このインタビューは、
H23年度「21総合技術監理部門」必須問題Ⅱ-2を基にして構成しています。
😉登場人物紹介(👧👦👩💼)
👧美咲:
(キリッ) 皆さん、こんにちは!生徒会副会長の美咲です。来年こそは生徒会長になって、学校を、そしてこの街を、もっともっと良くしたいと思ってるの!理科は得意だし、特に街づくりには興味津々。翔太には負けないわよ!(ちらっ)
👦翔太:
(もじもじ) あ、あ、皆さん、どうも…生徒会副会長の翔太です。美咲みたいにハキハキしてないけど、僕なりに頑張ります。将来は、何かすごいモノづくりに関わる仕事がしたいなぁ…。美咲にはいつも言い負かされちゃうけど…(小声で)いつか出し抜いてやる!
👩💼永野さん:
(笑顔) こんにちは、美咲さんと翔太くん。そして、ブログを見てくれている皆さん、はじめまして!技術士の永野芽衣です。総合技術監理部門と情報工学部門、両方の技術士資格を持ってるんですよ。
🎤インタビュー開始!
👧美咲:
永野さん、今日はよろしくお願いします!この会社、すごくカッコいいですね!
👦翔太:
(きょろきょろ) よろしくお願いします!あの…パソコンがいっぱい並んでて、なんだかすごいですね。
👩💼永野さん:
美咲さん、翔太くん、ようこそ!株式会社〇〇へ!(笑顔) ゆっくりしていってくださいね。お茶とお菓子を用意しました。
👧美咲:
ありがとうございます!早速ですが、今日のインタビュー、張り切っていきますよ!
👦翔太:
(もじもじ) は、はい…頑張ります!
📝H23年度「21総合技術監理部門」必須問題Ⅱ-2
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、東北地方を中心に東日本は甚大な被害を受けた。エネルギー事業者、食品事業者などは流通網の寸断により被災地のみならず非被災地域においても物資の供給支障をきたしている。また、建設事業においては建設資材がストップした例も見られ、製造業やサービス業などにおいては、東北地方に留まらず、日本各地や海外にまで各種の影響が及んでいる。
このように、現代社会において各種の事業を提案・遂行する場合は、事前に予期し対処することが容易でない事態に直面することも起こり得る。今回の震災は未曾有の大災害という言葉で語られるが、そのような対象の発生であっても、当該事業の社会的意義が高いものであればあるほど、その継続・遂行は重要となる。複雑な相互依存性が高い社会では、完全な備えということは実現出来なくとも、事前に想定領域を広げ、事態に直面した際に影響を緩和するような工夫は不可欠な時代である。
上記の状況を踏まえて、以下のプロジェクトに関する事業モデルのケースⅠ又はケースⅡのいずれか1つを選び、当該プロジェクトを提案する立場で、総合技術監理の視点から(1)~(3)の問いに答えよ。ここでいう総合技術監理を構成する管理分野とは、「経済性管理」、「安全管理」、「人的資源管理」、「情報管理」、「社会環境管理」の5つを言う。(問いごとに答案用紙を替えて、それぞれ指示された枚数以内にまとめること。)
(1)本論文において、あなたが取り上げるケースを明記し、それらの製品製造又は建設プロジェクトの概要を定義せよ。定義に当たっては、選択したケースにおいて以後の(2)、(3)の問いの解答に必要な事業モデルの内容を記せ。特に、両ケースともそのプロジェクトを遂行する上で、必要とされる外部資源(人・モノ・資金・情報など)や外部環境を明確にせよ。以上を答案用紙1枚以内にまとめよ。
(2)あなたが(1)で記述したプロジェクトについて、事業モデルの存続を脅かすようなシナリオを3つ想定し記載せよ。ここで言うシナリオとは、「外部要因の顕在化」⇒「事業を成立させるために必要な外部資源や外部環境の変動や被害の発生」⇒「事業モデルへの影響」の一連の流れを呼ぶものとする。記載する3つのシナリオは種類の違うものを挙げよ。種類の違いとは、外部要因(例えば、自然災害、大火災、海外の地域紛争、規制変化、金融危機)及び選択した事業モデルが受ける影響のタイプの両方が異なることを言う。この際、当該要因が発生してもあなたの所属する組織への直接的な被害は軽微又は無かったものとする。
なお、ケースⅠでは操業開始後に被る可能性としてのシナリオを対象とし、ケースⅡでは建設中に被る可能性としてのシナリオを対象とする。ケースⅠの製品もケースⅡの構造物も、社会的必要性は失われないものとする。以上を答案用紙2枚以内にまとめよ。
(3)当該プロジェクトを提案する上で、(2)で挙げたシナリオについて2つを選び、それらに対して事業継続のために事前に準備しておくべき対策案とそれを行う理由(又は狙いとする効果)及び対策実施上の留意点(対策効果を発揮するためのポイントや対策の実現性に関する注意点等)を、総合技術監理の管理分野の視点を用いて記述せよ。以上を答案用紙2枚以内にまとめよ。
「日本技術士会」HP
🌎問題文の前提1:大震災からの教訓:事業継続の大切さ
[1] ❓未曾有の大災害って何?
👧美咲:
あの、永野さん。「未曾有の大災害」って、どういう意味ですか?
👩💼永野さん:
良い質問ですね、美咲さん!「未曾有」というのは、「これまで一度もなかった」という意味です。つまり、「未曾有の大災害」は、「これまで経験したことのないほど大きな災害」ということになります。2011年の東日本大震災は、まさにそうでした。
👦翔太:
なるほど!それで、その大震災が、いろんな事業に影響を与えたんですね。
[2] 🧱流通網の寸断ってどういうこと?
👧美咲:
問題文に「流通網の寸断」って書いてありますけど、それって具体的にどういうことですか?
👩💼永野さん:
「流通網」というのは、物資が生産されてから、お店に並ぶまでのルートのことです。例えば、食品だったら、農家で野菜が作られて、トラックで運ばれて、工場で加工されて、お店に並びますよね。この一連の流れが「流通網」です。
「寸断」というのは、その流れが途中で途切れてしまうことです。震災の場合、道路が壊れたり、港が使えなくなったりして、物資を運ぶことができなくなってしまいました。これが「流通網の寸断」です。
👦翔太:
じゃあ、お店に物が届かなくなっちゃうんですね!
👩💼永野さん:
その通りです。特に、被災地では物が手に入らなくなって、とても大変な状況でした。
[3] 🏢事業の継続が重要な理由
👧美咲:
問題文に「事業の社会的意義が高いものであればあるほど、その継続・遂行は重要となる」と書いてありますけど、どうしてですか?
👩💼永野さん:
とても良いところに気が付きましたね、美咲さん!例えば、電気やガスなどのエネルギー事業は、私たちの生活に欠かせませんよね。もし、震災でエネルギーの供給がストップしてしまったら、多くの人が困ってしまいます。
また、食品事業者も、私たちの食生活を支える上で非常に重要です。震災後、食料の確保が困難になった地域もありましたが、食品事業者が頑張ってくれたおかげで、少しずつ状況が改善していきました。
このように、私たちの生活に欠かせない事業は、どんな困難な状況でも、できる限り継続していくことが大切なんです。
👦翔太:
なるほど!事業を続けることで、みんなの生活を守ることができるんですね!
[4] 🛡️事前に想定領域を広げるって?
👧美咲:
最後に、「事前に想定領域を広げ、事態に直面した際に影響を緩和するような工夫は不可欠」と書いてありますけど、これはどういうことですか?
👩💼永野さん:
これは、未来に起こりうる様々な事態を、できるだけ具体的に想像しておくことが大切だということです。例えば、地震が起きたらどうなるか、台風が来たらどうなるか、火災が起きたらどうなるか…など、色々な可能性を考えて、それぞれに対する対策を準備しておくことが重要です。
そうすることで、実際に災害が起こった時に、被害を最小限に抑えることができます。
👦翔太:
まるで、ゲームの攻略本みたいですね!
👩💼永野さん:
(笑) 確かに、そうかもしれませんね!でも、現実の世界では、何が起こるかわかりません。だからこそ、色々な可能性を考えて、備えておくことが大切なんです。そして、そのような備えをするために、総合技術監理という考え方がとても役に立ちます。
👧美咲:
総合技術監理…奥が深そうですね!
🌎問題文の前提2:事業モデルを選ぼう!
👩💼永野さん:
さて、美咲さんと翔太くん。問題文には、ケースⅠとケースⅡという2つの事業モデルが提示されていますね。どちらか1つを選んで、それに基づいて問題を解いていくことになります。
[1] 🏭ケースⅠってどんな事業?
👧美咲:
ケースⅠは、「ある製品の生産・販売の実施に関する提案」と書いてありますね。
👩💼永野さん:
そうですね。具体的には、製品の加工・組立工場を立ち上げて、継続的に製品を製造し、顧客に納入する、というモデルです。例えば、自動車の部品を組み立てたり、スマートフォンを製造したりするイメージでしょうか。
👦翔太:
なるほど!工場で作ったものを、お客さんに売るんですね。
[2] 🏗️ケースⅡはどんな事業?
👧美咲:
ケースⅡは、「大規模構造物の建設に関する提案」ですね。
👩💼永野さん:
はい。こちらは、橋やダム、高層ビルなど、大規模な構造物を建設する事業です。完成後も維持・利用していくことを前提としています。
👦翔太:
すごい!スケールが大きいですね!
[3] 🤔どっちのケースを選ぶ?
👧美咲:
どっちを選んだら良いか迷いますね…。
👩💼永野さん:
どちらのケースも面白いですが、私が得意とする情報工学の視点から考えると、ケースⅠの方が、より深く掘り下げられるかもしれません。特に、最近私が力を入れている「知財防衛」の観点から考えると、製品の製造・販売には、様々な知的財産が関わってきます。
👦翔太:
知財防衛…ですか?難しそう…。
👩💼永野さん:
大丈夫ですよ。簡単に言うと、自分たちの技術やアイデアを、他の人に真似されないように守るということです。例えば、特許を取ったり、企業秘密を守ったりすることなどが含まれます。
情報工学の技術を使って、知財を守ることは、とても重要なことなんです。
👧美咲:
なるほど!それなら、ケースⅠを選んで、知財防衛についても学んでみたいです!
👦翔太:
僕も、ケースⅠに賛成です!
👩💼永野さん:
良いですね!それでは、ケースⅠを選んで、問題を解いていきましょう。
[4] 🔑総合技術監理の5つの管理分野
👧美咲:
ところで、問題文に「総合技術監理を構成する管理分野とは、「経済性管理」、「安全管理」、「人的資源管理」、「情報管理」、「社会環境管理」の5つを言う」と書いてありますけど、これらは具体的にどういうことですか?
👩💼永野さん:
はい、この5つの管理分野は、プロジェクトを成功させるためにとても重要なんです。一つずつ簡単に説明しますね。
経済性管理
プロジェクトのお金の管理です。
コストを抑えつつ、最大限の効果を出す方法を考えます。
安全管理
プロジェクトに関わる人々の安全を守るための管理です。
事故や災害を防ぐための対策を立てます。
人的資源管理
プロジェクトに関わる人々の能力を最大限に引き出すための管理です。
チームワークを高めたり、モチベーションを維持したりします。
情報管理
プロジェクトに関する情報を適切に管理することです。
情報の共有やセキュリティ対策などを行います。
社会環境管理
プロジェクトが社会や環境に与える影響を考慮した管理です。
環境保護や地域社会との共生などを目指します。
これらの5つの分野をバランス良く管理することで、プロジェクトは成功に近づきます。
👦翔太:
なるほど!色々なことを考えないといけないんですね!
✅(1)プロジェクトの概要を定義しよう!
👩💼永野さん:
それでは、問題(1)に取り掛かりましょう。まずは、ケースⅠのプロジェクト概要を定義する必要がありますね。