システム導入を検討するにあたって

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法律・税務・士業全般
年明け最初の投稿です。本年もよろしくおねがいします。

さて、今日は人事業務システムを導入するにあたって事前にお考え頂きたい事を書いてみたいと思います。

インストールタイプは一長一短

恐らく勤怠管理をシステム導入している会社はまだそこまで多くないと思います。タイムカードやエクセルシートを使って毎日管理されている会社がまだ多いと思います。給与計算についてはPCにインストールするタイプのソフトウェアがWebブラウザを用いたクラウドの計算システムの2種類に分かれるかと思います。
PCにインストールして利用するソフトウェアについては1回購入すればランニングコストは基本発生しませんが法改正や税率変更などが発生した場合や印刷する帳票類のフォーマットが変更になった場合はバージョンアップが必要になる場合があります。軽微の変更であれば無料で対応してくれますが大幅な変更については保守契約を締結していないと対応してくれない場合があります。また1〜2年のスパンで新しいバージョンを発売するので古いバージョンの製品についてはサポート自体を終了してしまう可能性があるのでまた新たにソフトウェアを購入しないと・・・なんて事もあります。保守契約を締結していれば新しいバージョンを無料で提供してくれる会社もあります。
インストールして使うシステムは初期費用だけで運用可能・・・というのは無理があるかもしれません。ある程度システムに精通していてバージョンアップをしない事によってどのような影響が出るのかがしっかり把握出来るような人が管理するなら話は別ですがシステムを理解していない人には保守契約は必須と考えても良いと思います。そうなると毎年それなりに費用が発生するので安さだけでソフトウェアに飛びつくのは危険です。
インストールタイプのソフトウェアの良さは扱える人が限定できる所にあります。インストールされているPCでしか作業できない訳ですからIDとパスワードさえ知っていればどのPCでもアクセスできるクラウドタイプのシステムとは違いアクセス出来る環境を限定することが出来ます。その他にもオフラインでも作業が可能なので万が一、通信環境がダウンしてしまった状態でも作業自体は可能なのは良い点だと思います。
その一方で視認性は正直あまり良い印象がありません。結構見辛いなぁと思う画面構成のシステムが多いのはPCインストールタイプのソフトウェアが多い印象です。

クラウドタイプが現在のトレンド

緊急事態宣言が出され、テレワーク7割と言う政府の指針が示されています。営業部隊はテレワークで対応可能だけどバックオフィス業務は無理・・・と言う声を耳にしますが今はもう可能な状態になってきています。インターネットを閲覧できる環境があればどこでも作業できます。ただ問題は情報漏えいをいかに防ぐかです。自宅の私有PCでの作業やカフェやシェアオフィスなどでの作業は危険ですので会社でしっかりと準備と教育が必要になるでしょう。
クラウド対応のシステムは従業員数、もしくはユーザ数で毎月課金するのが殆どで初期費用は発生しませんがランニングコストが使い続ける限り発生することになります。法改正等の対応については無償で対応してくれるので突発的な費用計上は不要なので予算管理は楽になるでしょう。
しかしながらPCインストールタイプと年単位で費用を比較すると割高になってしまうかもしれません。無料で利用できる機能もありますがはっきり言ってそれだけでは今は良くても事業が拡大して管理する人数も多くなってきたら無料機能だけでは厳しくなりゼロベースでシステム移管を考えなければならない状態に陥ってしまう可能性があります。あくまでもお試しで使ってみて「こんなものなのね」を感じ取る程度にしたほうが良いでしょう。
どの会社のシステムも直感的な操作性と視認性を担保しているので非常に扱いやすくお値段相当額と思えるかと思います。
クラウド型のシステムはあくまでもオンライン上で作業が出来るわけで通信環境がないオフライン上では殆ど作業できません。そこがリスクになる訳ですが通信網が安定かつ高速な環境が維持され続けている昨今、突然の機能不全という事は滅多に起きないと思いますのでそこまで恐怖を感じる事は無いかな・・・とは思うのですが。
個人的には導入を思い留まる位のデメリットが無いと思えるのがクラウド型のシステムだと思います。それなりに高価なシステムもありますが今の特殊な就業環境に対応できるのはクラウド型だと思います。インストールタイプのソフトウェアのシェアは減少傾向になるのではないかと思います。

導入の際は慎重な議論を

私がよく経験することが会社の中に類似システムが複数あって情報がバラバラになってしまっている事です。
従業員情報はAと言うシステムに入っているがBというシステムにも情報を管理できる機能があってそっちを使ったほうが情報を一元化出来るのだけどAの情報をBに移管することが出来ないので仕方なく使っているケースや情報が正しく連携されず古い情報がずっとシステムの中に残ってしまい古い情報で資料を作成してしまって重大な事故が発生してしまったケース。
営業に言われるがまま提案されたシステムを導入してしまって情報が散らばってしまって正しい情報がどこにあるのか、誰が管理しているのか、維持費を毎月払っているがなぜこのシステムを使っているのか誰も知らないケースも。

理想はERPパッケージを導入することが出来れば良いですが導入費用は数百万から数千万円になってしまいます。正直事業規模そこまで大きくなければシステム単独で考えれば充分です。上場を検討するなど情報統制が必要になったら考えればよく、何でも最初から一緒くたにしてしまうの危険だと思います。まずは1つのシステムで毎月、毎年のルーティン業務が回せるシステムを探してみましょう。そして導入によりどこまで作業工数を減らす事が出来るかお試し導入を利用してシュミレーションしてみましょう。

今後、人事労務の仕事は人の手をかけずに作業することが多くなると思います。システム開発はどんどん進んで低価格化も進んでくるかもしれません。「システムは大企業や景気の良い会社だけのもの」ではありません。導入に対して真剣に取り組んでみませんか?きっとやって良かったと思うはずです。