「絆の証―自動車整備工が見た、命と優しさの絶妙な融合 パート1」

記事
エンタメ・趣味

義男は23歳。工業高校を卒業して自動車の整備工になった。
日曜日なので義男は趣味の釣りに一人で出かけた。
車は先日新車を買ったばかりで試乗も兼ねて趣味の釣りに行ったのだ。
車はトヨタのカローラスポーツのハイブリッド車だ。五年間倹約してやっと頭金を溜めて先月ローンを組んだ。
父親がカローラに乗っていたので義男も子供の頃からカローラに親しんでいた。
そのせいかもしれないカローラが好きだった。

このカローラスポーツハイブリッド車が快適に走る事に驚愕した。
アクセルを一気に踏み込むとシートに強いGが掛かる。

義男は憧れていた車がこんなに快適に走る事に満足を覚えた。
まるでジェット戦闘機だー!と歓声を上げたが、義男はジェット戦闘機に乗った事は無い。

義男は岸壁の釣り場に着いた。
義男は釣り糸を垂れてのんびりと休日を楽しんでいた。
沖を通る船などを見ながらウキを見ていた。
さっきから気になるのは何かの鳴き声だ。
義男は釣りの最中から何だか子猫の鳴き声の様な声を聞いていたが、鳥のさえずりだろうと思って居た。
何気なく声がする方の下を見てみると、堤防のコンクリートの基礎の分部が5センチくらいの出っ張りがある所に
三毛猫の赤ちゃんが蹲っているのを発見した。
義男はギョっとなって更に凝視した。毛はところどころ抜けていて血が背中に滲んでいるのが見えた。
向こうの方でカラスやトンビに襲われたのだろう満身創痍の状態になって見るも無残な姿だ。
一所懸命にここまで逃げて来たのだろう。
しかし、今いる場所は襲われた場所より危険かもしれない。

鳴き声はさっきよりも小さくなっている。
体力の限界が来たのだろうか。
三毛猫の赤ちゃんが居る所は波が今にもかかるところで、しかも時間は満ち潮の時間帯だ。
さっき沖の方を船が通ったせいで船の波が大きく白波を立てながらこちらへ向かって来ている。
波が来ると三毛猫の赤ちゃんは波に一飲みにされてしまう。
時間が無いと思った義男は三毛猫赤ちゃんを救出しようと思って竿を置こうとしたときに竿に強い当たりが来た。
大物が餌に食い付いたのだ。義男は迷った。竿は大きな弧を描いている。かなりの大物だ。
義男は思った。この大物を捨てても三毛猫赤ちゃんを助けるのだと思った。
大きな波は、そこ迄きている。
義男は素早く竿を置くとテトラポットの隙間を身軽に降りて行った。

つづく
義男より一言
最後まで読んでくれて有難う 続きは後日報告します。(^^♪
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す