数あるブログの中からご覧いただきありがとうございます。
ココナラで"BigarMusic"として個人活動している作編曲家、サウンドプロデュサーです。
突然ですが「自分の作った楽曲を編曲やプロデュースして欲しい!」と思うみなさんの中に、こんなお悩みはありませんか?
(ココナラ界隈でよく耳にするお悩み例)
1.提案はたくさんもらうけど誰にお願いしたら良いのかわからない。
2.安さ競争の中で一番低予算の人を選んでみたらクオリティがいまいち。
3.自分と相性の合うクリエーターになかなか出会えない。
4.相手のコミニュケーショが雑でイライラしてしまう。
これら4つのお悩みや疑問は、音楽の制作現場で個人のクライアントさん達と交流しているとよく耳にするコメントです。
私は十代から音楽業界でのプロのキャリアをスタートして以来、作曲、編曲家、サウンドプロデューサーとして26年あらゆる制作現場で活動してきました。
現在も個人でのクリエーター活動のほかに、音楽制作会社&レコーディング専門スタジオを都内で25年経営しています。
レコード会社からリクエストされる歌手のプロデュース、ハリウッド俳優出演の映画音楽の音楽監督やテーマ曲制作など、そして個人的に特に多いのは、海外の大手企業(中には国内も)のブランディングドラマCMの音楽演出などなど、手がけた音楽演出の作品は、中にはYoutubeで1千万回再生を超えていたりします。
そんな私の表舞台の業界経験と、ライフワークで続けてきた個人の方向けスキルマーケット業界の経験から、今回のコラムではこれら4つのお悩みに丁寧にお答えしてみたいと思います!
【取引で起こりがちな失敗を解決!】
(お悩み1)提案はたくさんもらうけど誰にお願いしたら良いのか分からない」
これは、ココナラやその他のクラウドソーシング、いわゆるスキルマーケットで、自分の希望している作品作りをクリエーターに発注している方定番のお悩みのようですね。
スキルマーケットが定着した今では、各サービスには膨大な数のクリエーターが登録していて、一つ募集案件を投稿すると、ものすごい数の提案が殺到します。
しかしここで一つじっくり考えてみてください…
スキルマーケットで募集案件に積極的に提案して、自分の存在をアピールしなければならない人々って、どういう人たちなのでしょう?
厳しい見方ですが、一言で言ってその人たちの多くは「自立したプロではなく、プロになりたい人たち」なのです。
どういうことかもう少し詳しく解説すると、ネット上のサービスで発注を受けるためには当然自分のサービスを告知広報しなければいけません。そんな時、顔の見えないネットサービスでは実績が極めて重要になります。
そう…例えすごく高い技能を持っていても、これまでの手がけた実績やポートフォリオが乏しければ、発注はなかなか生まれない環境なのです。
そのため、これからネットでビジネスを確立していきたい新参クリエーターは、ポートフォリオを充実させるために求人案件に殺到してきます。
つまり、募集案件に殺到してくるほとんどのクリエーターは残念ながら経験値がまだまだ乏しいのが現実です。
応募してきた方と個別にやり取りして、ポートフォリオやコミュニケーションのスマートさに惹かれて、素晴らしいクリエーターと出会えればそれは素晴らしいことですが、現実問題として釣りに例えるなら、回遊魚の小魚が群れる海にエサを垂らせば、集まるのは目標以外の小魚に終始してしまうのは仕方がないことでもあります。
※そこで解決策!
時間と手間はかかりますがクリエーターのプロフィールページなどを検索一巡して、自分の目的、趣向、人間的なフィーリングに共鳴しそうなクリエーターのリストを作り、面倒でも直接コミュニケーションを自ら仕かけてみましょう!
限られた予算の中で自分の作品を最高の物に仕上げるためには、積極的にクリエーターとDMでコミュニケーションを取り、「この人だ!」という出会いを得るための努力にまずは注力しましょう。
(お悩み2)「安さ競争の中で低予算の人を選んでみたらクオリティがいまいち」
これはお悩み1“提案はたくさんもらうけど誰にお願いしたら良いのか分からない”にも通じてきますが、なぜ他のクリエーターよりも安い予算でプレゼンすることができるのか?考えてみましょう。
その理由はずばり「実績が欲しい」からです。
同時に行ってしまえば「まだ実績がない」からです。
私は普段ココナラでは作曲・編曲のサービスをそれぞれ各単価5,5000円で出品しています。
こんな感じです。
【プロ認定】を受けていますので相場から見ると驚くほど高い方には入りませんが、ココナラの市場では5千円~3万円程度で山ほど出品されていますから、全体では割高な方に入るのは間違いないでしょう。
では実際の売り上げはどれほどあるの?というと、
累計売上は2024年末時点で【2,105,280円】
これが明細表。
コロナ前から経営している本業の片手間で細々とやっていたのですが、ほとんどの売り上げは2024年の4月から8か月間で売り上げています。
【2024年度売上総額1,783,824円】
さて、この程度の売り上げを単価55,000円~(内容に応じて応相談)で、コンスタントに年間通じて対応しているクリエーターが、安売りで1万円、2万円に価格を下げてプレゼンすることはあるでしょうか?
よほど何かの理由で困っていない限りありませんよね。
私にとっては普段本業の法人で引き受けている案件は、同様の依頼で10万円(税別)~応相談が通常運転ですので、匿名でスキルマーケットで提供している個人案件ではつまり半額で提供しています。
これ以上価格を下げるのは現実問題として出来ません。
何をお伝えしたいかというと、
「安い見積りには、安いだけの理由がある」
ということを知って頂きたいわけです。
私たちクリエーターの業界というのは、実はどこまで行っても時給換算の世界です。
クリエーターは自分の知識、スキル、環境整備のために何十年かけて、何百万円、はたまた何千万円もの投資をしてきています。だからこそ、今目の前の案件で得られる時給は3千円、5千円、はたまた1万円くらいないと割に合わないのがクリエイティブ業界というものなのです。
そういった現実がある中で、極端に安い単価でサービスを出品しているということは、逆説的に言えばそのクリエーターの“知識” “スキル” “環境” にそれ相応の未熟さがある可能性が高いということになります。
※そこで解決策!
まず自分が求めているサービスがどの程度の相場で提供されているのかをリサーチしましょう。このとき、下を見ても上を見ても際限なく幅が広がります。
各サービスページのポートフォリオなどを参考にしつつ、高いクオリティや豊富な実績のある人たち、特にプロ認定されている人たちが、どの程度の価格帯で提供しているかを調べてみましょう。(ココナラの検索で“PRO認定を優先表示”にチェックを入れて検索)
その上で希望に対して妥当な予算を見積り、自分の気に入ったクリエーターさんにDMを送って、その予算で引き受けてもらえるかどうかを相談してみると良いでしょう。
(お悩み3)「自分と相性の合うクリエーターになかなか出会えない」
このお悩みは、その都度の案件で嫌な思いをしながら、次から次へと新しいクリエーター探しをしている依頼者さんに多いようです。
まずクリエーターを探す上でもっとも大切なポイントをお伝えします。
「どんなジャンルにも対応できます!」は信じてはいけない!
こういったアピールをするクリエーターの多くは、さまざまなジャンルの、それぞれの奥深さをまだ知らない未熟なクリエーターだと思って良いでしょう。
例えば考えてみて下さい。
「私はロックギターリストで編曲もできます」というクリエーターに、「ピアノ主体のアレンジで、サビには壮大な管弦楽の演出も加えて欲しい!」と相談したとします。そのクリエーターから「大丈夫です!どんなジャンルでも対応できますよ!」と返ってきたとしたら、それは本当に信じて大丈夫でしょうか?
それが嘘だとは決して言いません。
しかし仮に、私はピアニストでもあり、ピアノ主体の編曲やオーケストレーションと呼ばれる、管弦楽の専門的な編曲技法を何十年と学んで経験を積んできたクリエーターですが、そのような専門家と比べた際に、そのロックギターリストを同じように評価できるでしょうか?
逆も然りです。私はギターもベースも自分で演奏収録しますが、ギターに人生をかけてきたような演奏者の真似事にも及ばないという自覚があるので、私のサービスでは「ギター主体の楽曲をご希望の場合は、他の得意とするクリエーターさんにご相談いただけたらと思います」と、あえてお断りの一文を掲載しています。
(サービス紹介文の文末をご参照ください)
大切なことはそのクリエーターの得意分野を聴き出し、得意分野が光っているサンプルを提供してもらうことです。そのサンプルが自分の好みと合うのであれば、お互いの目指す方向性や持ち味が一致しているということが分かります。
この話は実は、経験豊富なクリエーターに制作相談をする際にも同じことが言えます。経験豊富なクリエーターは中にはギター、ピアノ、シンセプログラミング、オーケストラアレンジなど、カバーしているジャンルが広く、経験値もそれなりに高い人がいます。
それでも、やはり得意不得意は仕上がりに表れてしまうものです。
自分の好みとクリエーターの好みや得意分野が一致することは、とても重要な要素なのです。
※そこで解決策!
募集案件を投稿した際には、提案者からの提案内容を鵜呑みにするのではなく、提案者のポートフォリオや過去のサンプルを必ずチェックするようにしましょう。
募集案件にしても指名案件にしても、発注する前に候補となるクリエーターに「自分の求めている方向性はあなたの得意分野に入りますか?」と、ちょっと乱暴なようですが単刀直入に訊いてみてもよいでしょう。
くれぐれも…「なんでも対応します」にはご注意を。
(お悩み4)「相手のコミニュケーショが雑でイライラしてしまう」
ココナラでのコミュニケーションにおけるお悩みは一番多く耳にします。
考えてみれば、コロナ禍でリモートワークが急速に普及して以降、日本で顕著になってきているのが「コミュニケーション能力の劣化」ではないでしょうか?
私は1995年に15歳で音楽業界のキャリアをスタートさせました。その頃の音楽業界は、基本的に業界人からの紹介でお仕事が生まれます。ですので、知識・スキル、充実した制作環境や楽器以上に重要な能力は、コミュニケーション能力でした。
「この人何か嫌だな」と思われたら最後、次にお声がかかることはありません。
2000年代以降私は海外の制作案件にも数多く参加しています。
このような環境では、メールを使ったコミュニケーションが主体となります。(近年はメールのほかにチャットなど)
限られた情報を簡潔にやり取りしなければならないネット環境だからこそ、コミュニケ―ションの質がより問われると私は経験上から思います。
現代のコミュニケーションに関する大きな課題は、スキルマーケット上には膨大な数の依頼者と、膨大な数のクリエーターがいることによって、「代わりなら他にいくらでもいると両者が錯覚してしまいがちだ」という事ではないでしょうか?
例え膨大な数の人と情報とお金が飛び交うネット環境であっても、私たちは一人一人が一期一会に出会い、互いの責任を引き受け合って、同じ目標に向かって共同作業をしています。
コミュニケーションの充実はネット環境だからこそ、なおのこと重要なのです。
私は出品しているサービス紹介の冒頭に、「迅速な連絡とコミュニケーションを何より大切にしています」と宣言しています。
(サービス紹介文の冒頭をご参照ください)
これはご依頼につながるかどうかの前に、まず一度私にDMでご相談をいただいて、コミュニケーションを取ってみて頂きたいからです。
テキストのみのやり取りでも、私の人柄や得意分野、ご依頼主の思い描いていらっしゃる完成図に、私がどのようなモチベーションでコミットできるのか?それらを知って頂いてから、成約に向けてご検討いただくように心がけています。
このような取り組みもまた、発注後のコミュニケーションでトラブルを生まないようにするための私なりの工夫であったりします。
ポイント!「コミュニケーションで失敗しないためにも、最初のコミュニケーションを大切にしよう」
※そこで解決策!
最低でも3往復はDMでクリエーターと相談のやり取りをしてみましょう。
「こちらから相談を持ち掛けると、いつの間にか発注をしなければならないような錯覚に陥る」という方も過去に出会いましたが、ご依頼主は大抵複数のクリエーターの中から検討しています。
ですから、やり取りをしてみて「この人はちょっと違うな」と感じれば、「検討してみます」の一言で後は音信不通になったとしても、ご依頼主には何の責任もありません。
返答を迫るメッセージが後日届いても、「ありがとうございます。今回は他の方に決まりました」で全く問題ないわけです。
まずはピンとくる人に出会えるまで沢山のクリエーターに案件の相談を持ちかけ、スキルやキャリアの前に「その人がどういう人なのか」が伝わってくるまで、こちらからコミュニケーションを仕掛けていきましょう。
例えば「私は作品をこのように仕上げたいと思っていますが、他にアイデアがあればお聞かせ下さい」など、具体的な質問を投げかけることで、その案件をクリエーターがどれだけ“自分事”として受け止めてくれているかが分かるかもしれません。
【おわりに】
ここまでの長文お読みいただきありがとうございます!
音楽制作に関する発注は目に見えないものを手がけるだけに、うまくいかないことがとても多いですよね。
このコラムを時々照らし合わせながら、「今回の取引はどこでつまずいたんだろう?」と振り返ってもらえれば幸いです。
当方BigarMusicでは、主にピアノを主体とした泣かせるPOPSサウンドを軸に、壮大なバンドサウンド、オーケストラアレンジ、シンセプログラミングによる、「ボーカル曲の作曲編曲」「映画・広告音楽」「歌ってみたカバー」など、国内外から好評をいただいております。
ちょっとでも”ピン!”と来た方はまさにこのコラムの通り、遠慮なくまずはDMでご相談ください!
♪新たな出会いを心待ちにしております♪