世界一わかりやすい「自己肯定感」

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昔、パニック障害とうつ状態でどうしようもなかった時。
「自分には自己肯定感が足りないから、今こうなっているんだ」と、自分なりに推測をしていました。こんなに生き辛いのは自己肯定感が低いからだと思っていたわけです。

そして、何とかしてその自己肯定感とやらを高めたいと思い、ネットや本などで自己肯定感について調べてみたのですが「何かいまいちピンと来ないかも…」というのが正直な感想でした。
“ありのままの自分を愛す” とか “自分の存在価値を認める” と言われても、当時の病み病みの自分には何だか良く分からなかったのです。



・・・そんな経験から、今の自分にできること。
「自己肯定感とは何か?」「自己肯定感を高めるためにはどうすれば良いのか?」ということを、なるべくシンプルに分かりやすく伝えることができるのではないか?と思いました。

「情報が多すぎて、実は自己肯定感のことよく分かっていないかも…」という方や、自己肯定感についてもう少し理解を深めたい方、自己肯定感を高めたいと思っている方にぜひ読んでいただければと思います。



◆自己肯定感の低さの原因

道を歩く小学生.jpg

以前の記事「承認欲求について知っておくべきこと」に、こんなことを書きました。
成長と共に、アイデンティティへの承認欲求に変化していく子ども。
自分は自分のままで良いんだ、自分は他者や社会から認められているんだという感覚です。

幼少期に親から自分の好きなこと、好きなものを「すごいね!」「それ良いね~!」と褒めてもらえたり、自分がやってみたいことを「良いね、やってごらん!」「きっとできるよ!」と認めてもらえた経験。

このようなコミュニケーションから、子どもは自分が受け入れてもらえている感覚を学び、無意識に「ここに居ても良いんだ」「生きていても良いんだ」という安心感や自信を形成します。
親からもらった燃料タンクです。

一方、幼少期に認めてもらう・褒めてもらうという経験が少ないと、自分自身に対する安心感や自信が不足している状態に陥りやすいのです。
そしてそのまま大人になった場合、自分はこれで良いんだ、生きていても良いんだという安心感を他者に求めるようになります。

本来親に満たしてもらうはずだった燃料タンクを他者に満たしてもらうことで、安心感や自信を得ようとするのです。本当は親に満たしてもらいたかった。でも今から親に褒めてもらったり、認めてもらったりすることは難しい。
誰かに認めてもらいたいということは “お父さんお母さんの続き” を、その相手に求めているということなのです。


つまり、成長期において認めてもらう・褒めてもらう経験が不足していると、自分の中の必要な安心感や自信が形成されにくく、自己肯定感を持ちづらくなってしまうのです。

また、自己肯定感が低い状態で他者に認めてもらったり褒めてもらったりしても、その他者が別の方向を向いてしまった途端にその自信は崩れ去ってしまいます。
他者によって自分の価値を決定付けることが当たり前になってしまうと、いつも心がグラグラと不安定な状態になってしまうのです。

そう考えると、本質的な自己肯定感を得るためには「自分自身で自己肯定感を高める」ことが重要になってくるのです。



◆自分を育てるということ

土の中に生えている芽.jpg

●許す
●認める
●褒める

詳しい方法は後述しますが、自己肯定感を高めるためにはちょっとしたコツを使いながら、この3つの作業を自分にしてあげることが必要です。

・・・この3つをひっくり返してみます。
●許してもらえない
●認めてもらえない
●褒めてもらえない

自己肯定感が低い人は、もしかしたら幼少期に周りからこのような関わり方をされてきたのかもしれません。


まず基本的な考え方として、幼少期に認めてもらう・褒めてもらう経験の少ないまま大人になってしまったということは、自分の中に成長途中の“芽” があるということです。この一番育ててもらいたかった芽を、親や周りの人にうまく育ててもらえなかったのです。
それならば、その芽を今の自分が大切に育ててあげませんか?

自己肯定感を高めることは、“自分育て” です。
あなたが「今の自分」に対して、“許す・認める・褒める” を通して肯定的な関わり合い方をしてあげる。
自分の中の成熟していなかった一部分を、今の自分が優しく育て直してあげればいいのです。



◆自己肯定感を高める具体的な方法

子どもの手とハート.jpg


自己肯定感を高めるために必要な3つのもの。
①許す
②認める
③褒める

自己肯定感を高めるためには、まず「①許す」という作業から始めていきます。

前回の記事「苦手なこと、克服しますか?」でも詳しく書きましたが、日本の学校制度では幼いころから罪悪感を感じやすいような教育をされてきてしまっているため、「周りと同じように出来ない自分はいけないんだ」「できない自分はダメだ」「人に悪いことをしてしまった」「こうなったのは自分のせいである」と、自分を責めやすい思考の傾向があります。

また、「こうしなければいけない」「こうしたらダメ」と無意識に自分自身を罰していることも多く、これがまた自分の気付いていないところで多くの心理的困難をもたらしているのです。


【許す】
●もし今日やろうと思っていたことが出来なかったら。
「今日はあれが出来なかった…もっとこうすれば良かった」と後悔して自分を責めるのではなく、「できない日があったっていい。そういう日があるのは悪いことではない」と自分自身に伝える。

●人に言いたいことを上手く伝えられなかったら。
「ダメだ、また言えなかった…」と自分にダメ出しをするのではなく、「苦手なことなんだから、上手く伝えられないことがあったっていい」と自分自身に伝える。

「許す」というのは、「そんなに悪いことではない」「それでもいい」「そういう事があってもいい」と、自分のできる範囲で自分に“OK”を出してあげること。まずはこれをしばらく続けていって下さい。


しばらく続けたら、次に自分を ②認める ③褒める 言葉もかけていきます。
【認める・褒める】
●自分はここまでよく頑張ってきた
●今日も一日よく頑張った
●外に出掛けることが出来た!
●ご飯をおいしく食べることができた!
●今日は自分を褒めることができた!

このように、許す→ 認める・褒めるの順番でやってみて下さい。


なぜこの順番なのか。
自己肯定感の低い人は褒められることにあまり慣れていないため、「~さんすごいね!」「~が上手ですね!」などと人から褒められても、「いやいやそんなことない…」とスッと受け入れることが少し苦手だったり、自分が自信のない分野で褒められたりすると「馬鹿にされているのかな」と思ってしまうことがあります。

人から褒められることに慣れていない状態で “自分を褒める” というのは、心理的に大きな違和感を感じやすいのです。
なので、まずは「許す」作業をしていき、罪悪感を持つ価値観を少し和らげてあげてから、「認める・褒める」言葉を自分に伝えてあげる。
いきなり褒めることから入るよりも、この順番のほうが褒めた言葉も心に入っていきやすく、上手くいきやすいです。

普段、自分の過去について考えることが多い方・自分の言動でよく後悔をする方・うつ気質のある方は、特にこの “許す” 作業が重要になってきます。

許す・認める・褒めるの順番で、自分に言葉をかけてあげる。
これが“自分育て”でもあり、自己肯定感を高める方法なのです。



◆最後に「自己肯定感とは?」

ピンクの花に水やりをする.jpg


多くの本や記事では、まずは冒頭で「自己肯定感とは?」という定義を説明すると思います。
ですがこの記事では今まで書いてきたことを踏まえて、最後に「自己肯定感とは何か?」を定義していきたいと思います。

●許す
●認める
●褒める

これらの共通点。
それは、“自分自身に「いいよ~!」とOKを出せている” ということです。

自己肯定感が低く自分に自信のない人は、自分の行動や思考一つ一つに対してなかなかOKを出せません。
ですが幼少期に周りから「許す・認める・褒める」のOKを出してもらえなかったのであれば、今日から自分が「それでいいよ~!」と、自分にどんどんOKを出していく。


「うまくできなくたっていい (OK!)」
「ここまでよく頑張ってきた (OK!)」
「今日はおいしくご飯を食べることができた! (OK!)」

つまり自己肯定感とは、
“自分の行動や思考に、自分自身が「それでいいよ」とOKを出せること。”

それが結果的に「ありのままの自分を愛す」「自分の存在価値を認める」ということに繋がるのではないでしょうか。


他者にOKを出してもらうより、自分でOKを出せるように。
許す・認める・褒めることは、自分自身の中にある“芽”に水やりをしていくということ。毎日少しづつお水をあげ続けて、その芽を育てていって下さい。


この記事が少しでも皆さんのお役に立てますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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