『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。言いにくいワケは、生徒さんは1人1人状況が異なり、一般論のアドバイスがつねに当てはまるとは限らないからです。
ですのでタイトルも「ひとり言」。本コラムの内容に有効性があるかと問われれば、私自身の中学受験や長年の指導で実践を心がけ、結果を出してきた事実を挙げるのみです。』
年間いったい何問の国語の問題を解いているのか、もはや自分でもまったくわかりません。
これだけ解いてきているにもかかわらず、いまだに記述問題に向き合うと正直「めんどくさいなぁ」と感じます。
中学受験の国語では、どんなに長くても120字。ふつうは40~60字、もう少し長くても90字止まりです。
小学生には長いでしょうが、私は仕事柄なんだかんだで月に最低でも10万字は書いている身。
「なのにどうして、たかが80字を長く感じるのだろう?」
自分でも不思議でしたが、答えは簡単で、講師である私の場合は「正解しなければ」とのプレッシャーゆえですね。
ということは受験生ならなおさらでしょう。ただ"模範解答にぴったり近づけよう"だなんて意識は百害あって一利なし。
ぬき出しや選択肢問題と違い、部分点がもらえるのが記述問題のいいところです。
完ぺきな答えを求めて解きにくさを感じるよりは、「半分もらえりゃ御の字!」ぐらいに大胆にかまえてぶつかりたいですね。
模試の模範解答も、問題集のそれも、国語を専門とする大人がさんざん考えて、推敲に推敲を重ねて練り上げた内容。
わずか50分程度の試験時間で、小学生にそんな見事な解答、書けるはずがないんです。
ところで記述問題には、じつはいろいろな"縛り"があります。
私は授業で"条件"と呼んでいますが、条件が多いと書きにくくなると勘違いしている生徒さんがけっこういるんですね。
しかし実際は逆です。
条件が多ければ多いほど書くべき些末な内容が増え、解答らんのマス目が埋まりやすくなります!
理由を聞かれているから文末は「~から。」(3字)、状況の変化も聞かれているから「はじめは~~~、その後~~~」の形で書けばプラス8字。
ほら、もう11字埋まりました。
主人公でなく同級生のカッチンについて聞かれていれば、彼を表現するときは、名字の林より、下の名前の克哉より、あだ名を使って書きましょう。
カッチン>林くん>克哉
と、一番字数が多いのがあだ名だからです(笑)。