困った上司への心構え

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仕事をする上で、上司がどんな人か、その人と合うか合わないか、は、毎日の仕事だけでなく自分のメンタルヘルスキャリアプランにおいても大きく影響しますよね。
どのような職種や業種を希望するか、どんな会社で働くか、までは自分で選ぶことは出来ても、誰を上司にするか、は選べません。「親ガチャ」ならぬ「上司ガチャ」みたいなものです。
そしてどんな人が「当たり」なのかは、自分のタイプによっても異なります。ガツガツタイプがあっているのか、見守ってくれるタイプがあっているのか。

ただし、自分のタイプに関わらず、困ったタイプの上司はどこにでもいます。会社や部下にとって「苦い良薬」となってくれる厳しいタイプとの区別が難しい。良薬タイプの厳しい上司は、長い目で見ると「あの人と一緒に働けて良かった」と思える日が来ます。しかし「困ったタイプ」とは長く付き合うと自分が疲弊するだけ。

では両者はどのように違うのか、「困ったタイプ」にはどう対処すればいいのか、を考えてみました。

1.困った上司

普段の言動から、以下のような特徴があります。

◆相手の人格を攻撃する
◆「自分のため」が根底の理論を展開する
◆「そういうものだから」のように、主張に明確な根拠がない
◆攻撃、叱責がずっと続く
◆「そのままだと将来困ることになるぞ」など、脅すような言い回しをする
◆気に入らない人間を排除しようとする
◆自分の失敗や欠点は認めない
悪意がある
◆失敗を他人のせいにする

普通なら距離を取る相手ですが、上司がこのタイプだと距離も取れないので至極厄介ですね。

2.「苦い良薬」タイプの厳しい上司

対して、態度は厳しいですが周囲に良い影響を与える人には以下のような特徴があります。

◇相手の仕事の内容に対してコメントする(人格に対してではない)
部署・チームのため、会社のため、社会のためを考えている
◇「なぜならば」と、叱責する場合も理由を教えてくれる
必要な時だけ厳しくなる、オンオフを切り替えるのが上手い
励ましも行う
◇相手を育てる
◇自分の不足や欠点を分かっていて、自己研鑽する
熱意がある
◇自分の非を認め謝罪する
◇原因追及ではなく善後策を考える

上司の性別は関係なく、「こうあるべきだ」という上司像を自ら体現してくれる人です。
最初の取っ付きは悪いですが、慣れると癖になる人です。べたべたした関係は相応しく無さそうに見えますが、何かあった時に意見して欲しい、と思えるような相手です。
こうした上司に出会えたらラッキーです。自分に対する言動だけでなく、普段の仕事ぶりをしっかり観察して真似しましょう。「観察学習」です。

3.困った上司への心構えは?

異動の多い職場なら、いずれいなくなってくれますが、そうではないといつ離れることが出来るか分からず憂うつです。
異動願いなどが通ればラッキーですが、異動することで本来自分がやりたかったキャリアから離れてしまうのは自分が損をしているようでどこか納得できないです。

①好かれようとしない
まずは、この上司から好かれようとするのを止めましょう
このタイプは、相手がどう接してこようと、良い評価を下したり好意を持つことはほぼありません。もしあったとしても、それは自分にとって利用価値があると判断したからです。
結局はこちらの努力や成果、モチベーションを吸い上げて終わりです。

自分の長いキャリアの中の、一時道を塞いでいる大きな岩くらいに思って、ぶつからないよう注意しながら横を通り過ぎましょう。体当たりして打ち砕こうとすると、自分が大けがしてしまいます。

②八方美人を止める
誰からも好かれる人はたまにいます。素晴らしい特質だし、人間関係に困っているようには見えないし羨ましいです。
が、誰からも好かれたいと思って八方美人にあちこちに良い顔をするのはやめましょう。
「困った上司」に目をつけられて利用されるだけです。
無理をして八方美人に振舞う人は、実は自己評価の低い人が多いです。自分で自分を評価できないから、他人から評価してもらうことで自己価値を保全しているのです。

正しく認めて褒めてくれる人相手なら問題ありませんが、困ったタイプはこちらの自己評価の低さを見抜いて利用しようとしてきます。
人から好かれて心地よく過ごしたいための振る舞いが、誰かの餌食になるのは本末転倒です。

4.利用されないためには?

自分で自分の努力を認めて褒めましょう
高すぎる「合格点」は絵に描いた餅です。どんなに美味しそうに描けても、いつまでも食べることは出来ません。
他人と比べて「〇〇さんみたいになれたら自分は合格だ」とするのもやめましょう。困った上司はそこも突いてきます。「〇〇さんなら出来るのに」と。
もしそうなら、〇〇さんにやってもらえばいいだけのことです。自分は自分に出来ることをすればいい。それが会社です。

自分の努力を自分で褒めて、自分の中に評価水準を設けて、他人の言葉に左右される度合いを下げましょう
そうすることで、困った上司の理不尽な言動に振り回される度合いも下がっていきます。

そしていずれ自分も上司になります。
その時に振り返ってみて、お手本にしたいような上司はいるか?と考えると中々難しいものです。
もし今、自分に部下がいて、どう対応しようか迷っているなら、「こんな上司がいたらよかった」という理想の上司像を思い浮かべてみましょう。
部下目線で考えることで、自分本位な困った上司に自分がならずに済みます。
そして自分が周囲に好影響を与えられる社員となることで、下の世代にもいい影響が伝播していくでしょう。
それが再び自分に回ってきて自己評価を高めることにつながります。


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