ライトノベル新人賞でデビューするコツ

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朝凪シューヤ
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好きな物語を書きたい!
理想のストーリーを創り上げたい!

ライトノベル作家を志す理由は様々だと思います。何か大好きな作品があって、それで自分も憧れて自然と作家を目指すようになる。夢があり、とても素晴らしいことだと思います。

けれど現実にはライトノベル作家になるのは一苦労では済みません。
文章力、キャラ作成、ストーリー構築、様々な要素を高いレベルで実現して、ようやくなることが出来ます。

現在、ライトノベル作家としてデビューする方法は主に2つ。
・電撃文庫大賞、ファンタジア文庫大賞など、公募の新人賞へ応募
・小説家になろうなどネットで声をかけられて書籍化

そのうち、本記事は『ライトノベル新人賞』に応募してデビューを目指す方々への内容となっています。

ネットでのデビューとは異なる要素が必要ですので、その点はご注意を。


○ライトノベル新人賞とは?


そもそもの話、ライトノベル新人賞とは『新しい才能』や『斬新な物語』を発掘する場です。
流行に沿った内容が書きたい、あるいは好きという方は、『小説家になろう』(以下、なろう)や『カクヨム』などでのデビューをお勧めします。
求める内容が違うので、ここを間違えてしまうといくら応募してもあまり意味はありません。

さてライトノベル新人賞を応募してみて、一次選考を突破出来ない! あるいは二次選考くらいまでは通るけれど、その次までたどり着けない! そういった悔しい思いをした方は多いと思います。

私も以前は、そうでした。何度も何度も書いて送っても、結果は一次選考落選。
あるいは二次落選。
最高でも二次選考突破まではいきましたがその後はしばらく停滞して、一次選考すら通らない時期が続きました。

「自分には才能がないのでは?」「審査する側にセンスがないんだ」と自棄になったり傲慢なことを思ったこともあります。

その後、有り難いことに私はファミ通文庫の賞、第15回えんため大賞にてデビューし、晴れてライトノベル作家となりましたが、新人賞で受かる苦労も苦悩も知っています。

そのノウハウを活かし、またその後8年以上にわたってライトノベル業界に携わってきた中で、『ライトノベル新人賞』において必要なモノは何か? といったことを誰かの約に立てれば、と思い、書き記していきたいと思います。
事項より本筋に入っていきます。


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◆一次選考とは?


そもそもの話をします。
まず一次選考というのは、『足切り』の場です。要は『作品としてつまらないものを取り除く』、『物語として最低限の形を整えていないものを弾く』ために存在します。

数百から数千、あるいはそれ以上送られてくる作品を、とてもではないが編集部だけでは読みきれないため、関係者によって予め数を絞る制度ですね。

出版社によって選考の基準は異なります。
まず一番弾かれる要因としては、『自己陶酔なだけの作品』、つまり作者しか面白く感じられない作品です。

作者の書きたいこと、好きなことだけを詰めた作品。
読んでいる人がまったく面白く感じられない。これはもちろん弾かれます。

私の場合も、まずこの段階、一次選考で弾かれた経験があります。
当時、まだアマチュアだった私は、自分の書いた作品がつまらないとは微塵も思っておらず、当時のヒット作に匹敵する作品だと自負していました。

なので、「これ、受かるかな?」と思いつつも「受かってデビューして大ヒット作家になってやる!」、と意気込んで応募しました。

結果、見事に一次選考で落ちました。
「あれ? 俺の作品が乗ってない? なんで……?」と思ったものです。

その時は理由が判らなかったのですが、要は、作品として最低限のものを満たしていなかったのですね。

今思い返すと、めちゃめちゃ顔が赤くなるほど未熟な作品なのですが、落ちた理由をまとめると、
『地の文章力が低い』
『会話の間がぎこちない』
『そもそもライトノベルではない』
といった点が挙げられます。

自分の好きなシーンや書きたいシーンばかり書いていて、整合性や臨場感に欠け、読んでいてつまらなさやぎこちなさが目立つわけですね。

心理描写や風景描写も足りていませんでした。
そのシーンで人物がどういう気持ちで、どういった外見なのか、ろくな描写もなく、ただただ好きなシーンの繋ぎ合わせただけで、今読むと「こりゃ受からないな」と強く思います。

ただ、この経験は、大半の新人賞希望者にありがちな傾向だとは思います。
自分の書きたいものや好きなシーンに重点を起きすぎて、作品の短所や欠点が視えていない。
陶酔感に浸っている。客観的に優れているかどうか視えていない、小説を書き初めて間もない。そういった人たちの特徴だと思います。
なので、一次選考を突破するにはどうするべきか。

大きなものとしては、物語の基本をしっかりと学ぶ。
起承転結、作品の設定に矛盾はないか、説明に不足はないか、会話にぎこちなさはないか、ライトノベルらしい要素(美少女、冒険、バトル、恋愛描写など)を入れているかどうか。

文章力も大事です。初心者だと「だ」「た」で終わる文章になりがちと思います。

例としては、
『○○はそこに座った。隣には老人がいた。彼は杖を持っていた。窓には鳥が何匹も飛んでいた。電車はすぐに発車した。○○は欠伸をした退屈だったのだ』

など、「た」や「だ」が連続で続く文章。これだとメリハリもないので読んでいて退屈です。
ワンシーンだけならともかく、これが十万文字分も続くと読む側は苦行になると思います。

それと、新人賞の『規定に違反』している作品も当然弾かれます。
具体例と挙げると『ページ数がオーバーしている』、『あらすじの文字数が欠如、またはオーバーしている』、『物語が半端な形で終わってしまっている』などですね。

ページ数は割とありがちかと思います。
締め切り間際になって作品の推敲などを行っているうち、ページ数を失念して2、3ページオーバーしたまま応募してしまった。
もしくは、『複数の新人賞に応募しているので、別の所とページ数を間違えた』、などです。

電撃文庫は42×34の130ページ以下、
ファンタジア文庫は40×16の270ページ以下、
ファミ通文庫はカクヨム掲載で8万文字以上など、
各所で条件が違うので時間がない場合、焦って間違える方もいるかと思います。

多少のミスは、出版社によっては『内容が良ければ』スルーされる場合もありますが、基本的にルールを守ってない作品は弾かれます。

対策としては、紙やスマホなどにメモをしておく、目立つところに『今はどこの新人賞向け!』と、自分に分かりやすい形で表示させておくことでしょうか。
アナログでもデジタルでも良いので、『どこ向けに書いている』『ページ数・締め切りは何か』をしっかり表示させる事が重要だと思います。
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