食中毒の記事を見て感じたこと

記事
コラム
デザインフェスタの食品ブースの出展で食中毒問題が起きたという記事を見て私自身が感じた事を書いていきます。
今回のブログでは厳しい発言もしてしまいますが、同じ食に関わる仕事を経験したからこそ伝えたいものがあり今回ブログを書かせていただきました。
決して誹謗中傷を目的とするのではなく、食品を扱う者としてなにが原因でこうなってしまったのか、どこで食い止めることが出来たのかというのを皆さんにも伝えていきたいのです。
私は調理師免許を取得しているので食の勉強をみっちりやってきた事と卒業後は数年間飲食の仕事に関わってきたのでこのニュースは他人事では無いと思いました。
有資格・実務経験があってもやはりお店を開くというのはとても責任が伴う怖いことだというのが率直な感想です。
もちろん食を愛する人にとって自分の作った料理を提供し皆さんに食べてもらう喜びは誰でも持っていますが、いくら料理が得意でも簡単に店を出さないのはその中にある責任がとても重いものだと重々承知しているからです。
食に対する意識について私が感じた事を今回の件を元にお伝えして行きます。

【食を学んだ人達の現実】

私の学校は全員調理師免許を取得しその後9割の人達が食に関わる仕事へ就職を果たしました。
しかし、卒業から時を経て飲食店を自ら開業した人は一人もいません。
もちろんその中には調理の道を辞めた人達もいますし、私自身も途中からOLへ転向しているので、卒業から10年以上過ぎた現時点で食の道で働き続けている人は半数以下だと思われます。
それぞれ知識や技術があっても自分の店を持たない要因の中にはやはり「大きな責任を伴う」ということへのプレッシャーが大きいと感じました。
有資格者であっても本気で食を愛し責任を持つ覚悟のある人がかなり少ないというのが現状です。
それくらい飲食に携わるということは責任と覚悟が必要なことなのです。
特に学校で学んで資格を取った人は食品衛生についてはかなり勉強させられたと思います。
調理の学校を出た有資格者と実務経験を経て取得した有資格者でも、通ってきた道の違いから知識の差も少なからず生まれます。
作って食べてもらうという単純なものだけではなく、その裏にある安全を保障するということがとても難しいと私自身も飲食業をしていて感じていました。
今回の出展者の経営が飲食経験者から見ても自己満足のおままごとに感じてしまうくらい様々な面に関して認識の甘さを感じています。

【Honey Honey xoxoの褒めるべき点と悪い点】

私は批判記事を書きたいのではなくなぜこのような大事になってしまったのかを経験者なりに皆さんにお伝えしたいので、ネットの情報を見て悪い点だけを上げていくのではなく良い点も上げて見たいと思います。

<良い点>
・お店を開くという決断力と行動力がある
・資格を取る前向きさがある
・発想力や行動力がある
・一人ひとりへこまめな対応

良い点で言えば行動力があるという点が大きいと思います。
やはりお店を開いたり業務用のものを揃えるというのは容易ではないため、それを自ら行動して実現する実行力は凄いと思います。
デザフェスなどの出展も積極的に行っていることから行動力の高さが見受けられました。
また、大人になってから資格を取るというのは大変なことなのでそれを前向きに取得しに行くというのはとても素晴らしいと思います。
提供しているお菓子の種類の多さからも発想力が豊かな人なのだと感じました。
手描きのポップなどもそういった発想力が活かされていると思います。
大人になるにつれて知識もついていき大きな行動を起こすということには誰しも抵抗が生まれてしまいますが、この出展者の方は行動力の高さで自らお店を持つという大きな事をやり遂げ続けている点は凄いと感じました。
また、口コミやネットでのお客様の意見に対して一つ一つ返信していることは凄いと思いました。
今回のように大多数の人に色々な事を言われる環境下でも電話対応をなさっていたのは感心するべき点だと思います。

<悪い点>
・不衛生
・知識や勉強の不足
・人為的改ざんの疑い
・対応に関する初動の遅れ
・全ての面に関して甘く見てしまっている

<衛生面の懸念>

まず第一に食品を扱う従事者としての不衛生さが一番最初に目に付きました。
投稿内容からネイルをした手で調理をしていることが見受けられるため、初歩的な衛生管理すらできていないと感じざるを得ません。
食品を扱う人達はまず第一に清潔感が重要です。
見た目が不衛生な人に「衛生面に配慮しています」と言われても説得力がありませんよね。
私の周りで飲食に携わる仕事をしていてネイルをしている人は一人もいませんでした。
休日にネイルをする事はあっても仕事になると皆ネイルオフして仕事中は常に清潔な状態を保っています。
ちゃんとしたお店の場合厨房に入る前は身だしなみのチェック項目がありそこに引っかかると厨房には入れないため不衛生な状態で厨房に入ること自体ありません。
インスタグラムの写真を見る限り伸びきった半端なネイルが見えたことから、しばらく付けっぱなし、爪を切っていないことが容易に見受けられます。
手は一番食品に触れる箇所なので調理器具以上に清潔にするべきです。
また、ディスプレイや出展中のお写真を見る限り食品を置いている場所のアルコール消毒等の配慮をしているのか不明な点がありました。
しかし実際に私自身が直接見たわけでは無いのでそこについての言及は控えさせていただきます。
食品に携わる以上は最低限の衛生管理があるべきだったと私は思いますし、今後もし飲食に関わる方々には衛生面はとにかく気をつけていただきたい点です。

<知識の無さの問題>

実際に作っているお菓子の製造工程にも怪しさを感じてしまいました。
特にフルーツケーキのブランデー漬けは衝撃を受けました。
私の知っているブランデーを使用する焼き菓子は生地を作る段階でブランデーを混ぜるか、焼き上がったものにハケで塗って染み込ませていくのが普通です。
しかしこの方が行っていたのがブランデーではなくウィスキーに直接焼き菓子を漬け込むというとても怖い製造方法でした。
アルコールを飛ばしていないウィスキーに漬け込んでいたとするとかなりのアルコール度数だと思いますし、ケーキがよっぽど硬いものでなければ形が崩れてしまいます。
恐らく事前に勉強や調べる事をせず「こうやって作るんだろう」という発想で作っている典型的なパターンだと思います。
これが個人で食べるものならどんな作り方をしようと構いませんが、売り物であったということが衝撃的でした。
そもそもウィスキーとブランデーは原材料が違います。
ウィスキーはトウモロコシや麦の穀物系のものが原材料になっていてブランデーは葡萄などの果実系が原材料のため、この二つを間違えている時点で食品表示が大きく変わってしまいます。
なので偽装するつもりはなくても表示される原材料と実際に使用されている原材料の違いから、無知で食品表示の偽造をしてしまっている可能性が高いです。
無添加を謳い販売しながらも実際はベーキングパウダーを使用していたりと様々な面で矛盾を指摘されていましたので、食品表示の面ではブランデーとウィスキーを間違えている点でも悪意ではなく無知であることが見受けられました。
もう少し扱う物についての勉強をし知識を身につける等しっかりしていれば今回全く関係の無い商品へ疑いの目を向けることはなかったでしょう。

<悪意を感じる部分>

食を扱う人間が一番やってはいけないのが製造日や賞味期限の改ざんです。
食品表示に関しては扱う物の種類の多さや知識の無さで間違えて表示してしまっている人が多少なりとも個人経営のお店の場合あります。
しかし製造日は作っている本人が一番よくわかっていて食の知識を持っている人なら安全に食べられる期限も把握していなければなりません。
むしろ作った本人にしかわからない製造日や賞味期限を改ざんするということはかなり悪意のある行為だと私は感じています。
印刷ミスで書き換えているとおっしゃっていましたが、ネットに出回っている画像に毎回書き直しが見られるので毎回印刷ミスをしているのも不審に思います
また、数日前に作り置きしながら焼きたてと掲載していたことにも悪意を感じました。
自分一人でやっているのなら尚更焼きたてじゃないかどうかは事前にわかっていることなので故意としか言いようがありません。
少なからず出展等の出張販売の際は焼きたてという看板を下げるべきだったと思います。
本当に普段は焼きたての提供をしているのであれば「お店では焼きたてを提供しております」等の別の宣伝方法があったはずです。
無知だけならば今後勉強し直して改善していく余地がありますが、少なからず人為的な改ざんが懸念される時点で世間の目がより厳しくなったと思います。

<対応の問題>

対応への疑問に思った点ですが、大事だと気づくまでに時間がかかったように感じました。
一人ひとりへ対応している姿勢はとても素晴らしいと思います。
自分一人でやっている中で今回のように多くのお客様からのクレームに一件ずつ対応していることは素直に凄いと感じました。
しかし、Googleの口コミで既に数ヶ月前から味に対する指摘が数件あったことに対し召し上がり方の指摘をするのみで改善が見られなかったことで既にこの事態を引き起こす要因があったと感じています。
不味いという正直な意見は本人にとってショックが大きかったと思いますが、それを真摯に受け止めて指摘のあった商品を改良する努力をせず自分の意志を曲げずに突き進んでしまったことが今回更に大事にも発展していると感じました。
今回もSNSの告発に対して最初は強気で自分の製造方法への反省は無くお客様の保存環境や食べ方への指摘をなさっていましたが、そもそも焼き菓子は常温で温めないで美味しく食べれるのが一般的であり温めなければ美味しくない焼き菓子という時点で破綻していることに気づいていない点が残念だと思いました。
温めなくても美味しいけれど温めたらもっと美味しいというのが一般的なラインです。
温めても美味しくなかったと言われている時点で真摯に受け止めて改良しなければいけなかったと思います。
それを改善せずにお客様へ食べ方や保存方法の指導をしたことで印象が悪くなる方へ転んでしまったように感じました。
数ヶ月前から余波があったにも関わらずそれに気づけなかったことは本当に大きな痛手だったと思います。
売れた数より口コミの数が少ないことで本人は味のわからない人やアンチが書き込んだと思ったかもしれません。
しかし、本当に美味しければ美味しいという意見が大多数あってもいいはずです。
ネットは顔が見えないためどんな人でも様々な感想を書き込みできますが、反対に対面で話している人は気を遣って「美味しい」という感想しか言えないのです。
恐らくこの方は対面で美味しいと言ってくれる人の意見しか聞き入れないのでしょう。
いくら美味しくなくても作った本人を目の前にしたらお世辞でも「美味しい」としか言えないのが一般的な大人の対応です。
今の世の中アンチと善意の意見の見分けが難しくなっていますが、少なくとも同じ指摘が他者から繰り返されていることでそれが欠点だと気づけたはずです。

<責任者としての行動>

今回の件