田舎暮らしとリモートワーク

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今回のコロナ騒動によって、「リモートテクノロジー」を使っての仕事の仕方が、世の中の共通認識となりどうやら市民権を得ているようだ。
「共通認識」の浸透や普及というのは、社会生活を営む上ではとても大切なことである。
とりわけ社会的な関りの中で「共通認識」が得られている場合と、そうではない場合とを比べると、仕事のやり易さには雲泥の差が生じる事が多い。
具体的にはGWやお盆に長めの休暇を取ることは、「共通意識」がある故に取り易い、というように・・。

IT技術を駆使しての三密を避ける働き方として、「リモートワーク」が提唱され普及し、それを許容する社会環境が整えられたことは、これからのビジネスマンやワークマンにとっては「従来の働き方」を改めるのに、よいキッカケと成るのではないだろうか・・。
そのリモートワークが許容される環境が出てくれば、当然会社や職場へのアクセスビリティの優先順位は低くなることが予測される。

すなわち通勤時間が60分以内であるとか、90分以内であるとかいうことの選択肢は必ずしもMUSTではなくなってくるのである。
もちろん都心近郊で生活することに喜びを感じたり、都会的な生活に価値を抱く人たちは、たぶん従来とはあまり変わらない住環境で生活し続けるだろうと思われる。

しかし自然の豊かな環境で暮らしたいと思っている人や、子供はできるだけそのような環境で育てたいと思っている人達にとっては朗報であろう。
何せ、会社や企業/働く場所には「週に何日か」とか「月に何日か」出勤するだけでよくなるからである。
日常の業務は自宅でまたはIT環境の整った場所でこなし、会社への出勤は定まった日に行けばそれでよいからである。

で、こういったことが普及し浸透すると、田舎暮らしに向かう人が一定数の割合で誕生するようになる事が、当然予測される。
何かの調査で読んだのだが、今回の「コロナ禍」がきっかけで「田舎暮らし」を始めた人や「移住」を始めた人が5%前後いるのだという。
そして同時に「移住」や「田舎暮らし」のことを考え始めた人が15%前後はいるのだという。
わずかこの半年近くの間の出来事である。

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もちろん全体では主流とは言えない動きで、最大で見積もっても20%すなわち5人に1人の事でしかない。しかしこの動きは無視できない数字ではないかと私は想っている。
実際のところ、これまで地方から大都市に人口が流入する動きは戦後以来ここ数十年間続いてきた現象で、田舎から都会に向かう人口移動の流れは誰にも止められない、社会現象であった。

ところが先月だったかの社会統計によると、ここ数十年来なかった事態が今まさに起きているという。
具体的には東京への流入人口に比べ、東京からの流出人口が上回った、という。流出超過が起きているのだという。これはたぶん戦後では初めての事ではないだろうか・・。
この現象は前述の「リモートワーク」の普及/浸透とリンクした現象であり、自然環境の良い場所に価値を見出す人や、生活場面として自然環境の豊かさを重視する人たちが、中心になって引き起こしている現象なのではないかと、私は推察している。

そしてこれは「労働環境」の問題であるとともに「ライフスタイル」の問題ではないかと、私はそう感じている。
この現象は「自身がどのようなライフスタイルを志向するのか」、を優先した結果現れてきている現象ではないかと、そんな風に感じているのだ。
都会や都市が持つ緊張感や刺激、流行の最先端に触れていたいと思う人たち
             VS
サーフィンが好きだとか土いじりが好き、魚釣りやウインタースポーツ/ゴルフが好きだ、といった人たちとの違いなのだと思う。

すなわち自分や家族が大切にする価値観を反映させた「ライフスタイル=生活の価値観」の問題なのだ。
で、その優先順位の転換を今回の「リモートワークの浸透」が促し、後押しをしている結果なのではないか、とそう思っている。


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更にまた若いころに求める価値観と、家庭を築いてからの価値観、それから子育てが終わってからの価値観の違い、といった「ライフステージの変更に伴う、優先する価値観の移り変わり」が引き起こした結果、であるのかもしれないのだ。

最近、郊外のわが家と市街地までの12㎞程の間に新しい住民が越してきた。
私が来た10年前から長らく空き家に成っていたその家は、自然環境の豊かな農地に囲まれ、築30年以上たっていると思われる古い農家である。
時折見かける夫婦は60代には突入していると思われる。
庭には個人用の農機具が散見出来、鳥小屋なども新設され何種類かの大きな鶏が、大きめのゲージ越しに飼われている姿が見える。

どうやらこの夫婦も、今回の「コロナ禍」や「リモートワーク」はたまた「定年退職」によってかも知れないのだが、この南十勝の自然環境の豊かな大樹町に「移住」し「田舎暮らし」を求めてきた、そのうちの一人なのかもしれない。
などといった事を、市街地に向かう度にツラツラ考えている、移住10年目の私である。
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