480,000,000円(1契約)の契約を取った【飛び込み営業】の男の話-9
・・・小太郎は、目が覚めた。
そこは、病院のベットの上だった。
・・・ん?・・・、
そして!
「金次郎さんは?」と思い直し、ナースコールをした。
やさしそうな看護師が急いで、やってきて、
看護師:やっと目覚めましたね!どうしました?
小太郎:わたしの前に救急搬送されたはずの、ややお年を召した人は???
看護師:ああ、ここは、外科病院なので、たぶんその人は、
内科病院に搬送されたと思います。問い合わせてみましょうか?
小太郎:ありがとうございます。お願いします!
看護師は、ナースセンターに行って、数分たって、戻ってきた。
そして、
■「残念ながら、お亡くなりになったそうです。」
悲痛な顔をして、答えた!
小太郎:うそ、うそ、うそでしょう!
「めちゃめちゃ元気な爺だったのにーーーーーっ!」
と、叫んでしまった。
小太郎:すみません。退院します。
で、金次郎さんは、どこの病院にいますか??
看護師:いいえ、あなたが意識を失って、3日ほどたっているので、
すでに関係者の人が連れて帰ったという事です。
小太郎:で、それはどこですか?
看護師:申し訳ないんですけれど、
個人情報の関係もあり、ここでは、お探し、しようがありません!
小太郎:分かりました。とにかく退院します。
と、まずは、会社に行ってみた。
■さすが、大会社!金次郎死亡の件は、しっかり処理されていた。
そして、何事もなかったかのように機能していた。
というより、
・「金のなる木」(金次郎)の損失を埋めるため、
躍起になって機能していた。
金次郎の死因は、「糖尿病性昏睡」
かねてから患っていたらしい。
●小太郎の心に、大きな穴が開いた。
まっくらでどでかいブラックホールのような穴。
すべての感情が飲み込まれていって、虚無状態だった。
すこし意味は違うが、
小太郎:これが、「無」 という、感覚なのだろうか?
すべてが止まっている。何も考えられない!
ただ、小太郎の右手の大きな傷だけは、存在し、
痛みとともに、しっかり意識は、あった。
まわりの騒然とした感じも手伝い、
「こんな事していては、いけない!俺も仕事しなきゃあ!」
という気持ちになるまで、かなり時間がかかったが、
あの金次郎の、ハチャメチャな仕事ぶりの思い出が、
やる気復活の種火となり、再びメラメラと仕事に対する情熱が蘇ってきた!
・俺もやらなければ!
・金次郎さんの為にも!
・おれ自身の為にも!
そして、金次郎さんが、経験していた
■【営業ハイ】や「営業の醍醐味」も、
体験しなければ!
と、再び、営業フィールドを駆け巡り始めた。
つづく