この解説は、
R04年度「0902建設部門-鋼構造及びコンクリート」
選択問題Ⅱ-2-1を基に構成しています。
👩🎓👧魔理沙と霊夢が自己紹介
👧霊夢:
あらあら、皆さん、こんにちは!
ようこそいらっしゃいました!
👩🎓魔理沙:
おいおい、待て待て霊夢!
いきなり出てくるとは、相変わらず慌ててるな!
まずは誰が何をするのか、きっちり紹介するのが筋ってもんだぜ!
👧霊夢:
もう、魔理沙ったら!
分かってるわよ!
私が誰かって?
見ての通り、普通の女の子よ!
でも、魔理沙の解説を聞くのが大好きで、今日はここにいるの!
建設とか、難しいことはぜーんぜん分からない、正真正銘の素人さんよ!
分からないことはどんどん質問するから、よろしくね!
👩🎓魔理沙:
フン、まぁ素人代表としては悪くないんじゃねえか?
で、私の紹介だが...
誰が解説すると思ってるんだ?
この私、魔理沙様だぜ!
しかもただの魔理沙じゃない。
建設部門「鋼構造及びコンクリート」の技術士だ!
素人のお前にも、とびきり分かりやすく、鋼やコンクリートの難しい話を解き明かしてやる。
覚悟しておけよ!
👧霊夢:
うわぁ、すごいんだか偉そうなんだか!
でも、技術士さんってすごいんでしょ?
しかも、あの「ゆっくり」で分かりやすく教えてくれるなんて、楽しみだわ!
👩🎓魔理沙:
当然だ!任せとけ!
今回は技術士第二次試験の過去問解説という、ちょっぴり硬いテーマだが...
この私と、お前...いや、霊夢との掛け合いで、きっと楽しく学べるはずだ!さあ、準備はいいか?
👧霊夢:
バッチリよ!
👩🎓魔理沙:
よし!それじゃあ、早速始めていくぜ!
👧霊夢:
それでは、みなさん!
👩🎓魔理沙・👧霊夢:
ゆっくりしていってね!
📝R04「0902建設部門-鋼構造及びコンクリート」問題Ⅱ-2-1
構造物の供用時期が決定している場合に、計画、設計、製作、施工等の各段階における技術的工夫による工期短縮が強く求められることがある。技術的工夫とは、工期短縮を目的として既に設計された構造物の構造変更による工夫、製作・施工における工夫あるいはそれらの組合せによる工夫などである。このような状況において、あなたが既に設計された構造物に対して工期短縮を検討する技術者として業務を行うに当たり、下記の内容について記述せよ。ただし、技術的工夫がなく人的資源の追加のみによる方法は除く。
(1)対象とする構造物と工期短縮方法を設定し、工期短縮を実現するために調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務の手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
「日本技術士会」HP
❓問題文の前提とは
👩🎓魔理沙:
さて、次は問題文の一番最初、いわゆる「前提文」の部分だぜ。
ここで、今回の問題がどんな状況で、何を求められているのかを、しっかり理解しておく必要があるんだ。
👧霊夢:
前提文?
えっと、
『構造物の供用時期が決定している場合に、計画、設計、製作、施工等の各段階における技術的工夫による工期短縮が強く求められることがある。』って書いてあるところかしら?なんか、急いで作る話っぽいけど...
👩🎓魔理沙:
そうだ、その通りだ!
よく読めているな。
この短い文章に、今回の問題のカギが詰まっているんだ。
順番に紐解いていくぜ。
[1] ⏰ ⏳ 時間がない?!なんで急ぐの?
👩🎓魔理沙:
まずは、「構造物の供用時期が決定している」って部分だ。
霊夢、供用時期って、なんだか分かるか?
👧霊夢:
うーん...供用?
みんなが使うようになる時期、とかかしら?
電車が動き出す日とか、道路が開通する日とか?
👩🎓魔理沙:
おっ、正解だ!流石だな。
まさにその通り。
供用時期というのは、その構造物が実際に使われ始める期日のことだ。
例えば、新しい橋なら「いつから車が通れるか」、駅なら「いつから電車が停まるか」、ビルなら「いつから人が入って使えるか」って日だな。
この期日が、もう「〇月〇日までに絶対!」って決まっちゃってる状況なんだ。
👧霊夢:
へぇ、決まってるんだ。
でも、なんでそれが問題になるの?
ゆっくり作ればいいじゃない。
👩🎓魔理沙:
それが、そうはいかないんだよ霊夢。
普通は、その供用時期から逆算して、計画、設計、製作、施工...つまり、工事の全工程に必要な時間を積み上げて、工事期間を決めるんだ。
でも、何かの理由で、この工事期間が当初の予定より遅れてしまったり、あるいは当初からタイトなスケジュールだったりして、「このままだと、約束の供用時期に間に合わない!」っていう事態になることがあるんだ。
👧霊夢:
あちゃー、それは困るわね。
電車が動かなかったり、橋が使えなかったりしたら、みんな困っちゃうもの。
👩🎓魔理沙:
そうだろ?
だから、供用時期を守るために、「工期短縮」、つまり工事期間を短くすることが「強く求められる」ことになるんだ。
これが、問題のまず最初の前提条件だぜ。
[2] ✨ 技術で解決!「工期短縮」って何?
👩🎓魔理沙:
次に、今回の問題で重要なのが、「技術的工夫による工期短縮」という部分だ。
単に「早くしろ」って言ってるわけじゃないんだぜ。
👧霊夢:
技術的工夫...?
さっき魔理沙が言ってた、設計とか製作とか施工とか、色々な段階があるんでしょ?
そういうところで、何か技術を使って時間を短くするってことかしら?
👩🎓魔理沙:
まさに!
その通りだ。
技術的工夫っていうのは、工事のやり方そのものを、技術の力を使って見直して、もっと効率的に、もっと早くできるようにするってことだ。
👧霊夢:
ふむふむ。
例えば、どういうこと?
👩🎓魔理沙:
いい質問だ!
例えば、工場で作る部分を増やして、現場での作業を減らすとか、
新しい機械を使って、今までより早く作業できるようにするとか、
もっと早く固まるコンクリートを使うとか、
あらかじめ組み立てておいた大きなブロックを、クレーンで一気に架けるとか、
そんな風に、今までとは違う、あるいはもっと進化させた技術を使って、工期を縮めることなんだ。
これが、今回の問題で一番重要視されている部分だぜ。
[3] 💡 工夫のヒントはどこに?設計?現場?
👩🎓魔理沙:
前提文には、さらに「技術的工夫とは、工期短縮を目的として既に設計された構造物の構造変更による工夫、製作・施工における工夫あるいはそれらの組合せによる工夫などである」と書いてある。
これは、どんなところで技術的工夫ができるか、具体的な例を教えてくれているんだ。
👧霊夢:
えっと、「既に設計された構造物」って書いてあるわね。
デザインとか、計算とか、もう終わってるってこと?
👩🎓魔理沙:
そう、その通り!
基本的には、もうどんな構造物をどんな材料でどういう形で作るか、設計図ができていて、必要な計算も終わっているんだ。
普通なら、その設計通りに作るんだけど、今回は工期短縮のために、「設計は終わってるけど、ちょっと構造を変えられないか?」っていうところから検討を始めることもあるってことだな。
👧霊夢:
へぇ!
設計は終わってるのに、変えるの?
それは大変そうね。
👩🎓魔理沙:
大変だが、工期短縮のためなら、そういう検討も必要なんだ。
例えば、現場で鉄骨を一本ずつ組むのが時間がかかるなら、工場で大きなブロックに組んでから現場に持ってくるとか、
コンクリートの型枠(かたわく)を組んでバラすのが大変なら、プレキャスト(あらかじめ工場で作っておく)の部材に変えられないか、とか。
これが「構造変更による工夫」の一例だ。
そして、「製作・施工における工夫」っていうのは、設計はそのままだけど、工場での作り方や現場での組み立て方をもっと早くできないか考えることだ。
例えば、溶接じゃなくて高力ボルトを多く使うようにするとか、新しい工法を導入するとか、だな。
👧霊夢:
なるほど!
設計そのものを変えることもあれば、作り方や組み立て方を変えることもあるのね。
👩🎓魔理沙:
ああ。
そして、その「組合せ」もあるってことだな。
設計を変えつつ、作り方も変えるとか。
これが技術的工夫の具体的な方向性を示しているんだ。
[4] 🙅♀️ 人を増やすだけじゃダメ?何が求められてる?
👩🎓魔理沙:
最後に、重要な「ただし書き」があるぜ。
「ただし、技術的工夫がなく人的資源の追加のみによる方法は除く」と書いてあるな。
霊夢、これはどういう意味だと思う?
👧霊夢:
えっと...
「技術的工夫」がない、ってことは、さっき魔理沙が教えてくれた、作り方を変えるとか、新しい機械を使うとか、そういうことはしないで...
「人的資源の追加」って、人を増やすってことかしら?
👩🎓魔理沙:
大正解だ!
人的資源っていうのは、シンプルに言えば「働く人」のことだ。
そして、人的資源の追加っていうのは、「もっと人を投入する」とか、「残業を増やして、無理やり作業時間を長くする」とか、そういうことだ。
👧霊夢:
ああ、つまり、「人海戦術」はダメってことね?
「頑張って残業しろ!」とか、「とにかく人手を増やせ!」だけでは答えにならないってこと?
👩🎓魔理沙:
全くその通りだ!
確かに、人を増やしたり作業時間を延ばしたりすれば、物理的には早く進む可能性はある。
でも、この問題で技術士に求められているのは、そういう力任せな方法じゃなくて、「技術者としての専門知識や知恵」を使って、どうやったらもっとスマートに、安全に、効率的に早くできるか、を考えることなんだ。
👧霊夢:
なるほど!
ただ頑張るんじゃなくて、頭を使って、技術を使って早くする方法を答えないといけないのね!
👩🎓魔理沙:
そう!
ここが試験で「技術士」に求められる視点なんだ。
単なる現場監督や、スケジュール調整だけの人じゃなくて、技術の力で課題を解決する能力が問われているんだぜ。
👧霊夢:
うわぁ、技術士さんってすごいんだわ!
ただ作るだけじゃなくて、色々な工夫をするのね。
👩🎓魔理沙:
ふっ、まあな。
これが、今回の問題の前提条件と、そこで求められていることの全てだ。
供用時期が決まってて、時間がなくて、技術的な工夫で工期短縮を検討する...
しかも、設計済みの構造物に対して、人を増やすだけじゃなくて、だ。
👧霊夢:
うんうん、なんとなく分かった気がするわ!
👩🎓魔理沙:
よし!
これで前提はバッチリだ。
次はいよいよ、具体的な設問...(1)の解説に入っていくぜ!
✅(1)具体的な作戦を立てるんだぜ!何をどう調べる? 🤔🏗️🔍📋
👩🎓魔理沙:
さて、いよいよ今回の問題の核心部分だぜ。
最初の問い(1)はこうだ。
👧霊夢:
えっと...
『(1)対象とする構造物と工期短縮方法を設定し、工期短縮を実現するために調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。』
うーん...
何かを作るのを急ぐ話なのは分かったけど、何をどうすればいいか、具体的に答えるってことかしら?
👩🎓魔理沙:
そうだ!大正解だぜ!
前提文で、「こういう状況で、技術的工夫で工期を短くする方法を考えろ」って言われているわけだが、
この(1)では、「じゃあ、具体的にどんな構造物で、どんな技術的工夫をする? そして、それをやるために、何を調べて、何を考えなきゃいけない?」ってことを聞かれているんだ。
いわば、工期短縮ミッションを成功させるための、最初の「作戦会議」で何を話し合うべきか、ってことだな。