記憶したいなら覚えるよりも思い出すテストせよ!

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コラム
「なんでテストをするのか?」と問われれば、
・どれだけ覚えたか確認するため
・ちゃんと理解できたか知るため
・成績を評価するため
と考えるのではないでしょうか。
しかし、それはテストの役割のほんの一部で、テストをすることでもっと多くのメリットを得られるんですよ!と主張する研究(1)が面白かったのでメモ
▼こんなことを知りたい人向け
・成績を評価する以外のメリット
・学習とテストはどちらが記憶に定着しやすいのか

①テストがもたらすいろんな効果
学生時代にテストを受ける側からしたら、自分がどれだけ内容を理解したかを確認するものだと思っていました。
しかし、テストの役割はそれだけではないようです。もしテストをやる側だとしたら、どんなメリットがあるのか知っておくと良いのではないでしょうか。
ここでは、テストがもたらす3つの直接的な効果と1つの間接的な効果を紹介します。
■直接的な効果
1 )コース全体を通して継続的な学習をすることができる
これは、ものごとが前に進んでいる感覚がモチベーションになることに近いですね。
1学年の学習内容を定期的にテストすることで、進捗を確認することができて継続的な学習につながるのだと個人的には考察
2 )成績についてフィードバックを受けることで学ぶ機会を得る
これは、メタ認知の考え方ですね。
効果的な学習には、”わからないこと”を”わかる”ようにすることが重要です。テストを受けると”何がわかってないかがわかる”ので、学習すべきポイントが見つかりやすくなります。
3 )習得していない内容について勉強の指針とすることができる
今の勉強のやり方で学習内容をどれだけ理解できるかがテストでわかります。
このままのやり方で勉強を進めていいのか、それとももう少し違うやり方で勉強をした方がいいのか戦略を考える機会になるということですね。
■間接的な効果
1 )プロセスを経由して学習を促進する
テストがある!とテストに向けて学習して内容を理解し覚えようとします。
人の記憶ってビデオカメラみたいなもので、記憶しようとスイッチを押さないと覚えられないんですよね。
テストがあることで学習時間が増えたり理解を深めようとするんですねぇ
以上のようにテストをすること自体にいろいろとメリットがあります。
さらにおもしろいのが、テストが学習と長期的な定着にを高めるということです。
②学習試行よりもテスト試行の方が記憶に定着しやすい
「テストって評価の有用性って評価装置だけじゃなくない?」と言われる中ある実験がされました。どんな実験だったかというと
1 )40個の単語をリストアップ
2 )大学生を3つのグループを分け、学習条件を割り振りリストを覚えるように指示する
 ①標準型) 学習→想起テスト→学習→想起テスト
 ②反復学習型) 学習→学習→学習→想起テスト
 ③反復テスト型)学習→想起テスト→想起テスト→想起テスト
3 )それぞれの学習条件でサイクルを回して、どの学習条件が記憶に定着しやすいか測る
みたいになってます。そしたらおもしろいことがわかって、
・反復学習型と反復テスト型を比べると、はじめは反復学習型の方が記憶できるが、3サイクル目あたりで反復テスト型の方が記憶できるようになった
・長期的には反復学習型が一番記憶できなかった
・3つの条件の中だと、標準型が一番記憶に残りやすい
学習よりもテストを繰り返した方が記憶に残るってのは意外な感じ。長期的に知識を増やそうとするには、インプットすることよりもアウトプットすることを繰り返す方が重要ということなんですかねぇ
▼まとめ
・短期的に記憶するなら学習を繰り返すのはあり
・長期的に記憶するなら思い出す練習をした方がいいよ
何かを記憶しようとする時は『覚えよう』とすんじゃなくて『思い出す』を繰り返した方が良さそうですね。僕も本を読んで覚えようとするんじゃなくて、どんな内容だったか思い出すようにしてみよぉ
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