「この人は社内で信頼されていた」という印象を与えます。
何を書き直すべきか
「何ができるか」ではなく、「どう評価されてきたか」が伝わる書き方に変えてください。
具体的には、こういう観点で見直します。
・最初は〇〇を担当していたが、2年目から〇〇も任されるようになった
・チームの一員として動いていたが、途中からリーダーを任された
・小規模の案件中心だったが、〇年目から大手企業を担当するようになった
これは自慢ではなく、「会社に認められていた証拠」の記述です。人事が嗅ぎ分けているのは、まさにこの部分です。
ズレの2つめ:エージェントの「分業構造」を知らない
「エージェントには本音を話した。転職動機もちゃんと伝えた。なのになぜ面接に進めないのか」
この状態のとき、盲点になっていることがあります。
転職エージェントは、会社によりますが多くの場合2人で1人の求職者を担当しています。
あなたの話を聞く担当(求職者側)と、企業に連絡する担当(企業側)が、別の人間であることがあります。
あなたが本音を話した担当者は、あなたの職務経歴を丁寧に理解したかもしれません。でも企業に連絡する担当者は別となると、あなたの話したニュアンスがそのまま反映されているかは微妙なときがありえます。
あるいは、読んでいても「経歴から読み取れること」と「ヒアリングした内容」を結びつかないまま、企業に伝えてしまっているかもしれない。
当然にエージェントが悪いわけではなく、構造がそれを巻き起こしていることがある。結果として、企業の人事に届く情報は「あなたが伝えたこと」とずれている。そう感じられることが、人事をやっていると起きています。
人事はそのズレを感じ取っています。「エージェントからの紹介コメントと、職務経歴の内容が噛み合っていない」という状態は、現場では珍しくありません。どれだけ書類の内容が良くても、このズレがあると通過が難しくなります。
何を確認すべきか
エージェントに一度、こう聞いてみてください。
「私のことを企業にどう伝えますか?私の経歴と転職動機を、具体的に教えていただけますか?」
ここをすり合わせることは重要です。このとき、あなたが話した内容と、エージェントが話す内容がかみ合っているかを確認します。
「〇〇の経歴があって、そこから〇〇という理由で転職を考えている」という筋が、きちんと一本の線でつながっているかどうかです。
これを嫌がったり、曖昧な答えしか返ってこないエージェントは、あなたの状況を深く把握できていない可能性があります。担当を変えてもらうか、別のエージェントに切り替えることも選択肢です。
まとめ
転職活動1ヶ月で面接に進めないとき、努力が足りないのではなく、少なくともこの2つの見えないズレが原因であることがあります。
1つめは、職務経歴書の「積み上げの読まれ方」を知らないこと。人事は「できること」ではなく「社内でどう評価されてきたか」を読んでいます。
2つめは、エージェントの分業構造を知らないこと。あなたが伝えた内容が、企業に届くまでにズレていることがあります。
この2つを知るだけで、次の動き方が変わります。
「動き続けていること」は正しい。でも、その動きが届いていない場所があるなら、そこを直すほうが早いです。
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