問題の原因を見極める方法|打ち手を間違えないための考え方

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ビジネス・マーケティング
経営や仕事では、日々いろいろな問題が起きます。

売上が足りない。
人手が足りない。
利益が出ない。
現場が忙しい。
思ったように改善が進まない。

こうした問題が起きると、すぐに「何をするか」を考えたくなります。
 ・売上が足りないから営業を強化する。
 ・人手が足りないから採用する。
 ・忙しいから業務改善をする。
 ・利益が出ないからコストを削る。
もちろん、打ち手を考えることは大切です。

ただし、その前に確認すべきことがあります。
問題の本当の原因は何か?
ということです。

問題解決でよくある失敗は、打ち手自体が間違っていることではありません。
本当の原因を見極めず、表面的な問題に対して打ち手を出すことです。

今回は、打ち手を間違えないために、問題の原因を見極める考え方を整理します。

1.目に見えている問題が、本当の原因とは限らない

経営で見えている問題は、多くの場合「症状」です。

例えば、
 ・売上が足りない
 ・人が足りない
 ・現場が忙しい
 ・利益が出ない
 ・会議をしても決まらない
困った状態であることは確かです。
しかし、それ自体が本当の原因とは限りません。

「人が足りない」と感じていても、実際には業務の流れが悪いだけ。
「売上が足りない」と思っていても、実は利益率の問題。
「現場が動かない」のは、やる気ではなく、優先順位が曖昧で動けないだけ。

目に見えている問題だけを見て打ち手を決めると、改善は空振りします。

2.症状・原因・打ち手を分けて考える

問題を整理するときは、
症状・原因・打ち手
を分けることが重要です。

症状:表に出ている困りごと
原因:その症状を生んでいる構造
打ち手:原因に対して行う対応

この3つを混同すると、改善はうまくいきません。

たとえば、
「現場が忙しい」という症状に対して、すぐに「人を増やす」という打ち手を出したとします。

しかし、本当の原因が、
 ・手戻りが多い
 ・判断待ちが多い
 ・二重入力がある
 ・属人化している
 ・やらなくてよい仕事がたくさんある
ということなら、人を増やしても根本的には解決しません。
むしろ、教育や確認の手間が増えて、さらに忙しくなることもあります。

だからこそ、打ち手を考える前に、まず原因を見極める必要があります。

3.問題解決は「現状・課題・打ち手」で考える

原因を見極めるには、いきなり解決策を考えないことが大切です。

まずは、次の順番で整理します。
 ・現状認識:いま何が起きているのか
 ・課題の抽出:数ある問題の中で、取り組むべきものは何か
 ・解決策の立案:何をすればよいのか

ここで重要なのは、
問題と課題を分けることです。

会社の中には、問題はいくらでもあります。
しかし、これらすべてに同時に取り組むことはできません。

課題とは、単に困っていることではありません。
数ある問題の中で、いま取り組むべき問題です。

たとえば、現場が忙しいという状況があったとします。

現状認識としては、
 ・残業が前年同時期に比べて○○%増えている
 ・担当者ごとの残業時間に○○%のバラつきがある
 ・同じような手戻りが月に○○回繰り返されている
といった事実を整理します。

次に、問題の原因を深掘りして考えます。
 ・残業が増えている原因は何か?
 ・なぜ、業務量にバラつきが生じているのか?
 ・手戻りが起きている原因は何か?

ここで大切なのは、表面的な現象だけで判断しないことです。

例えば、残業が増えている原因は、本当に人手不足かもしれません。
一方で、特定の人に仕事が集中しているだけかもしれません。
あるいは、確認待ちや手戻りが多く、同じ仕事を何度もやり直していることが原因かもしれません。

業務量にバラつきがある場合も、単に人の能力差だけが原因とは限りません。
仕事の振り分け方、判断基準の共有不足、業務の属人化などが影響している可能性があります。

手戻りが多い場合も、担当者の注意不足ではなく、
依頼内容が曖昧だったり、確認ポイントが整理されていなかったりすることがあります。

このように原因を深掘りすると、
「現場が忙しい」という一つの問題でも、取り組むべき課題は変わってきます。

例えば、
 ・人手不足解消のための人員補充が課題なのか
 ・業務の振り分け最適化が課題なのか
 ・判断待ち時間の短縮が課題なのか
 ・手戻り防止のための業務フロー整理が課題なのか
 ・業務標準化による属人化の防止が課題なのか
を見極める必要があります。

ここを見極めずに、いきなり「忙しいようだから、人を増やそう」とすると、打ち手を間違える可能性があります。

最後に、解決策を考えます。
 ・本当に人手不足なら、採用や外注を考える
 ・業務の流れが悪いなら、業務フローを見直す
 ・判断待ちが多いなら、権限移譲や判断基準の共有を行う
 ・手戻りが多いなら、依頼の出し方や確認ルールを整える

問題解決では、
現状を見て、原因を深掘りし、取り組むべき課題を絞り、打ち手を決める
という順番が重要です。

4.よくある原因の見誤り

実務では、原因を見誤るケースがよくあります。

人手不足だと思ったら、業務の流れが悪い
「人が足りない」と感じる会社でも、実際には業務フローに問題があることがあります。
 ・同じ確認を何度もしている
 ・情報が散らばっている
 ・承認待ちで止まっている
 ・担当者ごとにやり方が違う
この状態では、人を増やす前に業務の流れを見直す方が効果的です。

売上不足だと思ったら、利益率が低い
「もっと売上を伸ばさないといけない」と考えていても、実際には利益率の問題であることがあります。
 ・値引きが多い
 ・原価が上がっている
 ・手間のかかる商品が増えている
 ・低利益の案件が多い
この場合、売上を増やすだけでは利益は改善しません。
価格、商品構成、原価、工数を見る必要があります。

現場の意識不足だと思ったら、判断基準がない
現場が動かないとき、「意識が低い」と考えてしまうことがあります。
しかし、実際には、
 ・何を優先すべきか分からない
 ・どこまで自分で判断してよいか分からない
 ・評価される行動が分からない
 ・上司の判断基準が共有されていない
ということもあります。
この場合、必要なのは精神論ではなく、判断基準の共有です。

忙しいのに、やめるべき仕事が決まっていない
忙しい会社では、仕事を増やすことには敏感でも、減らすことには鈍くなりがちです。
 ・目的が曖昧な会議
 ・誰も見ていない資料
 ・慣習で続けている確認
 ・過剰な個別対応
こうした仕事が積み上がると、現場は常に忙しくなります。

忙しさの原因は、仕事量そのものではなく、
やらなくてよい仕事が残り続けていること
かもしれません。

5.原因を見極めるためのポイント

原因を見極めるには、いきなり答えを出そうとしないことが大切です。
特に、次の4つを確認すると整理しやすくなります。

① それは「結果」なのか「原因」なのか
まず確認したいのは、いま見えている問題が、原因なのか結果なのかです。

例えば、
 ・残業が増えている
 ・売上が下がっている
 ・利益が出ていない
 ・現場が忙しい
といった状態は、多くの場合「結果」です。

その結果を生んでいる原因が別にあるかもしれません。

残業が増えているなら、
仕事量が多いのか、手戻りが多いのか、判断待ちが多いのか。

売上が下がっているなら、
客数が減っているのか、単価が下がっているのか、リピートが減っているのか。

まずは、見えている問題をそのまま原因だと決めつけないことが重要です。

② 感覚ではなく数字で見る
次に、感覚ではなく数字で確認します。
「忙しい気がする」
「売上が悪い気がする」
「利益が出ていない気がする」
だけでは、原因は見えてきません。

例えば、
 ・残業時間がどれくらい増えているのか
 ・どの担当者に業務が偏っているのか
 ・どの商品や顧客で利益率が下がっているのか
 ・どの工程で手戻りが多いのか
を確認します。

数字で見ると、問題が起きている場所が見えやすくなります。

③ 一時的な問題なのか、構造的な問題なのか
同じ問題でも、一時的なものか、構造的なものかで対応は変わります。

例えば、売上が下がったとしても、
一時的な月ズレや大型案件の後ろ倒しであれば、すぐに大きな打ち手を出す必要はないかもしれません。

一方で、リピート率の低下や利益率の悪化が続いているなら、構造的な問題として見直す必要があります。

原因を見極めるときは、
今回だけの問題なのか、繰り返し起きている問題なのか
を確認することが大切です。

④ その打ち手は、どの原因に効くのか
最後に確認したいのは、打ち手と原因がつながっているかです。
例えば、採用は本当の人手不足には有効かもしれません。
しかし、業務フローの悪さや判断基準の曖昧さには、直接効かない場合があります。

広告を増やすことも同じです。
認知不足には効くかもしれませんが、商品力や価格設定の問題には効かないかもしれません。

打ち手を考えるときは、
何となく良さそうではなく、
どの原因を改善するための打ち手なのか
を明確にすることが重要です。

原因を見極めるとは、複雑な分析をすることではありません。

見えている問題をそのまま受け取らず、
結果なのか原因なのか、
数字でどこがズレているのか、
一時的なのか構造的なのか、
打ち手が原因に合っているのか。

この順番で確認するだけでも、打ち手の精度は大きく変わります。

6.原因が変わると、打ち手も変わる

原因を見極めると、取るべき打ち手は変わります。
例えば、人手不足に見える問題でも、原因によって対応は変わります。

本当に仕事量が多い
 → 採用、外注、業務分担の見直し

手戻りが多い
 → 指示の出し方、確認フロー、標準化の見直し

判断待ちが多い
 → 権限移譲、判断基準の明確化

属人化している
 → 業務の見える化、マニュアル化、引き継ぎ設計

同じ「忙しい」という症状でも、原因が違えば打ち手は変わります。

利益が出ない場合も同じです。

売上が足りないのか
利益率が低いのか
固定費が重いのか
商品構成が悪いのか
手間のかかる案件が多いのか

原因によって、営業強化、値上げ、コスト見直し、商品整理、業務改善など、取るべき対応は変わります。

だからこそ、最初に原因を見極めることが重要です。

7.問題解決は「すぐ打ち手」ではなく「まず整理」

経営者や管理職は、早く問題を解決したいと考えます。
そのため、すぐに打ち手を出したくなります。

しかし、急いで打ち手を出すほど、原因の見極めが浅くなることがあります。

本当に大切なのは、
早く動くこと ではなく、
正しい方向に動くこと です。

問題を整理せずに動くと、現場の負担だけが増えることもあります。
 ・新しいルールを増やす
 ・新しい資料を作る
 ・会議を増やす
 ・確認項目を増やす
こうした打ち手が、かえって現場を重くすることもあります。

打ち手を増やす前に、まず問題を分ける。
そして、数ある問題の中から、いま取り組むべき課題を絞る。

これだけで、改善の精度は大きく変わります。

8.まとめ

経営や仕事で目にする症状の背後にはどんな原因があるのか?

大切なのは、
 ・現状を正しく見る
 ・問題と課題を分ける
 ・原因を見極める
 ・そのうえで打ち手を決める
という順番です。

原因を見誤ると、打ち手もズレます。
打ち手がズレると、努力しても成果につながりません。

問題解決で重要なのは、すぐに答えを出すことではありません。

何が本当の原因なのか。
いま取り組むべき課題は何なのか。

そこを見極めることです。
そこが整理できると、取るべき打ち手は見えやすくなります。

もし、
「問題が多すぎて、何から手をつければよいか分からない」
「打ち手を考えているが、効果が出るか不安」
「本当の原因を整理したい」
という場合は、状況整理のお手伝いも可能です。

ブログでは一般的な考え方をお伝えしていますが、実際には会社ごとの状況によって、原因も打ち手も変わります。

現状の悩みやデータをお聞かせいただければ、
症状・原因・課題・打ち手を整理し、
取るべきアクションを一緒に考えることも可能です。

感覚ではなく、構造で整理する。
それだけで、問題解決の進め方は大きく変わります。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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