こんばんは。
恋愛心理アドバイザー白浜ゆうりです。
今日は、人の非合理的な心理について。
皆さんはこれまで共依存を経験したことがありますか?
共依存の恋愛をしている方はこの記事を読んで、自分の気持ちを一度紐解いてみてください。共依存経験がない方は「共依存ってこんな関係なんだ」と知るきっかけにしていただけたらと思います。
1.共依存とは
共依存とは、カップルや夫婦間でお互いに強く依存し合っている状態のことです。
共依存を経験したことがない方は、共依存状態にどんなイメージがありますか?
DV?泥沼化?メンヘラカップル?
そんな悪い印象がある人もいることでしょう。
しかし、依存のすべてが悪いことばかりではないんです。
二人だけが感じ取れる深い愛情、精神的な結びつきがあるカップルもいます。
相思相愛の恋人がいることで、自分の居場所を見つけられた人もいることでしょう。
しかし、共依存は二人の関係が良い状態の時と、悪い状態の時の差が激しくなりやすいです。
良い状態の時は、ラブラブカップルで幸せいっぱい。
悪い状態の時は、憎しみ合ったり、罵り合うなど・・・。
共依存カップルは心の距離感が近すぎて、衝突しやすいという特徴があります。心の距離が近いと、相手への期待値も高まりやすいからです。
「私のこと愛しているなら、なんで分かってくれないの?」と思いやすくなってしまうのです。
交際しているからと言って、相手をすべて自分の思い通りにすることはできません。心の距離が近いと、相手が自分の一部のように感じて、相手への要求が大きくなってしまうんですね。
こうした理由から共依存のカップルは別れと復縁を繰り返しやすかったり、気持ちが安定した付き合いというのが難しくなりやすいのです。
今日は、そんな共依存関係のカップルが陥りやすい「傷つけられるほど、離れられなくなる心理」について、身体的DVを例にして解説していきます。
2.傷つけられるほど離れられなくなる理由
<自己効力感があるから>
例えで分かりやすいのが、暴力を振るう彼氏と暴力を受ける彼女の関係性。
第三者から見たら「なんで殴られているのに、離れないの?」「自分を傷つける人からは離れようよ」と思うと思います。
しかし、彼女はDV彼氏の心の弱さ(心の奥にある闇の部分)に気づいているものです。
だから、彼の弱さを受け止めるためにも暴力を受けてあげるのです。
「私だけが彼の弱さを分かってあげられるから」
「私が彼を助けてあげなきゃ」
というように、自分が彼にとって唯一無二の必要な人間なんだと思いこみます。(自己効力感)
そのため、彼の隣には自分がいるべきで、そこが自分の居場所だと感じてしまうのです。
<不完全なものに惹かれる心理>
人は不完全なものに惹かれやすいという習性があります。
例えをあげるなら、整形を繰り返しすぎた後の顔と整形をする前の顔。
整形を繰り返すほど、人の顔は左右対称で均等な顔になっていきます。
しかし、整形を繰り返しすぎた顔に人は恐怖や違和感を覚えます。
なぜだと思いますか?
それは、人は「完璧すぎるもの」「完全なもの」には惹かれないからです。
少し左の目が右の目よりも小さかったり、上下の高さが少しだけ違ったり、そうした「不完全なもの」に「自然体」を感じるものなんです。
自然体であれば、人は親しみやすさを感じ、安心します。
誰でも自分が完璧な人間ではないからですね。
不完全な方が、自分と似ていて安心するのです。
DVをする彼氏、DVを受ける彼女の場合もこの心理に当てはまります。
DV彼氏の心の歪み、弱さという不完全さは彼の「人間らしさ」になります。
彼女が彼の不完全さに愛着をもち、「支えてあげたい、理解してあげたい」と思ってしまう部分になります。
ここまで、読んだ方には、DV彼氏と別れられなくなる心理が少しだけ分かってきたのではないでしょうか?
<サンクコスト効果>
サンクコスト効果とは、これまで犠牲にしたものに対して、執着が強くなる心理のことを指します。
ギャンブルで、お金を減らしまくっている人が、「ここまでお金を使い込んだから、次こそ取り返さなきゃ」とギャンブルにハマりこむのも、この心理からです。
人は犠牲になったものほど、その見返り(ご褒美)がほしくなります。
DVを受ける彼女も「ここまで傷つけられたんだから、その見返りがほしい」と思うようになります。
これまで我慢してきた見返りとして、彼からの優しさや愛情を強く求めるようになります。
DV彼氏はいつも暴力的なわけではありません。
彼氏も彼女に依存しているため、とても優しくて愛情深い一面をみせることもあります。
暴力を受ける彼女にとって、それはひとときの甘い時間です。
そのご褒美が欲しくて、離れられなくなっていくのです。
そして、彼に少しだけ優しくしてもらったら、これこそ本当の彼なのだと思い込むようになります。
「攻撃的なところもあるけど、本当は優しい人なの」
という言葉には、こうした心理的背景があるのです。
彼女も愛着を感じている彼から離れたくないので、都合の良いように考えたくなるんですね。
そう思わないと、心が辛すぎるから・・・。
彼女が彼氏から受けた傷を一人で抱えて生きていかないといけないと思うと、離れることが大きな恐怖になります。
「彼はいつかきっと分かってくれる」
「いつか変わってくれる」
と彼女は信じるしかないのです。
そんな彼女はもう彼氏から離れられなくなっています。
この傷を癒やせるのは、彼しかいないと思い込み、彼に執着してしまいます。
これが、傷つけられるのに離れられない心理の真相です。
3.共依存で悩んでいる方へ
私も相談室では、共依存関係に悩んでいる方が多く来られます。
離れたいけど離れたくない
離れたくないけど離れたい
という気持ちで皆さん葛藤しています。
私の相談室に来られて、共依存から脱出できた方もいます。
そうした方たちは口を揃えたように言います。
「あの時、離れてよかった」「視野が広がった」
皆さん、以前と比べて考えられないくらい生き生きとされています。
しかし、一人で共依存から脱出するのは、身を裂くような大きな痛みが伴います。
それはもう、言葉では表現できないほどの地獄なような苦しみです。
パニックになる人、生きる希望を失って鬱状態になる人、様々です。
そんな人たちのために、私がいるんです。
無理に離れるようにアドバイスすることはありませんので、離れる気がない方も、気楽に相談に来られてくださいね。
離れることではなく共依存でいることを選んだ方が定期的に気持ちを吐き出す場所にもなっていますのでご安心ください。
一人で抱え込まず、気軽に気持ちを吐き出す場所にしてもらえたら、私も嬉しいです。
私と一緒により良い解決策を見つけていきましょう。