税務調査の連絡が来た(インターネット取引の方)

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法律・税務・士業全般
 税務署には一般の調査部門のほか、機能別担当といって、特定の専門分野に特化した部門があります。情報技術専門官(情技官と呼称)というのも、その一つです。一般に、比較的大きな税務署に設置されており、広域担当として数署を担当しています。そのため、連絡がある場合は自分の管轄署でない税務署から連絡があり、「あれっ?」と首をかしげてしまう場合があります。

 情技官の仕事は、基本コンピュータやIT関係に特化しています。当然担当者はパソコンやインターネットを使った取引に精通しています。例えば、税務調査の連絡後に納税者がやばいと思ってデータを消去した場合、消去前のデータを復元できるソフトも駆使しています。
 一般的な税務署の調査事案のうち、IT関係の事案は情技官が先取りします資料情報は、まず情技官が大きい事案をとり、残りを各部門に分配しています
なお、情技官はあらかじめ情報を入手し、資料情報から調査事案を選定するため、その段階で銀行等金融機関情報(預貯金取引内容)やメルカリ、ヤフオク等、アフィリエイト、ユーチューブ等の情報をもっています。ですから、情技官から連絡があった場合は、すでにほとんどの数字(売上)がつかまれていると考えられます。また、情技官ではこなせない分は一般担当が調査に来ますが、パソコン操作等に習熟した情技官付調査官が応援で来ることがあります。
いずれにしても、インターネット関係の売上で国内の金融機関を経由したものは、容易に把握されます。国外の金融機関に入金したものでも、いずれ国内に送金すれば発覚します。
 インターネット関係の業務については、他の業務と比べて無申告の割合が非常に高くなっています。申告義務のある方(所得税がかかる方)は早急に確定申告するのが賢明です。
 新型コロナがやや落ちついたという状況を踏まえ、各国税局(税務署)は中断していた税務調査(新規着手)を再開しました。コロナの影響が少ないという点と売上(収入)金額がつかみやすいという観点から、インターネット関連業務の方が優先して調査に選定されているようです。特に無申告の方には、無予告で調査に来る可能性が高いと思われます。無予告で調査に来た場合は、拒否することはできませんが、調査日の延期をすることができます。その場で調査に応じる場合と、延期してもらう場合とでは、結果において「法的効果」が異なる場合があります。
 いずれにしても、無申告の方や過少申告の方は、税務署が来る前に自主的な是正をお勧めします。(2020.9.27現在)
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