今年の年末調整実務を振り返って

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法律・税務・士業全般
新年早々、某飲食チェーン店の労務の仕事を頂いたのですが仕事を始めた途端に緊急事態宣言の発出で仕事は今月いっぱいで打ち切りになるという憂れき目にあっております。

さて、時間に余裕も出来たので昨年の年末調整実務を振り返ってみたいと思います。

書類の未提出者は減らなかった

以前のブログにも書きましたが今回はSmartHRを用いた年末調整実務に対応した訳ですが兎に角書類の管理については非常に楽をさせてもらいました。紙の申告書で管理すると社員番号やあいうえお順(会社によって対応は異なるかと思います)で並び替える手間や書類に不備があった場合は書類を通常の山から分けて管理しなければならない事もありますがペーパーレス化で対応すれば面倒な紙書類の管理は必要ありませんし進捗管理も楽になりました。

ただそもそも論なのですが「自分には関係ないので」や「確定申告するから結構です」や「面倒くさいので」と言う人は減りませんでしたね。
一昨年までの年末調整であればその年の扶養控除申告書は恐らくその年の最初の給与が支給されるまでに提出しているでしょうから本当に最悪はその内容をもって年額を計算して源泉徴収票を発行してしまえば良いと思います。
今年は「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」と言う新しい書式が登場して基礎控除を受けるにはこの書類を提出する必要があります。未提出=基礎控除を適用できない事になるので殆どの従業員が追徴に転じてしまうので絶対に出して貰わないといけない書類になってしまい、最後まで提出を催促しなければならなくなりました。

書類の未提出者の取捨というのが各会社で対応が異なる訳ですがより一層未提出者を切り捨て辛くなったのが今年の特徴だと思います。

情報弱者に対するフォローが重要

飲食業や小売業ではアルバイトなどの短時間勤務で従事されている方が多いと思いますが当然のことながら稼ぎが多かろうが少なかろうが、勤務時間が長かろうが短かろうが年末調整の対象になれば対応はみんな同じになります。
一部の従業員から「税金の精算は正社員だけ」、「自分はバイトだから関係ない」「いきなり年末調整って言われても良くわからない」と言う声を耳にすることはありませんか?
現に毎月の給与から所得税を引かれているアルバイトは数多く居ますし、年額にするとそれなりの金額になる訳です。ちゃんと書類を期限までに提出していれば今まで引かれていた所得税が全額戻ってくるのに出さなかった事によって年末調整未実施と書かれた源泉徴収票を渡される従業員が出てくる訳です。会社の人事からは「年末調整をしていないので確定申告をしてください」と言われたので「確定申告って何ですか?」質問をしても税務署に聞いてくださいと門前払いで途方に暮れる人が何人居たのでしょうか。
確かに書類を期限内に出さなかったのはダメです。でも年末調整についてもう少し知識を持たせてあげても良いのではないでしょうか。私は過去に新卒社員に対して個別に年末調整について説明したり、些細なことでも質問するようにと指導してきました。特に若年層にはそれ位してあげないと可哀想かもしれません。「それぐらい知ってるだろ」と思ってはダメです。低い目線でもちゃんと見ておかないと全体を把握することは出来ません。

書類の回収率をあげるには情報弱者のフォローが非常に重要だと思います。そのためには年末調整の意義をしっかりと理解させる取り組みが必要です。