ガールズバー経営者も知らない!?バー営業における風営法上の意外なリスクと大人目線の注意点を風営専門行政書士が本音で解説

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法律・税務・士業全般

長年、風営法の法務と経営と現場の様々な相談にのってきた者としまして、店舗経営における注意点を、主に風営法等の違反リスクを中心に、現在の情勢でとくに重要と思えるものだけを選んで解説しようと思います。

世間に堂々と見せにくい部分があるので有料設定といたしました。

この記事ではガールズバー営業を前提として解説します。

ガールズバーの法的位置づけを正しく理解しましょう

夜12時を過ぎて営業するガールズバーであれば一般的には、風営法の深夜酒類提供飲食店営業の開業の届け出を警察(公安委員会)に対してすでに行っているでしょう。

警察に届出をしないで営業することは風営法違反として処罰されるリスクがあります。
深夜酒類提供飲食店は風営法を遵守しなければなりませんが、この営業はキャバクラなどの風俗営業に比べて、警察職員の立ち入り頻度が少なく、違反処分に至る確率も比較的に少なめとなります。
(※届出をしてなくても深夜飲食店としての規制を受けますが)

それゆえガールズバーの経営者さんは違反処分リスクを軽視しがちな傾向も否めません。
関係法令の全てを完璧に遵守することは難しいですが、これだけは守らないと危険という部分は何かを考えてみますと、なにより「接待をしないこと」となります。

接待をするには風俗営業1号社交飲食店の許可が必要ですが、許可なく社交飲食店営業を行えば、摘発された場合には逮捕罰金刑となる可能性が高いです。
無免許運転と同じくらいの危険行為だという認識を持ってください。

ガールズバー ≒ 自転車の運転
キャバクラ  ≒ 自動車の運転

これくらいの違いがあります。

だから、風俗営業の許可がないなら接待は絶対にしない

これが重要ですが、実はここに様々な問題があります。

接待の法的な意味を正しく理解するだけは足りない


こういう話をすると、

接待の正しい法的解釈を理解して、接待をしないようにすればいい

と考えてしまうでしょう。

ところが、同業者はどうでしょう。
接待の定義を正しく理解して、まったく接待をしないで営業しているでしょうか?

ほかの店がやっているのに実はダメ?それはおかしい!

と思っているうちは素人さんです。

そもそも、接待かどうかの線引きはあいまいで、一瞬、接待をしていたとしても、摘発される可能性は極めて低いです。

たとえば、自動車を運転していて速度制限違反をしないドライバーがいるでしょうか。
制限速度が時速40キロである道路で、41キロの瞬間があった。

それをとやかく言うのはコドモの発想ですよね。

じゃあどうする?

ここが業界人としては重要なポイントなのです。

納得されることが重要

警察から違反の疑いを受け、なにごとかを指摘されたときに、素人さんは法律知識、または屁理屈で戦おうとします。

しかし、相手はプロなのですから、こういう場面に慣れています。
大事なことは相手の立場であり、心理状況であり、何を求め、何を嫌っているかというメンタル面の問題です。

たいした違反ではないのに、警察と真正面からぶつかって余計なストレスを与え、敵対し、疑いをもたれ、

「コイツあやしいな。叩くとホコリが出るかもな」
とか
「なんかムカつく。こらしめたろう。」

と思われることほど、業界人にとってあほらしいことはありません。

私は20年以上にわたってたくさんの業界人の幸不幸を眺め、トラブル後の相談にのってきた風営法のプロです。

業界人もプロなのですから、法律知識だけでなく、そのもっと先にある深いノウハウを身に着けることを目指して欲しいです。

私は、この記事を書きながらこう思っています。

「文章で説明すると、やたら字数が多くなりそう。」

とりあえず、接待の法律的定義を知っておくのはよいことではありますが、その知識を武器として誰かと戦うのではなく、「うまくやる」ことを考えてほしいです。

接待について、これ以上については最後に少しだけ解説します。

接待以外のいろいろなリスクと注意点

堂々と言えたことではないのですが、深夜酒類提供飲食店営業の場合、風営法の規制を受けてはいるものの、多少の法令違反をしていても、行政指導や摘発にいたらない傾向が強めです。

しかし、お店が警察からマークされると、いろいろな法令違反をつつかれる恐れがあります。
法令は全部守るべきですが、そのなかでも、せめてこのあたりは理解しておきましょうよ、という意味で引き続き取り上げてみます。

18歳未満の雇用が危険な理由

風営法では夜10時以降で、18歳未満の者に接客させることが禁止であり、労働基準法では接客だろうと何だろうと、夜10以降の労働が禁止です。

少年少女が街で職務質問を受け、財布の中から給与明細が出てきて、本人の供述から店の風営法違反が発覚したというケースはよくあります。
その晩のうちに警察が店にやってきて、関係者がいきなり逮捕され、ニュース報道にいたります。

若い人を雇う時には、18歳以上であることを顔写真付きの公的身分証明書で確認してください。
同時に、日本国籍であることも確認し、外国人である場合は入管法違反とならないよう在留資格と在留期限を確認し、慎重に判断してください。

「だまされて雇った」

という言い訳はは通用しないと考えておきましょう。

20歳未満の者に酒を出すのはかなりキケン

20歳未満の者に酒またはタバコを提供することは風営法違反ですが、とくに酒は危険です。刑事罰対象であるうえ、命に関わるからです。

19歳の客がバーで酒を飲んだ後、交通事故や職務質問に遭遇したとして、警察官が、

「あれ?キミ19歳だよね、どこで飲んだの?」

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