情報を整理して、視覚的に伝えるのに便利な「表」。
パワポ資料・プレゼンでは、頻出ですよね。
ただ、デフォルトの表に数字や文字を記載しただけだと、単なる「データの羅列」になってしまいます。
でも、ほんの一工夫するだけで、単なる「データの羅列」感が消え、わかりやすさもグッとアップする「伝わる表」を作ることができます。
この記事では、シンプルでわかりやすい「伝わる表」を、パワポで簡単に作る方法をご紹介していきます!
1. パワポで簡単に表を作成する方法
まずは、表を作成する基本的な手順からご説明していきます。
基本操作をマスターすることで、複雑な表も簡単に作れるようになりますので、不安な方は確認してみてください。
※ここからの説明(基礎編)で使用しているデータは、すべて経済産業省ホームページ「飲食関連産業の動向(FBI 2023年上期)が出所です。また、表の中のデータ(事業所数・従業者数)は2021年調査のものです。
1-A. エクセルやcsvで既に表がある場合
データがエクセルやcsvで既にある場合は、わざわざ入力するのは無駄・手間なので、エクセルからコピペで作成します。
①エクセル上の表データを選択してコピー
②パワポ上でペースト
ペーストの種類はいくつかあるのですが、「貼り付け先のスタイルを適用」か「元の書式を保持」にしておくと、パワポ上での表デザイン作業ができるようになります。
「貼り付け先のスタイルを適用」でペーストした場合
「元の書式を保持」でペーストした場合
※元の書式で罫線や塗りつぶしを何も設定していないため、真っ白となっています。
1-B. 手元にエクセルやcsvの表がない場合
手元にエクセルやcsvのデータがない場合は、挿入タブの「表」から作成していきます。
①挿入タブ > 表
②表のサイズ(行・列の数)を決める
ちなみに、行や列は「レイアウト」タブから簡単に挿入できます。
③データを入力する
1-C. パワポで効率的に表を作る方法ランク
テキストボックスを並べて表っぽく作成することもできますが、作成も調整も手間が増え、効率的とは言えません。
表を作る際の効率性は、高い順に以下のとおりです。
1.エクセル等の元データからコピペ
2.パワポの表機能から作成
3.テキストボックスで1セルずつ作成
また、例えば、表の中に金額などの数字がある場合は、桁区切りのカンマ(,)があると見やすいですよね。
エクセルであれば、以下の画像のように「セルの書式設定」の「表示形式」で予め全ての数字にカンマを入れておくことができます。そういう点でもエクセルで作業しておいた方が効率的と言えます。
2.シンプルでわかりやすい表をデザインする「基本的な9つのポイント」
ここからは、デザインのポイントを具体的に書いていきます。
基本的なポイントは、以下のとおりです。
基本的な9つのポイント
1. 「ヘッダー(タイトル)行列」と「値の行列」の違いを明確にする
2. ヘッダー行の文字列は中央揃えにする
3. 罫線や色でグルーピングを明確にする
4. 文字列は左揃え(または両端揃え)、数字は右揃え(※)にする
5. 行の高さを揃える
6. 同程度の文字数の列や同類の列は、幅を揃える
7. セル内部の余白を確保する
8. セル内の文字列・数字の配置は、余白の量で調整する
9. 強調したい箇所のみ装飾する
※「行ナンバー」のように、数字の桁が小さい・同一の場合は、中央揃え。
簡単に解説していきます。
わかりやすさのため、デフォルトの表にデータを入力して、装飾を外した以下の状態からスタートします。
ポイント1. 「ヘッダー(タイトル)行列」と「値の行列」の違いを明確にする
スタート時の表は、罫線がすべて同じのため、ヘッダー行と値の行の区分けが明確ではありません。(もちろん、区分け自体はわかるのですが、「見た目の違いが明確ではない」という意味です)
以下のように、ヘッダー行の罫線をハッキリとさせ、内側の横罫線を細めの点線にしたりすると、見た目の違いが明確になります。
罫線は、「テーブルデザイン」タブから変更できます。
罫線の種類、太さ、色を選択してから、①「罫線を引く」をクリックして手動で線を引くか、②「罫線」のプルダウンから罫線を引きたい箇所を選択します。
ポイント2. ヘッダー行の文字列は中央揃えにする
ポイント3. 罫線や色でグルーピングを明確にする
このままだと、最終行の「フードサービス全体」と内訳項目の区分が、見た目的に明確になっていません。ここも罫線や色を変えるなどして、区分を明確にする必要があります。
ポイント4. 文字列は左揃え(または両端揃え)、数字は右揃えにする
以下の例では、配置の変更に加えて、数字の箇所に単位を記載しました。
社内資料など、普段から認識が統一されている場合(上記の例のように、従業者数は千人単位で示すことが当たり前になっている場合など)は、表の外に単位を記載しておけば問題ありません。
一方、そういった認識がない人に向けた資料などは、単位がセル内に併記されていると、混乱なく読みやすくなります。
ポイント5. 行の高さを揃える
例では、元々行の高さが揃っているので問題ないのですが、以下のように高さが不揃いになってしまうと、そこが意図せずして目立ってしまうので、調整が必要です。
(高さが不揃いの例)
高さや幅は、「レイアウト」タブから簡単に揃えることができます。
ポイント6. 同程度の文字数の列や同類の列は、幅を揃える
例では、元々列の幅が揃っているので問題ないのですが、以下のように幅が不揃いになってしまうと、そこが意図せずして目立ってしまうので、調整が必要です。
(列幅が不揃いの例)
この例の場合「事業所数」と「従業者数」の列幅は同一の方が、整って見えますね。
ポイント7. セル内部の余白を確保する
余白の量によって、与える印象は大きく異なります。
元々は、まさに「データの羅列」という感じで、ギュッと詰まっています。
余白を多めに確保すると、見やすくなり、シンプルさが出てきます。
余白の調整の仕方は、以下の2通りあります。
余白の調整① 「レイアウト」タブの「高さ」と「幅」で調整
上下方向の配置を「上下中央揃え」にしておけば、高さを変えると、自動的に上下の余白も多くなります。
余白の調整② 「図形の書式設定 > テキストボックス」で調整
「図形の書式設定」からも調整できます。
表を選択した状態で右クリック → 「図形の書式設定」→「文字のオプション」→「テキストボックス」と進み、余白の値を調整します。
この方法は、次の「ポイント8」でも使用します。
ポイント8. セル内の文字列・数字の配置は、余白の量で調整する
数字は右揃えが基本なのですが、ヘッダーは中央揃えなので、このままだとバランスが悪くなります。
なので、「余白の調整」でバランスを整えます。
同様に、業種の列も余白を調整して整えます。
こうして整えると、縦の罫線がなくても、縦に「見えないライン」が認識されるので、罫線を消してしまった方がスッキリします。
ポイント9. 強調したい箇所のみ装飾する
わかりやすくするためには、シンプルであることが大切です。だからこそ、装飾は「強調したい箇所」だけにした方が良いです。
装飾の仕方に関しても、図形で囲んだりするよりも、シンプルに塗りつぶした方がスッキリ見えますし、注目してもらいたい箇所に視線が自然に集まります。
図形で囲んだ場合
塗りつぶした場合
その中でも、特に注目を集めたいところがあるなら、数字を大きくして、色を変えるなどして、強調します。
最後に、ここまでのポイントを振り返り、再度調整した方が良いところがあれば調整しておきます。
3.パワポの表デザインのビフォーアフター
before-1(装飾デフォルトのまま)
before-2(装飾をほぼ取った状態)
after
「データの羅列」状態から、スッキリ・シンプルで、何が重要なデータなのかがひと目でわかるようになりました。
※上記で強調しているポイントは、ただの例示です。
4.パワポで簡単!シンプルな表デザインいろいろ
応用編として、料金体系の表デザインをいくつか掲載します。これらは、すべてパワポの「表」機能で作成しています。
「基本的な9つのポイント」では、文字列は原則「左揃え(または両端揃え)」としていますが、文字量を調整することによって「中央揃え」にすることも可能となります。
※以下は、当方のココナラ出品サービスの料金体系(2023年11月19日現在)です。
プラン別にヘッダーと文字列を色分けしたパターン
列で塗り分けたパターン(異なる色)
列で塗り分けたパターン(同系色)
まとめ
「表」は、情報を整理して示すのに便利なものです。
ただ、デフォルトの表をそのまま使うだけだと、どうしても「データの羅列感」が出てしまうのは避けられません。
「データの羅列感」のある表は、限られた時間で重要な情報を伝えるべき場面には不向きなので、一工夫必要となります。
基本となる以下の9つのポイントを押さえることによって、シンプルでわかりやすい「伝わる表」がデザインできますので、ぜひ活用してみてください。
パワポの表デザイン「基本的な9つのポイント」
1. 「ヘッダー(タイトル)行列」と「値の行列」の違いを明確にする
2. ヘッダー行の文字列は中央揃えにする
3. 罫線や色でグルーピングを明確にする
4. 文字列は左揃え(または両端揃え)、数字は右揃え(※)にする
5. 行の高さを揃える
6. 同程度の文字数の列や同類の列は、幅を揃える
7. セル内部の余白を確保する
8. セル内の文字列・数字の配置は、余白の量で調整する
9. 強調したい箇所のみ装飾する
※「行ナンバー」のように、数字の桁が小さい・同一の場合は、中央揃え。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
【追伸】
「パワポでこんなの作れる?」
「このグラフの作り方は?」
などなど、ご質問がありましたら、お気軽にメッセージをいただければと思います。本ブログでご紹介させていただます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▽記事の感想・質問・サービス内容のお問い合わせ先▽
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー