技術士へ『中学生がインタビュー』R06【10上下水道部門】問題Ⅰ-1

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このインタビューは、
R06年度「10上下水道部門」必須問題Ⅰ-1を基にして構成しています。


😉登場人物紹介(👧👦👩‍💼)



👧美咲:
「生徒会副会長の美咲だよ! 来年の生徒会長はいただき! 理科は得意だし、街づくりにも興味津々。水川さん、今日は根掘り葉掘り聞いちゃうから覚悟してね!」



👦翔太:
「同じく生徒会副会長の翔太です…。美咲には頭が上がらないけど、内心は負けないぞ! 将来は何かを作る仕事がしたいから、今日の話はしっかり聞いて、美咲より先に理解するぞ!」



👩‍💼水川さん:
「技術士の水川です。上下水道のことなら何でも聞いてくださいね。難しいことも、お二人に分かりやすく説明できるように頑張ります!それにしても、二人とも熱意がすごいわね…(苦笑)」





🎤インタビュー開始!




(水川さんの会社の応接室にて)



👧美咲:
「水川さん、今日はよろしくお願いします! 生徒会副会長の美咲です!」

(深々と頭を下げる)



👦翔太:
「同じく生徒会副会長の翔太です。よろしくお願いします。」

(少し緊張した面持ちで頭を下げる)



👩‍💼水川さん:
「こちらこそ、よろしくお願いします。遠いところからよく来てくれましたね。どうぞ、そちらの席に座ってください。」

(笑顔で二人を促す)



👧美咲:
「ありがとうございます! 今日は水川さんの専門である上下水道について、色々教えてもらいたいです!」

(目を輝かせながら、用意してきたノートとペンを取り出す)



👦翔太:
「はい! 僕も将来の仕事の参考にしたいので、真剣に聞かせていただきます!」

(美咲に負けじと、背筋を伸ばして座る)



👩‍💼水川さん:
「はい、もちろんです! 準備は万端ですよ。今日は、特に技術士の試験問題を通して、上下水道の仕事について深く知ってもらおうと思っています。分かりやすく説明しますので、気軽に質問してくださいね。」

(資料を広げ、にっこりと微笑む)





📝R06年度「10上下水道部門」必須問題Ⅰ-1

 我が国では、水循環基本計画に基づき水循環に関する施策を着実に実施してきたところであるが、健全な水循環の維持又は回復に当たっては、依然として多くの課題が残されている。今後の持続可能な社会の実現には、健全な水循環が不可欠であり、様々な分野での取組が求められている。上記のような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)上下水道事業においても、健全な水循環構築のための取組が求められている。これについて、技術者としての立場で多面的な観点から、健全な水循環の構築に関して上下水道事業に共通する技術面の課題を3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、上下水道の専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行したうえで生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意事項を題意に即して述べよ。
「日本技術士会」HP





❓ 問題の前提を質問




 [1] 🔄 水循環って何?


👧美咲:
「あの、水川さん、この問題の最初に出てくる『水循環』って、具体的にどういうことですか? なんか難しそうです…。」



👩‍💼水川さん:
「いい質問ですね、美咲さん! 水循環っていうのは、簡単に言うと、水が地球上をぐるぐる回るプロセスのことなんですよ。雨が降って、川や海に流れ込んで、太陽の熱で蒸発して雲になって、また雨として降る…この繰り返しが水循環です。」



👦翔太:
「それって、小学校で習ったような…? でも、それがどうして『健全』じゃないといけないんですか?」



👩‍💼水川さん:
「翔太君、するどいですね! 『健全な水循環』っていうのは、この水が回る過程が、自然のバランスを保ちながら、滞りなく行われている状態を指します。例えば、森林が適切に保たれていれば、雨水がゆっくりと地下に浸透して、川を潤すことができますよね。でも、森林が伐採されてしまったり、都市化が進んで地面がコンクリートで覆われてしまうと、雨水が一気に川に流れ込んで洪水になったり、地下水が枯渇したりする原因になります。これが『健全』じゃない状態です。」



 [2] 🌳 森林の役割って?


👧美咲:
「さっき水川さんが言っていた、雨水が地下に浸透して川を潤すっていうのは、森林が関係しているんですか?」



👩‍💼水川さん:
「そうです、美咲さん。森林は、雨水を蓄えたり、地下に浸透させたりする、とても重要な役割を果たしています。森林があることで、川の水の量が安定したり、土砂災害を防いだりすることができるんですよ。」



👦翔太:
「森林が水を蓄えるって、どういう仕組みなんですか?」



👩‍💼水川さん:
「森林の土には、落ち葉や枝が積み重なってできた層がありますよね。この層が、雨水をゆっくりと吸収し、地中に浸透させてくれるんです。また、木の根っこも、土壌を固定して、雨水が流れ出すのを防ぐ役割があります。コンクリートで覆われた場所では、雨水はすぐに川に流れ出てしまいますが、森林ではゆっくりと時間をかけて地中に浸透していくので、川の水量を安定させることができるんです。」



 [3] 🚰 上下水道事業との関係は?


👦翔太:
「水循環が大切なのはわかったんですけど、それが上下水道事業とどう関係してくるんですか? 上水道は水をきれいにするし、下水道は汚れた水をきれいにするから、水循環とはちょっと違う気が…。」



👩‍💼水川さん:
「いいところに気が付きましたね、翔太君! 上下水道事業は、水循環の一部を担っていると言えるんですよ。上水道は、川や湖から取水した水を、浄水場で安全な飲み水に変えて、皆さんの家庭に届けますよね。そして、皆さんが使った水は、下水道を通って下水処理場に運ばれ、きれいになって川や海に戻されます。つまり、上下水道事業は、水循環の中で、人が利用できる水を作り出し、利用した水を自然に戻すという、重要な役割を果たしているんです。」



👧美咲:
「ということは、上下水道事業がうまく機能しないと、水循環全体にも影響が出てくるってことですか?」



👩‍💼水川さん:
「まさにその通りです、美咲さん! 例えば、下水処理場がうまく機能しなくなると、汚れた水がそのまま川や海に流れ出して、水質が悪化してしまいます。そうなると、生態系が破壊されたり、飲み水として利用できなくなったりと、様々な問題が起こります。だから、上下水道事業は、常に適切な維持管理を行い、最新の技術を導入することで、水循環を健全に保つための努力を続けているんです。」



 [4] 🎯 持続可能な社会って?


👦翔太:
「問題文に『持続可能な社会』って書いてあるんですけど、それってどういう意味ですか?」



👩‍💼水川さん:
「『持続可能な社会』というのは、簡単に言うと、未来の世代も、今の私たちと同じように豊かな生活を送ることができる社会のことです。そのためには、資源を大切に使ったり、環境を保護したり、経済を発展させたりと、様々な取り組みが必要になります。上下水道事業も、その一翼を担っているんですよ。」



👧美咲:
「上下水道事業が、持続可能な社会にどう貢献するんですか?」



👩‍💼水川さん:
「上下水道事業は、安全な水を供給し、汚れた水をきれいにすることで、人々の健康を守り、生活を支えるという、基本的な役割を果たしています。また、下水処理の過程で発生する汚泥を資源として再利用したり、省エネルギー技術を導入したりすることで、環境負荷を低減する努力も行っています。これらの取り組みは、すべて持続可能な社会の実現に貢献するものなんです。」



👧美咲:
「なるほど! 水循環、森林の役割、上下水道事業、そして持続可能な社会…問題文の前提がよくわかりました! これで問題に挑戦できます!」



👩‍💼水川さん:
「はい、頑張ってください! 難しい言葉や概念も多かったと思いますが、よく理解できましたね。何か行き詰まったら、いつでも質問してください。」




✅(1)課題はなに?健全な水循環のための3つの壁

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