こんにちは。
公害防止管理者(水質関係)を受験しようとしている皆さんのため、出題されるポイントをわかりやすくまとめます。
今回は、「水質概論」の出題範囲になっている、有害物質の毒性とリスク評価について取り上げます。
「水質概論」は問題数が全部で10問ありますが、例年、有害物質の毒性やリスク評価に関する出題は1問程度です。
ちなみに、公害防止管理者の試験は、最低でも6割以上の正答率であれば科目合格できると言われています。
「水質概論」の場合、6割を取るためには6問の正答が必要です。
「水質概論」は問題数が少ない割に範囲が広く、内容も専門的であるため、難易度は高めの科目です。
今回取り上げる有害物質の毒性についても、専門的な説明が多く、突き詰めて学ぶと範囲が膨大になる範囲です。
でも過去問を見ていくと、ある程度決まったキーワードや注意事項が繰り返し出題されている傾向があるようです。
出題される分野は下記の目次に関連する項目のみです。ですので、そのポイントに絞って覚えるようにすると良いでしょう。
1.毒性とリスクの評価について
(1)毒性とは
そもそもある物質が「有害である」「毒性が強い」かどうかは、どのように決まるのでしょうか。
ある物質が「有害である」「毒性がある」かどうかは、その物質の質と量(安全量)の両方で決まります。
・安全量が小さい物質=わずかでも生体に害がある=毒性が強い(有害)
では、安全量が小さくない物質は、どれだけ摂取しても健康に問題はないということでしょうか? そうではありません。
一度に多量に摂取すれば健康を害するのは当然ですし、微量でも長期間にわたって摂取し続けた場合も健康に影響が出ることがあります。
このように、毒性にはすぐに出るものと、あとになって積み重なって出るものがあります。
すぐに出る毒性を急性毒性、あとになって出る毒性を慢性毒性と言います。
とりわけ環境汚染においては、慢性毒性による危険性が大きいと言えます。(一度に多量に有害物質が放出されるケースはまれで、少しずつ放出されたものが生物の体内で蓄積されていくケースの方が圧倒的に多いです。)
※急性毒性の度合いを示す指標
LD50(半数致死量;Lethal Dose 50%):動物実験で、1回の投与で50%の個体が死亡すると考えられるときの、体重1kgあたりの試験物質量(mg)
LC50(半数致死濃度;Lethal Concentration 50%):動物実験で、ある一定の雰囲気条件で50%の個体が死亡すると考えられるときの試験物質濃度
LD50やLC50の値が小さい=毒性が強い(わずかな量で半数が死亡するので)
(2)化学物質のリスクの評価の仕方