こんにちは、看護師の皆さん
今日は臨床現場で活躍されている看護師の方々が「大学院に進学したい」と考えた時に、どのように大学院を選び、受験準備をすればよいのかについてお話ししたいと思います。
臨床経験を活かした大学院進学
現在、日本には数多くの看護系大学院があり、選択肢が多すぎて迷われる方も多いでしょう。
臨床での経験を積んでから大学院に進学することは非常に理想的です。臨床での経験があれば、研究テーマも明確になり、課題意識も高まっているはずです。
学部から直接大学院に進むよりも、臨床経験を積んでから大学院に進む方が、はるかに効果的です。
大学院選びの重要ポイント
1. 通学の現実的条件を考慮する
臨床看護師として働きながら大学院に通う場合、家庭の事情や勤務条件などもあり、全国どこでも行けるわけではありません。
多くの方は自宅や職場から通える範囲で選ぶことになるでしょう。
社会人が入学しやすいように、土日開講や夜間開講のプログラムを提供している大学院も増えています。
シフト勤務の調整ができれば、少し遠い場所の大学院でも通学できる可能性があります。
2. 適切な指導教員を見つけることが最重要
大学院選びで最も大切なのは、自分の研究をサポートしてくれる適切な指導教員を見つけることです。
これは非常に重要なポイントです。
自分の専門領域(例えば急性期看護、慢性期看護、小児看護、精神看護など)の教授に指導してもらうことは必要条件ですが、それ以上に大切なのは、その先生と良好な指導関係を築けるかどうかという点です。
臨床看護の世界でも、プリセプターとの関係性が新人時代の成長に大きく影響するように、大学院でも指導教員との関係性が研究の成否を左右します。
<事前準備と教授の研究内容確認>
大学院を選ぶ前の重要なステップとして、候補となる教授の研究内容をよく確認しましょう。具体的には:
- 教授の最近の論文や著書に目を通す
- 教授の過去の指導学生の研究テーマや方法論を調べる
- 教授が得意とする研究手法(量的研究、質的研究、混合研究法など)を把握する
- 教授の研究プロジェクトや研究室の活動内容を確認する
これらの情報は、大学のウェブサイトや研究者データベース、学術論文検索サイトなどで調べることができます。
3. 必ず事前にコンタクトを取る
大学院を選ぶ際は、ホームページだけで決めるのではなく、必ず志望する教授にメールで連絡を取ってください。
例えば、以下のようなメールを送り、アポイントメントを取りましょう:
〇〇先生
私は現在、△△病院の救急外来で臨床看護師として勤務している□□と申します。
先生の研究領域である「××」について深く学びたく、貴大学院への進学を検討しております。
可能であれば、一度お話を伺わせていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
そして、必ずその先生と面談をしてください。
実際のところ、面談なしで大学院を受験する人はほとんどいません。
大学院入試は学部入試とは大きく異なり、ウェブサイトだけを見て応募しても、教授の期待する院生像に合わないと合格する可能性は低いのです。
4. 入試対策も計画的に
面談が終わり、受験する大学院が決まったら、次は入試対策です。
入試要項だけでなく、過去問を閲覧させてもらえる大学が多いので、必ず確認に行き、対策をしましょう。
特に専門科目は出題傾向が大学によって大きく異なりますので、早めに情報収集することが重要です。
英語試験については、大学院によって対応が様々です。
また、研究計画書の提出を求める大学院も多いです。これは単なる入試書類ではなく、あなたの研究に対する姿勢や思考力を評価する重要な資料となります。
面談で教授と相談しながら練り上げていくことが理想的です。
臨床看護師ならではの強み
看護師として臨床経験を積んでいる皆さんは、大学院での研究において大きな強みを持っています:
- 実際の医療現場での課題を肌で感じており、研究テーマが明確である
- 患者さんとの関わりから生まれる研究視点がある
- チーム医療の経験から、多職種連携研究の視点を持っている
- データ収集のための人脈やフィールドがある
これらの強みを面談時にアピールし、研究計画に反映させることで、教授の関心を引きやすくなります。
皆さんが自分に合った大学院と指導教授を見つけられることを願っています。
臨床の現場で感じた疑問や課題を研究として深め、看護の発展に貢献できる日が来ることを楽しみにしています。
頑張ってくだい!