【ショートショート】引っかかった「他のお仕事」

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Yはパソコンの画面を至近距離で睨みながら、キーボードを叩いていた。
ひときわ強くEnterキーを叩くと天井を仰ぎ見て、ふーっと大きく息を吐き出す。
「あー、疲れた……」
自分でビジネスを立ち上げて、もう何年経つだろうか。
今ではその界隈でそれなりの地位は築いているはずだし、ここまで来るのに特別大きなトラブルもなかった。
一般的に考えれば順調なほうだろう。
ただ、ひとりで作業をするのはもう限界かもしれない。
嫌だ嫌だと今まで避けてきた外注という選択肢がYの中でいよいよ現実味を帯びてきた。
だが、今の自分には直接頼めるようなツテはない。
知り合いに頼めば誰か紹介してくれるかもしれないが、紹介となってくると何かと気を遣う。
ゼロから自分で探すしかない。
自分以外誰もいない部屋で、まるで誰かに聞かせるかのように「はぁー……」とわざとらしいため息をつく。
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