♪ 【小説#12】 はいはい・這い這い・High-high

記事
小説

♪筆者の 或 頁生(ある ぺじお)と申します。
拙作の有料配信ページにアクセスいただき、ありがとうございます。
直近にアップの 『コラム』 記事内でも、同作品に関する補足説明を綴っています。


ご興味をお持ちいただいたのであれば、ぜひ1度体験してみてください。
この物語の主人公が突然強いられることとなった、高さ100cm以下の世界で過ごす数日間を。
そこは貴重な 『気づき』 『発見』 の宝庫であるだけでなく、想定外の明日へと続くシナリオの1ページ目かも?
ちなみに東京が舞台の物語ですが、扉絵画像は大阪メトロのとある駅です。
ご容赦を。

(※本文総文字数(実数)=6989)


【はいはい・這い這い・High-high】



1. アクシデント

何の問題もあり得ない動作のはずだった。

高さ1メートルほどの遊歩道に沿った一段高い場所から、軽く飛び降りたというよりも、単に降り立っただけのつもりだった。
それを不注意と指摘されれば、当事者としては憤懣やるかたなくも。かなり以上の確率でしか起こり得ない不運だったと慰められたのであれば、どうだったろうか?
目視確認を怠った着地予定地点には、小さな子どもが遊んだ跡だったのか、前年の忘れ物の乾いたまつぼっくりの山が、タカシの左足裏を待ち構えていた。

グキッ!

瞬時ではなく一拍置いた後に、じんわりから一転して急スピードで脳天まで駆け抜けた衝撃。
それは誰もが記憶する、とある痛みと共通していた。

左足小指挫傷?

素足でタンスの角に足指先を … これだけで痛過ぎるので、以下略。
しばしその場にうずくまるも、時折通り過ぎる人たちは、あたかも靴の紐を結び直している人影を追い越して行くかのようで、誰一人タカシに声をかけることはなかった。

大丈夫だ。

幾分痺れは残っているけれど、普通に歩けるみたいだ。
それでも大事をとって、今日はここで新しい町の探索は急遽中断して、一旦帰ろう。
「これは翌日腫れるでしょうね」
格闘技ファンのタカシの頭にふと浮かんだ、いつかの試合中継の解説者のこの一言が、迷うことなく自身の踵を返させていた。


2. ピンチ

「あれっ???」
未開封の引っ越し荷物を窓際に固めた状態で、どうにか確保した布団スペースの中央付近、真夜中に尿意をもよおしたタカシは戸惑っていた。

立ち上がれない。

痛みはそれほどでもないけれど、左足の甲全体が、感覚と筋力を失っていた。
壁に両手をついて身体を起こそうと、右足1本で屈伸するかのように、どうにか片足立ちには成功するも、そこから微動すらできなかった。
一旦へたり込んで、そこから思案。

名案を思いついた。

この続きは購入すると読めるようになります。
残り:6,506文字
♪ 【小説#12】 はいはい・這い這... 記事
小説
500円