特許を取得することのメリット

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法律・税務・士業全般
仮に自分の発明が、ある製品(異なる分野の製品、異なる機能の部材)に似た構造を有していたとしても、十分に特許となりえます。

大事なのは、発明とその製品との違いを説明できること、その違いにどういう意味があるのか把握できることです。発明を出願するに当たっては、私はその点についてインタビューして明細書の作成を進めます。

特許の審査においてどのような文献が引用されるかは、よほど調査しない限り正確にはわかりません。
しかし、引用例として挙げられた同じ分野の同じ機能の製品に対し、出願した発明が意味のある相違点(何かしら課題を解決している相違点)を有しているのであれば、反論(進歩性があると主張する)の余地はあります。

上記のような発明の例を見ると、とりあえずシンプルな内容の発明であっても、出願を検討する価値は十分にあると思います。
まず、把握すべきは、
 ・従来技術との「相違点」
そして、
 ・その「相違点」がいかなる課題を解決してるか
を考えてみてください。
うまく表現できれば、特許をとれる可能性は高くなります。


で、その特許を取るメリットって何なんでしょう?

私は、技術を安全に取引できる形態にすること、だと思ってます。

私は昔、機械設計をやってましたが、
自分の設計した内容(技術)は、製品に反映されます。

それって、技術が安全に取引できる形態になってるのでは?

製品を売買したときに、取引されているのは製品です。
正確には、設計した内容(技術)に値段がついて取引されているわけではありません。
(設計した機能に価値があって、その機能目当てに製品を買う、ってことはあると思いますが)

ですので、下記のようなケースが考えられます。

アイディアメモ-40.jpg

しょうもない落書きですみませんが、ご勘弁ください。

上図では技術情報Aは、製品1に反映されています。
上記の甲さんは、乙さんに製品1を売りましたが、その後丙さんに転売しております。
乙さんは、例えば小売業をしている人です。
が、乙さんは、製品1に含まれた技術情報Aに気づいて、
技術情報Aを抽出しました。
技術情報Aは実体がないので、
抽出すれば、製品1とは関係なく独り歩きできます。
したがって、一番下の図に示すように、乙さんは技術情報Aを使って、
新たな製品2を作り出すことが可能になりました。

最初に製品1を作った甲さんは、残念なことに、
乙さんに売ったばかりに、技術情報Aを真似されてしまいました。

一方、乙さんは、技術情報Aを無料で取得し、
技術情報Aを生み出す努力なしに、製品2を完成させ、
さらに販売して利益を得てます。
きっと、甲さんから買ってたときより利益率も高いでしょう。

乙さんが製品2を安く売れば、甲さんの製品1は売れなくなり、
製品1は在庫の山となってます。(ちょっと誇張してます(汗))

いかがでしょうか、
特許権を取るというのは、いわば上記の技術情報Aが利用されないように、
守ることに該当します。
技術情報Aを守れば、製品1のシェアも守れるでしょう。

なお、上記においては、技術情報Aとしましたが、
製品1に必須な構造、製法、デザイン、など、
それらの何れかについて権利を取れば、
製品1のシェアは守りやすくなるはずです。

構造、製法であれば、特許権、実用新案権で、
デザインならば意匠権で、それぞれ守ることができます。

権利が設定されていれば、製品1を譲渡しても、真似される心配はありません。
また、技術情報A自体を直接他人に教えたりしても大丈夫です。
これが、特許権を取得することは、
技術情報を安全に取引できる形態にすることである、
という所以です。

いろいろな考え方があると思いますが、ご参考まで。






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