居心地のいい「いつものメンバー」の落とし穴
「やっぱり、気心の知れたメンバーといるのが一番落ち着くなぁ」
仕事の休憩中やプロジェクトの打ち合わせで、そんなふうに感じたことはありませんか?ストレングス・ファインダーで「親密性(Relatability)」という資質を上位に持っている方にとって、深く信頼し合える仲間と過ごす時間は、何よりのエネルギー源です。
しかし、その「深い絆」が、ときとして周囲からは「近寄りがたい壁」や「派閥」のように見えてしまうことがあるとしたら……。
せっかくの強みが、知らないうちにチームの調和を乱す原因になってしまうのは、とてももったいないことですよね。今日は、親密性を持つ人が陥りやすい「派閥化」という罠と、それを防いで強みを120%活かすためのヒントを一緒に考えていきましょう。
「親密性」ってどんな資質?
まずは言葉の整理から。ストレングス・ファインダーにおける「親密性」は、人間関係構築力のグループに属する資質です。
よく「社交性」と混同されますが、実は正反対に近い性質を持っています。社交性が「広く浅く、新しい出会い」を好むのに対し、親密性は「狭く深く、すでに知っている人との関係を深める」ことを大切にします。
嘘のない、本音の付き合いをしたい
大人数のパーティーより、少人数の飲み会が好き
時間をかけて信頼を積み上げるプロセスが楽しい
これが親密性を持つ人の素敵な特徴です。この資質があるからこそ、チームの中に「絶対に揺るがない信頼の土台」を作ることができるんです。
なぜ「派閥」が生まれてしまうのか?
では、なぜこの素敵な資質が「派閥化」という問題を引き起こしてしまうのでしょうか。
結論から言うと、親密性の人が持つ「信頼を確認するまでのプロセス」が、周囲には少しだけ排他的に見えてしまうからです。
親密性が高い人は、相手が信頼できる人物かどうかをじっくり見極めます。そのため、新しいメンバーが輪に入ろうとしたとき、無意識に「まだこの人は内側の人じゃないな」という心のバリアを張ってしまうことがあるんです。
これが外側の人から見ると、 「あのグループはいつも固まっていて、新参者が入りにくい雰囲気だ」 「あそこのメンバーだけで重要な話が決まっている気がする」 といった、「派閥(クローズドな集団)」という印象に繋がってしまいます。
本人たちに悪気は全くありません。ただ「いつもの信頼できる仲間と、効率よく深く話したい」と思っているだけ。でも、その「居心地の良さ」が、外にいる人にとっては「冷たさ」として伝わってしまう。これが、親密性の注意すべきポイントです。
「派閥」を「チームの核」に変えるための3つの意識
親密性の良さを消す必要はありません。大切なのは、「心の扉に鍵をかけない」ことです。身内愛を「チーム全体の力」に変えるための、具体的なアクションを3つご紹介します。
1. 「透明性」を意識して、情報をオープンにする
親密性の高いメンバー同士で話すと、阿吽の呼吸で話が進みます。でも、その結論だけをチーム全体に伝えると、「自分たちは蚊帳の外だ」と感じる人が出てきます。 「〇〇さんと相談して、こういう理由でこう決めたよ」と、プロセスの半分をオープンにするだけで、周囲の疎外感は劇的に減ります。
2. 「プラス1」の精神で、少しだけ輪を広げる
いつものランチメンバー、いつもの会議。そこに、あえて「まだあまり話したことがない人」を一人だけ誘ってみるのはいかがでしょうか。 親密性の人は、一対一なら誰とでも深く話せる才能を持っています。一度サシで話して「この人も信頼できる!」と分かれば、その人はあなたの「内側の輪」に入り、派閥の壁は自然と溶けていくはずです。
3. 自分の「心のバリア」を自覚する
「自分は仲良くなるまでに時間がかかるタイプなんだ」と自覚しておくだけでも違います。新しい人が来たときに、「あ、いま自分、無意識に警戒してるかも?」と気づけたら、それだけで少しだけ表情を柔らかくできるはず。あなたのその少しの歩み寄りが、チーム全体に安心感を与えます。
まとめ:あなたの「深い愛」は、チームを救う
「親密性」は、バラバラになりがちな個々人を、強い絆で結びつける最高の接着剤です。 確かに、一歩間違えれば「派閥」に見えてしまうリスクはあります。でも、その深い信頼関係を築く力を、ほんの少しだけ外側に向けたり、透明性を高めたりするだけで、あなたの周りには「派閥」ではなく「最高の結束力を持ったチーム」が出来上がるはずです。
「狭く深い関係」を大切にする自分を誇りに思いつつ、時々は扉を少しだけ開けて、新しい風を入れてみませんか?
その先には、今よりもっと豊かで、信頼に満ちた世界が待っているはずです。
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