現役営業事務が語る“揚げ足取り”

記事
コラム
セラー業務支援室です。
私は医薬品メーカーで30年間、営業事務として働いています。

X初心者の私が、ある投稿にリポストしたところ、
思いがけないほど大きな反響があり、
正直フワフワした気持ちになりました。
多くの方が「いいね」を押してくださり、
とてもうれしかったのですが、
リポストに寄せられたコメントの中で、
少し気になるコメントがありました。
今日はそのことを書いてみたいと思います。
決して反論ではなく、
「ああ、こういうズレって職場でもよく起きるな」
と感じたという話です。

■まず、元のXでのやり取りの要約

ある方の投稿内容はこうでした。

新人が「自分宛じゃない電話で業務が止まるのは非効率」と反論 
→ 課長が「屁理屈言うな」と激怒。
 課長は「最近の若い奴は言われたことをやらない」、
新人は「理由を聞いただけで怒られるのはなぜ」と、
双方が居酒屋で愚痴っていた――という話。

私はこの投稿に対して、
「新人が電話に出る理由は、
取引先の会社名・担当者名 取引先している内容をザックリ知るため。
これを説明できない上司が悪い」
とリポストしました。

すると、その私のリポストに対して、
さらにリポストしてくれた方々のコメントの中に、次の3つがありました。

■気になったコメント(要約)

「今は“知らない番号には出ない”が一般化している。
だから電話対応の教育と取引先リスト作成が必要。
昔の電話教育では足りない。
慣れろ方式は若い子には逆効果。」
「新人に電話を取らせるのは半年後が普通。
まずはリスト化・ロープレしてから電話デビューさせるべき。
いきなり取らせるとトラブルになる。」
「大企業は取引先も大企業ばかりでリスクが高い。
だから代表電話は専属の受付を置くのが最適解。」

なぜこの3つのコメントはズレて見えるのか
(少し長いのでココは飛ばして、次の段落から読んでもらっても構いません)

3つのコメントを読んで感じたのは、
 「話の一部だけを切り取って、別の論点で答えてしまっている」
ということでした。

●①について
このコメントは
“個人自宅や携帯電話”の話であって、会社の代表電話とは別物です。
会社には採用、広告営業、新規取引、クレームなど、
あらゆる電話がかかってきます。
 「知らない番号だから出ない」は会社では成立しません。
むしろ電話対応は会社のイメージを左右する重要な業務です。

●②について
このコメントは
「新人研修が終わるまで電話を取らせるべきではない」
という前提で語られていますが、
元の話は 配属後の“実務”で起きた疑問 です。
配属先の部署で電話が鳴っている状況で、新人が抱いた疑問は、
「なぜ、自分宛かどうかもわからない電話を“新人だから”という理由だけで取らなければならないのか」
という疑問です。
経験者なら誰でもわかりますが、
現場の電話対応はそんなに単純ではありません。
 • 電話番号が登録されていても、
 • 相手先名が表示されていても、
新人が瞬時に判断できるほど現場は単純ではありません。
さらに、コメントにある「ロープレ」は新人研修の話であり、
 配属後の実務とは別のフェーズです。
つまりこのコメントは、 
新人研修と実務の話がごちゃまぜになっており、
現場経験がある人からすると
“机上の空論”であることが一目でわかる のです。

●③について
このコメントは
「大企業では代表電話は専属受付が最適解」という話ですが、
元のテーマはそこではありません。
確かに大企業では、取引先だけでなく、 
メディア・学生・一般消費者・クレーム・営業電話など、
 多種多様な問い合わせが代表電話に入ります。
そのため、受付を専門職として配置する企業もあります。
このコメントが言いたかったのはおそらく、
「大企業の代表電話は専門教育が必要
という点でしょう。
ただし、それを持ち出してしまうと、 元のテーマである
「なぜ、自分宛かどうかもわからない電話を“新人だから”という理由だけで取らなければならないのか」
という話から完全にズレてしまいます

■共通しているのは「全体像をつかまずに部分だけで反応している」こと

3つのコメントに共通しているのは、

• “話の全体像をつかまず、部分的な情報だけで意見を返している
• 本文からのバックグランウドなどの想像力が欠けている

という点です。

SNSでは思いついたことをすぐ投稿できるので、
こうしたズレは起きやすいものです。
プライベートなら「揚げ足取るなよ」で済む話ですし、
それはそれで個人の自由です。

■揚げ足取り

しかし、実際の職場でこういう言動をすると
「揚げ足取り」と受け取られ、かなり信用を落とします。
なぜなら、

• 議論を前に進めていない
• むしろ後退させている
• 話が通じない人だと思われる

からです。

組織は営利でも非営利でも、
何かを成し遂げるために動いています。
その中で、論点と違う方向からの反論や質問は、議論を止めてしまう。

これは社会人として本当に損をする行動です。

もちろん、中身のある反論は大歓迎です。
しかし、論点を外した「揚げ足取り」は

「その話、今そこじゃないんだよな…」
と信頼を削ります。

もし内容がつかめないなら、その場では黙っておき、
後で上司に時間をもらって教えてもらうほうが、
はるかに前向きな姿勢として評価されます。

揚げ足取りは知識の問題ではなく、“論点をつかむ力”の問題。
そして“素直にとらえる力”です。

追記:②のパターンについて
”机上の空論=どこかで聞いた話”を議論で持ち出すには
非常にテクニックがいると私は感じています。
またこのことについては、書いてみたいと思っています。


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