◎消費税が大きく変わります(2)1千万以下でも納税?

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法律・税務・士業全般
●免税事業者は登録申請ができません。

〇そのため、免税事業者が登録番号を取得するためには、「課税事業者を選択」するしかありません。 
 その場合、年間売上が1,000万円以下であっても、毎年、消費税の確定申告書を提出し、納税しなければなりません。
〇免税事業者がインボイス制度の開始から登録事業者となるためには、原則として、令和5年3月31日までに登録申請が必要です。

【参考】消費税の課税方式(2種類の計算方法)について

① 原則課税(特に手続きは不要)
 売上に対する(受領した)消費税から、仕入・外注・経費などの支払った消費税を差し引いて、差額を納付する方法です。経費等が大きくかかれば、納付する消費税は少なくなります。高額な事業用資産(例えばトラックなど)を取得したときはその消費税を一括で控除できますので節税効果は大きいといえます。
 その反面、インボイス制度の導入により、課税仕入れについてのすべてのインボイスの保存と記帳が必要となります。
② 簡易課税(事前に届出が必要)
 売上だけに着目し、業種によって決められた仕入割合を課税仕入れとする方法です。
(仕入割合の例としては、卸売業90%、小売業80%、建設業(材料仕入あり)70%、建設業(手間賃、加工賃)60%、サービス業50%、不動産業40%など)
 つまり、建築手間請けで税込み年間収入880万円の課税事業者が簡易課税を選択している場合、80万円×40%=32万円を納付すればよいことになります。この場合はインボイスは必要ありません。

 簡易課税の注意点としては、
① 年間売り上げが5,000万円以下であること
② 課税期間開始前の届出が必要であること
③ 2年間は継続適用となること
などがあります。

★以上により、事業(業務)内容によっては、原則課税から簡易課税へ変更する事業者が増加することが予想されます。ただし、簡易課税を選択すると、外注先等に支払った消費税が控除できないため、消費税の申告納税額が大幅にアップする事業者も少なくありません。高額資産(例えば数百万円のトラックなど)を取得しても控除出ませんし、運送事業者の例でいえば、(運送事業者は5種事業なので売上の50%が仕入控除)
年間売上800万円(税込み880万円)の(登録事業者)の場合は、
800万円×10%×50%=40万円
同様に、年間売上2,000万円(税込み2,200万円)の場合は、
2,000万円×10%×50%=100万円
の申告納税となります。
 令和5年が課税事業者の場合は、令和4年12月31日が「簡易課税制度選択届出書」の届出期限であり(従来と同様)、
 免税事業者があらたに令和5年10月1日から登録事業者になる場合は令和5年12月31日が期限(例外)となります。
 したがって、それまでにじっくりと検討しておく必要があります。
                               (続く)

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