480,000,000円(1契約)の契約を取った【飛び込み営業】の男の話-12

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480,000,000円(1契約)の契約を取った【飛び込み営業】の男の話-

・「たのもぅーーー!」~どんどんどん!
・「たのもぅーーー!」~どんどんどん!

小太郎は、勇気を振り絞って、周りに気を使いながらも、
勢いよく、玄関扉をたたいた。

・・・・・すると、

そこから出てきたのは、・・・

■なんと!品のいいおばあちゃん!

おそらく会長夫人!ではないのだろうか?と小太郎は直感した。

・小太郎:わ、わ、わ、わ、わ、わ、わったくし~、
     (やっぱビビってる(笑)
KK不動産の 田中 小太郎 と申しますんですが~(?)と、
  ※【8面名刺】  を、取り出し、差し出した!

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※【8面名刺】 とは?

・小太郎が、「この客は!」という時に使う
必殺名詞=小太郎のすべてが分かる
 “ からくり名刺 “ なのである。

内容的には、A4用紙を8つ折りにすると、
最終、名刺サイズくらいになる。

そのA4用紙に上手く収まるように分配して、
小太郎のほぼ、全情報を網羅してあり、
お客さんとの親密性を一発で構築するという【必勝ツール】だ。
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小太郎:こ、こ、こ、こ、こちらは、金子会長 様の、お、お、お宅ですよね?
・・・(自分のカミカミがちょっと情けなかった(´;ω;`)ウッ…)

会長夫人:そうです。

小太郎:会長様はいらっしゃいますか?

会長夫人:いますよ!←(なんというラッキー!(^_-)-☆)

小太郎:土地の有効活用の件で、
お伺いしたのですが、お会いできますでしょうか?

会長夫人:ええ、どうぞ!そこでお待ちください。
(またまた、なんというラッキー!(^_-)-☆)

小太郎は、やや、拍子抜けした。

=「大財閥の大会長」=

接見できるまでに、何回、何十回、通わなければいけないのだろうか?と想像していた。よくある苦労ドラマの冒頭の大事なシーンがない!

■昔、小太郎は、
真冬の雪のちらつく中で、野良作業している地主さんに、
何時間も、畑の前で待たされ、おまけに冷たく断られた思い出があり、
ドラマ『おしん』的なイメージで、何回もの門前払いで、
本人にはなかなか会えないとイメージしていたのに!

がっかり?

・「案ずるよりは産むがやすし!」
・「当たって砕けろ!」
いい言葉だ!

■「やっぱり飛び込み営業、オモロいなあ~!」

なんか妙に感動しながら、

「どんな人が出てくるんだろう?」

待つこと、数分。

小太郎は、唖然とした!

目の前に現れたのは、・・・

あの、今は亡き、『金二郎 師匠!』に、
どこか面影の似ている、いい感じのおじいちゃん!だった。

金次郎が、20年くらい歳取ったような感じの大会長さんが、
元気そうに、一眼レフのカメラを片手に、しゃかしゃかと言う感じで
出てこられた!

■人の出会いは不思議なもので、
最初からピンとくる人がいる。

男女なら、ひとめぼれ?

・『なんか?この爺さんとは、うまく行きそうな気がする⁉』

めちゃめちゃ勝手な思い込みだが、
何故か?そう思った。→(思い込みは恐ろしい!)

そして、その金二郎似の大会長に、
訪問の目的、【土地活用】の話をした。

そして、
大会長さんから、いろいろ話を聞くと、
もうすでに、恐ろしい程、土地活用はしているみたいなのだ。

■アパートやマンションに関しても、そうとうの軒数、所有しているらしいのだが、

まだまだ土地は余っているそうである。

莫大な相続税がかかるので、上手な土地活用は必要との事。

オーバーな言い方をすると、そこら中、大会長さん名義の土地なので、
嫌らしいくらい、いろんな会社の営業マンがやってくるらしい。

しかし、うちの物件はまだだった!

そして、今回は、まだそこそこ稼働している製紙工場をやめて、
その土地の活用という事らしい。

小太郎:えっ!でも、まだまだ、黒字じゃあないんですか?

大会長:いいや、近いうちに、「紙のいらない時代」 が来る!(ペーパーレス化)
段々と縮小して赤字になる前に、今なら、社員にしっかり退職金も払ってやれる。
徐々に廃業方向で進めるので、身の振り方も検討できる時間的余裕があると思う。

さすが、大会長。

素晴らしい先見性に、小太郎は、自身の経済リテラシーの低さを嘆いた。

●俺、貯金が、一円もねー!w ほぼ、その日暮らしやん! \(^o^)/

大会長のご意見に、脱帽して、丸坊主になりたいような心境になった。

が、そんな事、思っている場合じゃあない!

KK不動産のしっかりした建物や、
うちオリジナルの土地活用のメリットをお伝えして、

大会長:そこまで言うなら、次来るまでに、何か考えて来てくれ!という、
・「次回アポ」まで、こぎつけた。ホッ!

小太郎は、「これは大変なことになるぞー!」と、


🏭その現在稼働している、大製紙工場の前で、唸った。

つづく

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