UbuntuでZoomのオンラインミーティングを使うには?

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UbuntuでZoomのオンラインミーティングを使うには?

Ubuntu のデスクトップは意外に便利で使いやすいので、開発用の PC の OS としては個人的にはお勧めです。 特に、別の Mac や Windows の PC を持っている方は、古い PC を開発用のサブ PC として活用する際には便利です。

ところで、COVID -19(新型コロナウイルス)の影響で、在宅ワーク(テレワーク)の機会が増えてオンラインのミーティングを利用する事が増えたと思います。その中でオンラインのミーティングのアプリで「Zoom」が利用される機会が多いようです。

この、Zoom ですが、Bluetooth 関連の問題が多いようです。 この記事では、Ubuntu デスクトップで Bluetooth のヘッドセットを活用する事例について紹介します。

Zoom のサウンド設定で問題が多い!

Zoom を利用する際に、直接 PC にヘッドセットを接続する場合は殆ど問題はないのですが、最近普及が進んでいる Bluetooth のヘッドセットを使おうとするとトラブルが多いようでインターネットにも色々情報が交錯しています。

Mac 及びアップル製品(iPad/iPhone)で Bluetooth のヘッドセットを使う場合は、ほぼ問題はありません。特に何もしなくても、普通に Bluetooth のヘッドセットを使って Zoom のミーティングに参加可能です。

ところが、Windows や Linux では問題が多いようです。 音楽や YouTube のビデオを聞く分には問題なく使えても、Zoom で使おうとすると上手く行かないという問題がインターネットで多数投稿されています。実際、私自身も Windows10 の PC をメインで利用していた際に、Bluetooth のヘッドセットで Zoom に参加した際に、音声を聞く分には問題ないのですが、マイクロフォンが上手く機能しませんでした。

色々試してみたのですが、結局うまく行かず、PC に直接接続するタイプのヘッドセットを利用していました。 ところが、不便なのは、PC の接続のコネクタがマイクとヘッドフォンの一体型のものと、マイクとヘッドフォンを別々に接続するタイプの PC があって、利用する PC によってはスプリッタが必要になるなど不便な面がたくさんありました。

Ubuntu で Bluetooth のヘッドセットで Zoom に参加

こうした問題は、最近 Mac をメインの開発用の PC にしたことで一応解決して、Bluetooth のヘッドセットで Zoom がスムーズにできるようになりました。そうした関係で、古い PC を再活用するために、Ubuntu のデスクトップを導入して色々、開発環境を整えてきました。その一環で、Ubuntu で Bluetooth のヘッドセットが利用できないか調べた結果、一つの方法が見つかりました。

問題は Bluetooth デバイスのプロファイル

どうも問題は、Bluetooth デバイスのプロファイルが正しく認識されていない事が問題になっているようでした。 そのため、Zoom 側で Bluetooth のヘッドセット、特に入力デバイス(マイクロフォン)としてきちんと認識されていないのが問題のようでした。

そこで、Ubuntu の場合「blueman」というパッケージを介して Bluetooth の接続を行うと、このプロファイルを正しく認識させる事ができるようで、私が利用している SONY の Bluetooth のヘッドセットで Zoom が使えるようになりました。

Blueman のインストール

Ubuntu での設定は簡単で、Blueman のパッケージをインストールして、デバイスのプロファイルを設定するだけです。 コマンドライン(ターミナル)で以下のコマンドを実行します。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install blueman
これで Blueman がインストールされます。画面の上に Bluetooth のシンボルが新たに現れるのでそれをクリックすると個々のデバイスの設定が可能になります。これはオリジナルの Ubuntu の Bluetooth のシンボルとは別のものです。

最初に、利用する Bluetooth のヘッドセットをペアした後に Blueman のシンボルをクリックして、メニューから「Devices」を選択して、利用するヘッドセットを選択します。その上で、そのデバイスの Audio Profile を設定します。

あとは、設定からシステムのサウンド設定で入力、出力のデバイスを選択して Zoom を起動すると Zoom 側で正しく認識できるようなります。Zoom 上で利用したいオーディオデバイスを選択すれば Bluetooth が利用できます。選択は Zoom の左下のマイクのシンボルの脇をクリックすると選択できます。

毎回、システムのオーディオデバイスの選択をしないといけないのが少し面倒ですが、Bluetooth のヘッドセットが使えるのは便利です。

Web カムは?

Zoom でオンラインミーティングをする際は、Web カムを利用する場合も多いかと思います。 ラップトップに内蔵されている Web カムのカメラは殆んど問題なく、Ubuntu でも利用できるので恐らく大きな問題ではないと思います。 しかし、デスクトップなど Web カムのカメラを外付けする必要がある場合は、あらかじめインターネットで Ubuntu でサポートされている Web カムを調べた上で購入されることをお勧めします。

サポートされている Web カムを利用すれば、スムーズに導入ができます。余り一般的でない Web カムを買ってしまうと、ドライバの設定などで苦労する場合が多くなるので、多少値段は高くてもサポートされているデバイスを購入した方が結果的に費やす時間を考えると安くつくといえます。

まとめ

オンラインミーティングでよく利用されている Zoom で Bluetooth のヘッドセットを利用する場合、Mac はほぼ問題なく利用できますが、Windows や Linux では問題が多いようです。

Ubuntu の場合、「Blueman」というパッケージを利用して、正しいオーディオプロファイルを設定することで、Zoom で Bluetooth のヘッドセットを利用できるようになります。全ての Bluetooth のヘッドセットで利用可能かは確認していませんが、少なくとも私の SONY の Bluetooth のヘッドセットでは問題なく利用できています。

Mac に比べると毎回システムのサウンド設定で指定するなど面倒な部分は残りますが、Windows10 では今のところ良い解決方法を見つけていないのを考えると利用価値は高いように思います。ワイヤーによる接続なしで Zoom を利用できるのはとても便利です。

開発目的の場合、Ubuntu のデスクトップは、Windows より利用価値が高いように思います。Ubuntu は Windows の PC にブートマネージャを使って両方の OS をインストールすることも可能ですので、Windows を利用している方には導入するのも悪くない選択だと思います。

(*)なお、Ubuntu を利用した Web 環境の作り方のドキュメントも更新してあります。ご参考にされてください。
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