『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。ですのでタイトルも「ひとり言」。日々の指導で気づいたあれこれを綴ります。』
物語文を読んでいて、「最初の方が読みづらいなぁ」と感じたこと、ありませんか?
実はこれ、中学受験の国語ではよくあることなんです。
出題される物語文の冒頭は、しばしば「登場人物が多い」「舞台が不明」「関係性がつかめない」といった"ごちゃごちゃ三重苦"の状態でスタートします。
読み進めるうちに人物どうしの関係や場面の状況が明らかになっていきますが、テストではそうそうのんびり読んでもいられません。
限られた時間の中である程度速く正確に読み、設問に答えなければならないからです。
だからこそ、冒頭でつまずいてしまうと結果を左右するほど大きな悪影響が。
たとえば、登場人物が一気に3人も4人も出てきたときなどですね。
「主人公はだれ?」「この人は家族?友達?」「今の場面はどこ?」と頭の中がパンクしそうになったら要注意。
ここで一度立ち止まって、頭の中で相関図をざっくりと描いてみてください。問題用紙の余白にメモをとるのも良い方法です。
また登場人物の名前については、"呼ばれ方"”にも注意を。
物語文では、同じ1人の人物が「お母さん」「ママ」「山田さん」と相手によって違う呼ばれ方をしていることもあります。
呼び名が変わると、まるで別人のように感じてしまいがち。ですがそこを見誤ると話がどんどんズレていってしまいます。
ただ逆に言えば、物語文で最初の混乱を抑えられれば、もはや勝ったも同然です。
「最後まで読んだはいいが、結局何が何やらわからなかった」は最悪。
物語文の冒頭がごちゃごちゃしていたら、「わからないのは自分のせいじゃない。だれでも同じ!」とメンタル面でくじけないことがまず大切になります。