●元国税【個人事業者の税務調査の内情(肉屋)】…多忙を理由の概算申告の結末

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法律・税務・士業全般
● 概況
 私は地元の商店街で、家族で肉屋を営んでいます。私と妻と母親の3人です。おかげさまで私どもの商店街はにぎわっており、売上も安定しています。けっこう忙しいことと、家族のみの営業ですので、お金の管理もいいかげんで、どんぶり勘定で帳面をつけたこともありません。確定申告の際は、前の年の数字を参考にして適当な数字を書いたメモを持って税務署に行き、書き方を教えてもらっています。このたび、税務調査の連絡がありました。いったい、どうなるのか見当もつきません。

● 調査
 いわゆる「現金商売」の調査は、税務署にとっても簡単ではありません。

「内観調査」といって、事前に客としてその店舗を利用してレジの状況を確認したり、「外観調査」といって、店舗自宅のの外観を確認したり、物陰から一定時間の客数を数えたりします(例えば、お蕎麦屋さんの昼12時から13時までの客数をカウントするなど)。また、調査の着手にあたっては、複数の職員で「無予告調査」を実施するなどです。これは、「現金商売」の場合は売上が銀行通帳等を通さないため、脱税が発覚しにくいためです。なお、余分な話ですが、内観調査には予算が限られているため、休日に自腹で家族で飲食店を利用したり、個人的に真夜中の風俗店を物陰で来客数やホステス数をカウントしている職員も少なくありません。

 それらから得た情報を用いて、調査を開始します。もちろん、握っている「資料情報」を調査先に開示することはありません。個人課税の世界では、昔から「帳簿なんか見ても何の役にもたたない」と言われ、能力の低い調査方法と軽蔑されます。提示される帳簿は申告と一致しているのは当たり前だからです。

 そこで、「推計課税」となります。どんなに帳簿がしっかりしていても、現金商売の「推計課税」は必須となります。マクロ(全体)としての適否を判断するところからスタートです。
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