パワーポイントで資料を作成するとき、デフォルトのテンプレートだとしっくりこないと感じること、ありますよね。
かと言って、デザイナーというわけでもないから、ゼロベースでおしゃれなスライドを作るのは難しい…。
スキルもないし、時間も掛けられないし…。
そんなお悩みをお持ちのノンデザイナーの方、大丈夫です。
ポイントを押さえれば、ノンデザイナーでも簡単にオシャレでキレイなパワポ資料を作ることは可能です。
この記事を書いている私自身、デザイン事務所で働いているバリバリのデザイナーというわけではありません。本業は、一般企業での経営企画業務です(ココナラでは、副業でパワポの資料作成を行っています)。
ですが、ここでお示しするようなシンプルなものであれば、簡単に作成できます。センスではなく、スキルなので、誰でも身につけることが可能です。
この記事では、スライドの顔となる「タイトルデザイン」に絞って、具体的なポイントと具体例を119個お示しします。
パワポのタイトルスライドの役割
まず、パワポのタイトルスライドの役割を確認していきます。
タイトルスライドの役割は、プレゼンテーションの主題を、明確に、且つ、魅力的に伝えることです。
タイトルスライドは、聴衆や読み手が最初に目にするものであり、プレゼンテーション・資料の第一印象を決定付けます。
そう、第一印象を決めるのです。
もちろん、中身を見ていくにつれて印象が変わっていく可能性は大いにありますが、あくまでも最初の印象は、最初に目にするタイトルスライドに左右されます。
ここで、「おっ!」と思われるか、「なんだかなぁ…」と思われるか、なんとも思われないかは、その先をちゃんと聞いてもらえるか、読んでもらえるかにも影響を与える重要なところです。
聴衆・読み手の目を惹くタイトルスライドの最重要ポイント
「おっ!」と思ってもらえるようなタイトルスライドにするために、最も重要なポイント。
それは、タイトルそのものです。
デザインの話をしておきながら何を言ってるんだ、と思われるかもしれませんが、最も重要なのはタイトルそのものなのです。
もちろん、タイトルが何の変哲も無い、印象に残らないものだったとしても、デザインの力で、なんとなく良い感じにはできます。
できるのですが、それは片手落ちといったところ。
むしろ、見かけだけ良くて中身がないと思われたら、逆効果にもなりかねません。
あくまでも、主はタイトルのメッセージであり、デザインはそれを引き立てるものです。
シンプルなタイトルデザインのポイント3点
とは言っても、ここでタイトルそのものについて論じるのは主旨と異なるので、深掘りはせず、タイトルのデザインについて見ていきたいと思います。
タイトルスライドは、いわばルックス、外見です。
外見で大切なのは、次の3点。
・整っていること
・読みやすいこと
・雰囲気が内容と一致していること
以下、簡単に解説します。
シンプルなタイトルデザインのポイント1.整っていること
これは、人に例えるとわかりやすいです。
人の第一印象の大部分を決めるのが、顔だと言われています。
整った顔立ちをしてると第一印象も良いだろうと想像できますよね。
整っていると、清潔感を与えることもできます。
タイトルスライドは、まさに「顔」なので、丁寧に整列させておくことが重要です。
シンプルなタイトルデザインのポイント2.読みやすいこと
これも人に例えるとわかりやすいです。
聞き取りやすい声、大きさ、話し方で話していた方が、そうでない場合より、良い印象を与えることは明らかですよね。
これらは、タイトルスライドで言えば次の通りです。
・視認性の良いフォント
・読み取りやすいサイズ
・伝わりやすい配置
視認性の良いフォントは、ゴシック系。
読み取りやすいサイズは、スライドのサイズや利用シーンによって異なるので明確には言えませんが、パッと見た時にタイトル・名前がストレスなく読めるサイズ。
伝わりやすい配置は、自然な視線の動きに合わせた配置。
視線は「左から右」「上から下」(=左上から右下)に向かって流れるので、タイトルを上方・左寄りに配置します。
上記3点を踏まえて、適切な余白を確保します。
適切な余白があると、グッと読みやすくなります。
逆に、余白がないと非常に読みにくくなり、読み手にストレスを与えてしまいますので、注意が必要です。
シンプルなタイトルデザインのポイント3.雰囲気が内容と一致していること
端的に言えば、
・内容は40代男性に向けたもの
・使ってるフォントやイラストは幼稚なもの
だと、一致してるとは言えないですよね。
内容・世界観に合ったフォント・色・イラストなどを使うということです。
あと、タイトルスライドだけ、その他のスライドと全く違うフォントや配色というのも避けた方が良いです。
資料全体での一貫性がなくなってしまうからです。
シンプルなタイトルデザインのポイント具体例【フォントによる違い】
それでは、具体的に見ていきます。
まずはフォントによる印象の違いから。
フォントの種類、太さ、サイズ(とジャンプ率)、配置を変えてみます。
印象は、どう変わるのでしょうか。
フォントによる違い1.フォントの種類による違い
以下では、例として、游ゴシック、BIZ UDPゴシック、メイリオを比べてみました。
どのフォントも、デフォルトでWindowsに入っているフォントです。
游ゴシック > BIZ UDPゴシック > メイリオ の順に洗練された印象を受けるのではないでしょうか。
BIZ UDPゴシックとメイリオは、太字にすると窮屈な感じがするので、文字間隔を広めにしたものも併せて載せておきます。
游ゴシック
BIZ UDPゴシック
BIZ UDPゴシック(文字間隔広め)
メイリオ
メイリオ(文字間隔広め)
「フォントによる違い」の最後は、「ポップ体」です。
これは、今回の記事の場合、ポイント3「雰囲気が内容と一致している」を満たしていないので、不適切です。ビジネスの場には合わないタイプのフォントでしょう。
HGP創英角ポップ体
フォントによる違い2.フォントの太さによる違い
上記1では、すべて太字にしていました。
太さを変えると、印象はどう変わるでしょうか。
游ゴシック
より洗練された、上品な印象になります。
BIZ UDPゴシック
太字の場合より窮屈さがなくなりました。
メイリオ
こちらも、太字の場合より窮屈さがなくなりました。
メイリオは丸みが強いので、個人的には、少し子どもっぽい印象を受けます。
フォントによる違い3.フォントのサイズによる違い
続いては、フォントのサイズを変えてみます。
ここまでは、タイトルのフォントサイズはすべて44ptでした。
まずは、それよりも少し小さくしてみます。
フォントサイズ36pt・太字(スライドサイズ16:9)
フォントサイズ36pt・標準(スライドサイズ16:9)
サイズが小さいと、控えめで上品な印象です。
続いて、スライドの横幅目一杯までサイズを大きくしてみます。
フォントサイズ54pt・太字(スライドサイズ16:9)
フォントサイズ54pt・標準(スライドサイズ16:9)
サイズが大きくなるにつれ、迫力が増します。
「上品さ」と「迫力」はトレードオフの関係ですね。
「洗練された印象を与える」という観点では小さめサイズが正解で、「インパクトを与える」という観点では大きめサイズが正解です。
ですが、小さ過ぎても大き過ぎても見にくくなり、読み手にとってストレスとなるので、ビジネス資料ではバランスが一層重要でしょう。
フォントによる違い4.フォントのジャンプ率による違い
続いては「ジャンプ率」です。
ジャンプ率とは、サイズの比率のこと。
例えば、タイトルのフォントサイズが44pt、名前のフォントサイズが28ptだったら、ジャンプ率は1.57倍(=44/28)となります。
ジャンプ率1倍
すべてが同じフォントサイズだと、どこに注目すればいいのかがわかりにくいですね。
ジャンプ率2.44倍
あしらい的なサブタイトル(英語)を小さくしました。
強弱がついて、先ほどよりもタイトルのインパクトが強くなりました。
ただ、このままだと名前が主張し過ぎの印象です。
最後に、名前のサイズを変えてみます。
ジャンプ率1.55~1.57倍
最もバランスが良くなったのではないでしょうか。
フォントサイズを複数使う場合は、それぞれのジャンプ率が同程度となるようにすると、階層が明確となり、より一層わかりやすくなります。
シンプルなタイトルデザインのポイント具体例【配置による違い】
続いては、配置です。
センター揃え、左揃え、右揃えの3パターンを見てみましょう。
センター揃え(先ほどまでと同様)
左揃え
右揃え
視線の流れの原則は、「左から右」「上から下」(左上から右下)です。
なので、タイトルに限って言えば、上記3パターンのどれを使っても問題ないでしょう。
それぞれの特徴を一言でいうと、
・センター揃え=直球勝負
・左揃え=優秀(読みやすい)
・右揃え=個性派(変わってる)
という感じでしょうか。
名前の方がタイトルよりも長い場合は、右揃えだと明らかにバランスが悪くなるので、左揃えが良さそうです。
シンプルなパワポのタイトルデザイン【具体例24】
ここからは、具体例をどどんと載せていきたいと思います。
まずは、色を1つに絞って、配置やあしらいで複数のパターンを作ってみました。
シンプルなパワポのタイトルデザイン|イラスト・写真を使うパターン【具体例6】
象徴的なイラストや写真がある場合は、イラストや写真を大きめに配置する以下のような感じもありです。
シンプルなパワポのタイトルデザイン|背景に単色を使うパターン【具体例10】
今度は、配色を逆転させて、背景に色を敷いてみましょう。
シンプルなパワポのタイトルデザイン|明るめの青パターン【具体例34】
ここまでは濃いめの青だったので、もっと明るい色にしたら、印象はどう変わるか見ていきたいと思います。
色が変わると、印象もずいぶん変わります。明るい色だと爽やかですね。
シンプルなパワポのタイトルデザイン|いろいろな配色パターン【具体例15】
もっといろんな色で作ってみます。
シンプルなパワポのタイトルデザイン|グラデーションパターン【具体例28】
単色ではなく、グラデーションにしたらどうでしょうか。
きれいなグラデーションになると、おしゃれ感が上がりますね。
背景全体にグラデーションを敷くのがきつい場合は、ポイントに使うのもありです。
あと2パターン。
シンプルなパワポのタイトルデザイン|番外編【具体例2】
最後に番外編です。
少し手間はかかりますが、シーンによっては、こういうのもありかもしれません。
シンプルなパワポのタイトルデザイン|まとめ
以下、ポイントを簡単にまとめてみます。
パワポのタイトルスライドの役割
・タイトルスライドの役割は、プレゼンテーションの主題を、明確に、且つ、魅力的に伝えること。第一印象は大事。
聴衆・読み手の目を惹くタイトルスライドの最重要ポイント
・最も重要なのは、タイトルそのもの。
・見かけだけ良くて中身がないと思われたら、逆効果にもなりかねない。
・主はタイトルのメッセージ、デザインはそれを引き立てるもの。
シンプルなタイトルデザインのポイント3点
・整っていること
・読みやすいこと
・雰囲気が内容と一致していること
以上、「【ビジネスにおすすめ】シンプルなパワポのタイトルデザイン具体例119」でした!