ギャンブル仲間の絆

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 私のギャンブル仲間には、“事情”があって、一人暮らしをしている先輩が数人います。Y御大は還暦過ぎの重鎮ですが、昨晩、夕食をくちゃくちゃ食べながら電話してくると、「おい、●●ジイはどうしてる? 誰も知らない? じゃ俺が一度、顔でも見に行ってくっか」と話し、また、くちゃくちゃと食べ始めました。下品極まりないのもY御大のいいところ? です。

 そんなY御大は、若気の至りで年金の払い込みを怠り(すべてギャンブルにつぎ込む)、自ら年金なし、預貯金なしの苦境を招いた結果、コロナ騒動の今でも元気に警備の仕事に通っています。一方、Y御大のさらに先輩で、Y御大に「●●ジイ」と呼ばれるK長老も、“事情”があって木造アパートで一人暮らしです。私を含め、かつては新宿の雀荘で日夜、醜いバトルを繰り広げた“戦友”ですが、Y御大は「●●ジイが元気だったら、久々に昔の仲間で集まるか、新宿によ。ふふふふ」と、入れ歯むき出しに笑うのでした。

 還暦を過ぎた一人暮らしの老人同士が、数年会っていなくても、ふと思い出し、相手の安否を気遣う固い絆(きずな)。ギャンブルで結ばれた縁とは、何と素晴らしいのでしょうか。「元気だったら、●●ジイの年金でもむしってやるか。例の10万(特別定額給付金)も一緒によ。がははは」とY御大は豪快に笑いました。

 Y御大には内密ですが、実は空手家のT氏などギャンブル仲間の後輩たちは、逆にY御大のなけなしの10万を狙っています。狙い、狙われるのがギャンブラーの悲しい性(さが)ということでしょうか。何はともあれ、ギャンブルという共通の生きがいを持つ者同士は、何のしがらみも、気兼ねもなく、笑顔で末長く付き合えることだけは確かなようです。

ネギ村


若気の至りで
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