良かれと思った改善が、現場を重くする理由

記事
ビジネス・マーケティング
業務を良くしたい。
ミスを減らしたい。
確認漏れをなくしたい。
現場の負担を減らしたい。

そう考えて、改善策を入れることは大切です。

しかし実務では、
良かれと思って入れた改善策が、かえって現場の負担を増やしてしまう
ことがあります。

例えば、
 ・確認項目を増やす
 ・報告書を追加する
 ・会議を増やす
 ・承認フローを細かくする
 ・ルールを増やす

一つひとつは正しそうに見えます。
しかし、積み重なると現場の仕事はどんどん増えていきます。

今回は、なぜ改善のつもりが現場を重くしてしまうのかを整理します。

1.改善策は「追加」で考えられやすい

改善というと、多くの場合、何かを追加する方向で考えがちです。
 ・チェックリストを作る 
 ・確認者を増やす
 ・報告資料を作る
 ・会議体を設ける
 ・承認ステップを追加する

もちろん、これらが必要な場面もあります。

ただし、問題は、
追加した分の仕事は、そのまま現場の負担になる
ということです。

確認を増やせば、確認する時間が必要になります。
報告資料を増やせば、作成する時間が必要になります。
会議を増やせば、準備と参加の時間が必要になります。

改善策は、入れた瞬間から新しい業務になります。

この視点が抜けると、改善のつもりが現場の負担を増やしてしまいます。

2.ミスを防ぐための確認が、仕事を止めることもある

ミスを防ぐために確認を増やす。
これは自然な発想です。

しかし、確認が増えすぎると、仕事の流れが止まりやすくなります。

例えば、
 ・誰かの確認待ちで止まる
 ・承認者が忙しくて進まない
 ・確認のために資料を作る
 ・確認する人が増えて判断が遅くなる

ということが起きます。

本来はミスを減らすための仕組みだったはずなのに、
いつの間にか、仕事を遅くする原因になっていることがあります。

確認は大切です。
ただし、すべてを細かく確認すればよいわけではありません。

重要なのは、
どこで確認すべきか、どこは任せるべきかを分けること
です。

3.報告が増えても、判断が良くなるとは限らない

改善のために報告を増やすこともよくあります。
 ・進捗報告
 ・日報
 ・週報
 ・月次資料
 ・管理表

これらも、目的が明確であれば有効です。

しかし、報告が増えるほど、現場は「報告するための仕事」に時間を使うようになります。

問題は、報告そのものではありません。

問題は、
その報告が判断や改善につながっているか
です。

報告を作っている。
共有もしている。
会議でも説明している。

それでも、次の行動が変わっていないなら、報告は単なる作業になっている可能性があります。

報告は、作ることが目的ではありません。
判断につなげるためのものです。

4.ルールを増やすほど、現場は判断しにくくなる

ミスやトラブルが起きると、ルールを増やしたくなります。
・この場合はこうする
 ・この書式を使う
 ・この手順で進める
 ・この条件では上長確認を取る

ルールがあることで、判断しやすくなる場面もあります。
しかし、ルールが増えすぎると、現場は自分で判断しにくくなります。

ルールを守ること自体が目的になり、
「なぜこの作業をしているのか」が見えにくくなるからです。

その結果、本来は不要かもしれない業務まで残り続けてしまいます。

ルールは、現場を縛るためのものではありません。
迷わず動けるようにするためのものです。

そのためには、
ルールを増やすだけでなく、
分かりやすく整理すること
が大切です。

5.改善策にもコストがある

改善策は、無料ではありません。
お金がかからなくても、時間や手間はかかります。

例えば、
 ・チェックする時間
 ・資料を作る時間
 ・会議に出る時間
 ・入力する時間
 ・確認を待つ時間

これらはすべてコストです。

改善策を考えるときは、
その改善策によって減る負担と、増える負担を比べる
必要があります。

ミスは減るかもしれない。
しかし、確認時間が大きく増えるかもしれない。

情報共有は進むかもしれない。
しかし、報告資料の作成が重くなるかもしれない。

管理はしやすくなるかもしれない。
しかし、現場の自由度が下がるかもしれない。

改善策にも、費用対効果があります。

6.良い改善は、仕事を増やすのではなく流れを良くする

本当に良い改善は、単に作業を追加することではありません。
むしろ、仕事の流れを良くするものです。

例えば、
 ・二重入力をなくす
 ・承認ルートを短くする
 ・よくある判断をテンプレート化する
 ・不要な会議を減らす
 ・確認ポイントを絞る
 ・情報の置き場所を統一する

こうした改善は、現場の負担を減らしながら、仕事の質を上げることにつながります。

改善で重要なのは、
何を増やすかではなく、何を軽くするか
です。

新しい仕組みを入れる前に、
今ある業務の中で減らせるもの、まとめられるもの、簡単にできるものがないかを見ることが大切です。

7.改善策を入れる前に確認したいこと

改善策を考えるときは、次のような問いを置くと整理しやすくなります。
 ・その改善策は、何の問題を解決するためのものか
 ・その改善策によって、どの業務が減るのか
 ・逆に、どの業務が増えるのか
 ・現場にとって分かりやすいか
 ・続けられる仕組みになっているか
 ・判断や行動につながるか

特に重要なのは、
改善策を入れた後に、現場の仕事がどう変わるか
です。

改善策は、導入して終わりではありません。
現場で使われ、負担を減らし、成果につながって初めて意味があります。

8.まとめ

良かれと思った改善が、現場を重くすることがあります。

理由は、
 ・確認が増える
 ・報告が増える
 ・会議が増える
 ・ルールが増える
 ・判断待ちが増える
 ・管理のための作業が増える

からです。

改善は、仕事を増やすことではありません。

本来の目的は、
仕事の流れを良くし、成果につながる状態を作ること
です。

そのためには、
 ・何を追加するか
ではなく、
 ・何を減らせるか
 ・何を簡単にできるか
 ・どこを標準化できるか
 ・どこは任せられるか

を考えることが重要です。

改善策を入れる前に、
その改善が本当に現場を軽くするのかを確認する。

それだけで、業務改善の質は大きく変わります。

もし、

「改善しているのに、現場が楽にならない」
「会議や報告が増えてしまっている」
「どこから業務を軽くすればよいか分からない」

という場合は、状況整理のお手伝いも可能です。

ブログでは一般的な考え方をお伝えしていますが、実際には会社ごとの業務内容、人員体制、判断フローによって取るべき対応は変わります。

現状の業務の流れやお悩みをお聞かせいただければ、
どこで仕事が重くなっているのかを整理し、
現場の負担を増やさない改善策を一緒に考えることも可能です。

感覚ではなく、構造で整理する。
それだけで、改善の進め方は大きく変わります。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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