大企業産業医、かつ内科専門医のココナラドクターです。
今日は、「戦争と平和」で有名なトルストイの「人は何で生きるか」をご紹介します。
この名著の特徴は
★ロシアの民話
★そのため10代でも読みやすい
★トルストイの「絶対非戦論(戦争はいかなる理由でもしてはいけない)」を学べる
★冒頭に聖書の言葉が並び、愛は神であり、同じ物の違う姿だと伝えている
★「君の胸に神はお留守かね?」という名言
★大天使ミハイルの3回の微笑みに隠された秘密
【靴職人 セミヨンの話】
腕はいいが、酒飲み。
ある日、新しい毛皮を買うために、客のもとへ集金に行く。
しかしあてにしていたお金をもらえず、やけ酒を飲んでしまう。
「毛皮のコートなんてなくても、酒を飲めば暖かいさ」と悪態をつきながら帰っていると、礼拝堂のそばで白い影を見つける。
近づくと、苦しそうな裸の男性であった。
セミヨンは見捨てられないと裸の男性に自分のコートを着せて、家に連れてくる。
男を連れて帰ると、妻のマトリョーナが「集金もできずに、裸の風来坊まで連れてきて」と怒る。
セミヨンは妻に「君の胸に、神はお留守かね?」と問いかける。
妻は胸のむしゃくしゃが収まるのを感じ、夕食の準備にとりかかる。
ミハイルは妻の様子に微笑む。
すっかり居ついたミハイルは、靴職人として腕を磨いていく。
評判の靴職人になったミハイル。
ミハイルのもとに新しい注文がはいる。
1年壊れない長靴を作るようにいった金持ちの男、ミハイルは男の後ろの端を見た後、にっこり微笑み、なぜか短靴を作り始める。
男が帰ったあと、すぐに使いの者がやってきて、「主人はすぐに死んでしまったから、死人に履かせる短靴を作ってほしい」と伝えてきた。
ミハイルがみていた男の後ろの端にいたのは、男を天国に連れて行こうとした天使であった。
6年後、女性が双子を連れて、お店に注文しにきた。
女性の話を聞いていると、双子は養子であり、亡くした我が子のように
大切に育てているという。
それを聞いていたミハイル。ゆっくり微笑む。
ミハイルの体から光が差し、みな驚く。
「わたしの体から光がさしたのは、わたしは罰を受けていたのが、
今、神様から許されたからです。
私が3回笑ったのは、3つの神さまの言葉の意味がわかったからです。
1つ目は奥様が憐みを下さったとき
2つ目は金持ちの男が長靴を頼んだ時
3つ目はあの娘たちをみたとき。」
★1つ目は、すべての人の中に愛の種があると知ったとき
★2つ目は、人の命がいつまでかわからない、叡智が人間には与えられていないと知ったとき
★3つ目は、人は、他者への愛で生きていくと知ったとき