「甲冑を着たい」——その思いが叶いました。
居合を始めてから、武士の生き方や死生観に関心を持つようになり、気がつけば甲冑への憧れが自然と生まれていました。
そんな折、川越の祭りで鉄砲隊の列に参加する機会をいただきました。
鎧をまとい、列に加わった瞬間、背筋が伸びるのを感じました。
しかし、着物とはまったく異なる緊張感。
雨に打たれ、甲冑の冷たさと重みがじわじわと体に染み込みます。
わずか数時間の体験でしたが、それだけでも戦場の厳しさを垣間見たような気がしました。
魂の成長には「体験」が不可欠だと言います。
どんなに知識を積んでも、それを体感しなければ真の理解にはつながらない。
魂は、肉体を通じた経験を通して成長するものだからです。
甲冑を着て感じた冷え、重み、緊張——それはただの体験ではなく、歴史の中で生きた人々の一端を自分の内に刻むことでもありました。
彼らの生きた世界を少しでも感じることで、命の尊さや時代を超えた魂のつながりに思いを馳せることができたのです。
魂の成長とは、こうした「経験を通じた理解」の積み重ねなのかもしれません。
次はどんな体験が、私の魂を成長させてくれるのでしょうか。