部下が動いてくれない

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なんでわかってくれない

 部下が思ったように動いてくれない。
 いくら正論を言っても、事実関係を積み上げて説明しても動かない。
 なんでわかってくれないだ、とイライラは募るばかり。
 「前にも言ったよね?」「なんでやってないの?」とつい説教口調になって相手を責めれば、関係性まで悪くなってしまう……。

ウェット・ブランケット

 部下が間違っていて、自分が合っている場合もあるだろう。
 でも、自分が「ウェット・ブランケット(濡れた毛布)」になっていないだろうか、振り返る勇気を持ちたい。
 上司が1つひとつ理詰めで相手の間違いを徹底的に指摘していけば、経験も知識も劣る部下には逃げ場がなく反論の余地もなくなってしまう。
 例え反論できたとしても、上司は簡単に論破して部下の反論を封じるのは赤子の手をひねるように簡単だろう。
 頭が良い人は「正しいことをすることが正しい」と思っている。
 でもこのアプローチでは、部下を指導しているつもりが、無意識に部下の心を殺しているのだ。
 心にあった「やる気の炎」を、上司は濡れた毛布を掛けるようにして消してしまう

上司の仕事は、部下の成長

 上司の仕事は、成果を上げることだけでなく、部下を成長させることだ。
確かに部下は間違っているのかもしれない。
 でも、部下の心を殺すまで追い詰めることは、成長のためにはならない。
 その時はこっぴどくやりこめて自分は清々できても、その代償は大きい。
 部下のパフォーマンスはどんどん低下していき、部下からの信頼は失われていくだろう。

 上司は部下を知るには三年かかる
 部下が上司を知るには三日で足りる
という格言がある。

 上司は権限があるので、部下は逆らえない。
 上司は思ったことをそのまま口に出来るが、部下は本心を見せられない。
部下は上司がどんな人物かすぐに知ることができるが、上司には部下の心がわからない。

 私の方が正しいのに、なぜ私がこんな苦労をしなくちゃいけないんだ!

という考えから抜け出すのは難しいかもしれない。
でも自分ばかり見ていては、いつまでも部下を知ることはできない


65億分の1の奇蹟

 世界には65億人もの人がいる。
 65億分の1の確率で、上司部下の関係になったことにはきっと意味がある。
 そして一生その部下といる訳ではなく、ひょっとすると数カ月、長くても数年の関係だろう。光陰矢のごとし。

 自分の人生の中で、この一瞬だけの巡り合わせ。
 65億人の中から巡り合った奇跡的な出会いであるからこそ、せっかくの出会いを大切にしたい。

 この大切な時間もいずれは消えてしまう。どんなに失敗しても成功しても、それは一瞬の出来事でしかない。人は、今この一瞬を精いっぱい生きることしかできない。「わたし、いま、ここ」の真剣勝負を繰り返すことが人生になる。

 心をいくら尽くしても部下と心が通わない時もあるだろう。
 でも一生懸命に心を尽くしたことは、人間として大きく成長した証しなのだと信じたい。
 うまくいかなかったと自分を責めないで欲しい。
 その責めは自分から部下への刃となってしまう
 部下を信じて部下の成長のために尽くした自分を認めて、自身の人格を磨いていると信じて繰り返していきたい。



わたしの「しくじり上司」経験をつづった記事です。よろしければダメな例としてご覧ください。


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タムシンコーチのプロフィール | ココナラ
2021年から、副業でプロコーチとして活動中。皆さまとの対話を通じて悩みや不安、ストレスを生じさせる問題を探り、目標を達成するお手伝いします。皆さまが、本来もっている自分らしさを取り戻し、生き生きと輝いていく姿を見るのが何よりの喜びです。
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