前回では、創業時の融資を受ける場合には、日本政策金融公庫が最適であると書かせて頂いたと思います。
今回では、実際に創業融資を受ける際のポイントについて述べていきたいと思います。
ポイントは以下3点だと思っています。
・自己資金の確保
・経験・実績
・個人の信用情報
・自己資金の確保
以前の制度においては、自己資金は融資額の10分の1程度は必要でした。(一定金額(1,000万円)の融資の場合には自己資金不要)
直近の制度変更により、自己資金要件は撤廃され、自己資金不要となりました。
ただ、制度がそうなったとはいえ、自己資金がゼロで融資が実際に審査を通過するかどうかは別問題です。
融資審査を通過するためには、事業の業種や規模などにより一概に言えませんが、最低でも100万円の自己資金はほしいところです。ルールが撤廃され、門が広がったとはいえ、以前の10分の1要件もありますし、自己資金はご準備頂いた方がよいと思います。
また、より確実性を増すためには、だいたい融資額は、自己資金の2~3倍程度であれば融資を通過しやすいと言われています。もちろん、一概には言えませんので、実績や経験、業種などによりそれよりもっと高い、5~10倍くらいまでの融資が通ることもあると思います。
自己資金がゼロ、もしくは少額だと、これから創業するのにやる気がない、計画性に欠けているとみなされ、マイナス評価に繋がってしまいます。
また、自己資金を用意するために、他の金融機関からの借り入れや消費者金融からの借り入れなどはもってのほかです。利率は当然、創業者融資よりもたかくなってしまうでしょうし、後述する個人の信用情報にマイナスを与えてしまうためです。
また、家族や親族・友人から借り入れる場合も、自己資金の調達という意味においては評価してくれる場合もあり、実際、創業計画書の記載欄にも「親族・友人からの借入欄」もあります。
また、余談ですが、法人に例えると自己資金は、「資本金」にあたりますので、その金額が十分だと信用力があると評価されます。
・経験、実績
創業する事業に関してのご自身のこれまでの経験、実績が評価されます。
創業計画書欄にも創業のきっかけや経歴欄などがありますので、創業される事業に少しでも関連や結び付けをもたせて、アピールすることが重要です。
保有資格についても同様のことが言えますので、この資格は創業事業のこの業務に活かせますなど、関連付けられればよいと思います。
転職活動というわけではありませんが、別途資料として、これまでの職務経歴書を実績アピールとしてお持ちしてもよいかもしれません。
金融機関側は、事業が成功するのかどうかの判断をしたいので、このような経験・実績から事業成功するのか、はたまた融資できるのかを判断していくのです。
・個人の信用情報
創業する個人の信用情報を良好に保つことは融資を受ける際には重要なポイントの一つです。
個人の信用情報とは、クレジットカードや各種の借入情報などの利用履歴を指します。もし支払延滞やローンの返済を遅延したことがあると、信用力が低いと判断されてしまうかもしれません。
過去にこういった遅延などの問題があると、金融としては警戒する可能性があります。
ちなみに、これらの借入などの履歴は信用情報機関で共有されており、金融機関は信用情報を確認できます。
他にも、公共料金や種々の税金の支払いを滞納している場合は、事業をする上でも計画性が無いと判断されかねず、融資を断られる可能性があるので、滞納している場合には早急に滞納を解消する必要があります。また直前に解消しても見破られる可能性がありますので、前もってこれらの滞納を解消することが肝要です。
以上、3つのポイントを列挙させて頂きました。
他にも日本政策金融公庫での創業融資では不要としている、担保や保証人などを設定できる場合には、融資を有利に進められることは間違いありませんし、他にも細かいポイントはいくつかあると思います。
とはいえ、これらの問題の前に「創業計画書」をどう記載したらよいかを分からず困っている方もいらっしゃるかもしれませんので、その際は当方サービスをぜひご検討ください。
ご質問などありましたら、お気軽にお問合せください。