海辺の孤島

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荒波が砕け散る音だけが、孤島を支配していた。名前も、歴史も、記憶も失われたかのような、この島は、ただ存在するだけで、その存在意義を問われることもなく、時を刻んでいた。
島の唯一の建造物、それは朽ち果てた灯台だった。かつては、航海者を導いたであろう光は、今は錆びついた鉄骨に覆い隠され、僅かな光も漏らさない。その周囲には、珊瑚礁が複雑に絡み合い、波が砕け散る音に混じって、潮の香りが漂っていた。

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