イメージとはほんのちょっとだけ違うゴッホ

記事
学び
ゴッホと聞いてあなたはどんなイメージを抱くでしょうか。何だか近寄りがたい頑固おやじ。絵一筋に生きた芸術家。生前は全く評価されなかった。耳を切り落とす何か怖い人。絵を描く以外は全くダメ。求道者のような生真面目。確かにどれもゴッホのそれに近いのですが、リアルゴッホは従来のイメージとはほんのちょっと違う人のようです。ゴッホは画商からキャリアをスタートしました。そして当時の上司からその実力を評価されているのです。画商と聞くと
弟のテオをイメージしがちです。画家のゴッホと画商のテオのコンビだというのが従来の見方ですが、テオにあてた手紙の中でゴッホは画商としてのアドバイスをしているのです。更にはテオに画家としての才能があるとも書いています。なので必ずしもそのような固定した分業関係ではなかったようです。ゴッホは宣教師を目指したこともよく知られています。挫折したとはいえ、女には全く無関心なゴッホかと思いきや、彼には娼館に通い詰めた時期があったのです。遊び人ではないにせよ、自画像との乖離というか従来の堅物のイメージではありません。ゴーギャンとの共同生活がすぐに破綻したエピソードは有名です。海軍でコックをし、生活能力が高く、株式仲買人として成功し、後にタヒチにわたり南洋芸術を完成させたゴーギャン。この2人がなぜ共同生活を始めるに至ったのかはよくわかりませんが、天才同士の若気の至りなのでしょう。しかしこのゴーギャンをもってしてもゴッホはあまりにも宇宙人でした。生活能力がないので家事は全てゴーギャン任せ。部屋はもちろん汚いし、更にはゴッホは議論を好み、ひとたび議論が始まるや、えんえんと果てしなく続いていく。ゴーギャンはゴッホの絵を描くのですが、俺の耳はこんな耳じゃないと逆に因縁をつける始末。絵を見ると確かに手抜きしたかのように見えるのですが、さすがのゴーギャンも限界だったのでしょう。逃げるように立ち去っていきました。2人の自画像を見比べてみるとゴーギャンもかなり手ごわそうに見えます。それでもこの2人のうちどちらと友達になれるかと考えると私なら迷わずゴーギャンを選ぶでしょう。簡単ではないでしょうが、頑張れば今世でワンチャンありそうな気がします。ゴッホはまずチャンスがなさそうです。来来来世くらいは余裕でかかるでしょう。それでもなお無理な気配が濃厚です。生前は全く評価されなかったというのも実際には印象派の人たちから一定の評価をされているので、死後にゴッホの評価が激変したというわけではありません。イメージとはほんのちょっと違うというのが何とも微妙なところです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す