冬ざれる、北海道

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コラム
先週までは「小春日和」と言っても良い日がしばらく続き、今年の晩秋は「暖秋」であると思っていたが、いよいよ冬に近づきつつあるようだ。

昨日の氷雨を境に、道東(日高山脈を境にした北海道の東エリアをそう呼ぶ)十勝エリアにもようやく冬が来るようである。
今週は明日くらいからしばらく晴天が続くようであるが、最高気温は10度前後にとどまり、最低気温は0度前後を行ったり来たりするらしい。

三週間ぶりに関西から戻ってきた我が家では、既にペレットストーブを使用していた。床暖房は10月の下旬辺りから使用していたが、朝夕にペレットを使うようになったのは、先週辺りからだという。

さてそんな風に本格的な冬が始まると問題になるのは「日照問題」である。
即ち「お天気=晴天」の日数の問題である。
というのも北海道は冒頭でも触れたように「日高山脈」を境として、大きく東と西とに分かれることからこの日照問題が東と西では大きく異なる事に成るのである。

日高山脈より東側の「道東」と呼ばれるエリアは比較的に「晴天率」が高く晴れが続くのであるが、西側即ち日本海側に近いエリアは曇天率が高く、どんよりとした日が続くのである。
その原因は2000m級の日高山脈の山々が雪雲を遮る役割を担うからである。

このように日高山脈によって北海道は東部と西部とに大きく区分される。すなわち日本海側と太平洋側とに、である。
この関係は本州で言えば、東北地方が奥羽山脈によって区分されるのと同じ構図と言えよう。

北海道エリア図.gif



日高山脈や大雪山系で区切られる道東エリアは、比較的に晴天が続くのに対して日本海側の西側は、曇天が多くロシアあたりから廻って来る寒気団の影響を一番受ける事に成る。

それに対して私が住んでる十勝は日高山脈の東側に在り、更に大雪山系の南側に在ることから、いずれも雪雲をそれらの山々が遮ってくれるのである。
従って冬ではあっても、雪は少なく晴天の日が多く続くのだ。

因みに私は先週の後半に新千歳空港の在る千歳/札幌の「道央」から、生活拠点のある道東十勝に帰ってきた。
その際に痛感したのは先ほどの「日照問題」であった。
札幌からのJRでの帰路、日高山脈の山頂に近いトマム辺りまでは、将に曇天が続き雪がチラホラと舞っていた。

そして日高山脈を越えた十勝帯広辺りでは氷雨が降っていたのだが、南十勝の大樹町に着いた翌日から昨日までは連日晴天が続いており、布団を干すことも出来た。

関西からの帰り私は道央と云われるエリアに2日ほど過ごしたのであったが、その間気持ちも「どんより」していたことを思い出す。
その間に思ったのは、半年もこんな天候が続いたら気鬱に成ってしまうかもしれないな、という懸念であった。

北海道の中でも道東エリアは「十勝晴れ」という言葉が象徴するように晴天率が高く、日中は日が差し風さえ吹かなければ暖かいのである。
現代の北海道は、二重窓や床暖房やストーブ類が生活インフラになっていることから、それらの整った家に居れば相対的に暖かい日を過ごすことが出来るのである。


暖炉のある.jpg
        暖炉の暖かさは、視覚的な効果も含まれる。


とはいえ、良いことばかりではない。
「十勝晴れ」が続く道東地区は、「放射冷却」の影響で夜中や早朝はマイナス20度前後の日が2・3ヶ月は続き、1月末から2月に架けてはしばしばマイナス30度台になることもある。
道東エリアはどんより雲の気鬱は少なくても済むが、マイナス20度~30度台の寒さは覚悟しなければならないのである。

そんな冬がもうすぐやってくるのである。




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