【Part.2】絵の上手になりたい子に大人がしてあげられることは何か

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デザイン・イラスト
前回の続きになります。私が考える
「絵の上手になりたい子に大人がしてあげられること」3つのうち、今回は2つめの
「見る・触る・空想する を通して情感豊かな体験をさせてあげる」
について詳しくお話をしていきたいと思います。




「なぜ大人になってもまだずっと絵を描き続けているのか?」

この質問を自分に投げかけてみた時、描き続ける土台となっているのは
子供時代に視覚や感覚が良いもので満たされた体験だったなと思います。
決して、誰かから上手く描く方法を教わったからではありません。


では、視覚や感覚が良いもので満たされる体験とは具体的にどのようなものか?ということですが、まず1番は
絵本のイラストに心を奪われて隅々まで何度も見た体験だったなと思います。


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【30数年前に読んでいた お気に入りの絵本たち】


上段の2冊はチャイルド本社から発行されていた絵本で、幼稚園を通して購入することができた様です。お値段は驚きの500円!!
挿絵一つ一つが、絵画として立派に成立するような美しさです。令和の今でもこんなに良い絵本を、このような価格で手にすることはできるのでしょうか…



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【上から順に】
 オズのまほうつかい:松浦英亜樹 絵
 ヘンゼルとグレーテル:福原ゆきお 絵
 おやゆびひめ:岩本康之亮 絵
 おでかけのまえに:林明子 絵
 おかあさんがちいさかったとき:ひぐちみちこ 絵・文


そして次に大切だったと思うのは、
自然や生き物など様々な物に触れてたくさん遊んできた体験です。


写実絵画の先生に絵を教わっていた時、
「どのようなことを考えながら描いているのか?」と尋ねてみたことがありました。息をのむほどのリアルで繊細な描写をされる先生なので、よほど根を詰めて絵に向き合っているのかと思いきやその返答は意外なもので、


「集中ばかりしていたら気力が持たない。絵を描くとき僕は頭の中で想像して遊んでいる。例えば川の流れを描く時には、
"ここを滑り台にして滑ったら、ツルンと滑ってこっち側へ落ちるだろうな。それではちょっとおもしろくないからこの岩を削って、もうすこし勾配をつけようか。"等ということを考えている。水を描くときには水の気持ちになることが大切。」ということでした。


また私自身も子供時代には空き箱に草花や生き物を集めるような遊びをよくしたので、"この花びらは厚みがあって破れにくい""この虫の背中はつるつるしている"などの感覚が数多くインプットされていて、今でも絵を描くときに役立っています。


別の先生から絵の指導を受けた際にも、
「赤ちゃんのまつ毛についたごみを鉛筆の先で取るような力加減で、線を塗り重ねるように」などと、感覚を表す比喩がよく登場しました。


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このように子供の感覚のストックが少ない状態なのに、そこに目を向けてあげずに描く技術だけを教えようと頑張っても、
岩の上を水が流れる様子、特定の花を特徴づける花びらの厚み、
赤ちゃんのまつ毛の柔らかさ…などを絵で再現することは難しいのです。


また、そのようにしてストックされた感覚から空想が広がってお話になったり、「もっと上手に描くにはどうしたらいいのかな」と子供自身が思考するところに繋がってゆくのではないのかなと思いました。




以上、「見る・触る・空想する を通して情感豊かな体験をさせてあげる」ことの大切さについて、自分の体験から振り返ってみました。
私は教育の専門家ではないですが、子供の絵の才能を伸ばしたいと思っていらっしゃる誰かの参考になってくれれば嬉しいです。


次回は「絵の上手になりたい子に大人がしてあげられること」3つのうち、最後の「作品を多くの人に見てもらえる機会をつくる」
ことの大切さについて書いていきたいと思います。





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