肺がん-老年期-入院5日目-ゴードン-1-アセスメント

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【はじめに】

このブログでは、アセスメントの見本をご紹介していきます。
私が看護学生や新人看護師の時、看護過程の展開をするにあたって、どのように記載したら良いか分からずに困った経験があります。
そんな時、先生や先輩のアセスメントの見本を確認させて頂き、
「なんだこんな風に書けばよかったのか!」と今まで悩んでいた書き方が、
一気に整理できるようになりました。

「百聞は一見に如かず」という言葉もあるように、
書き方の見本を参考にすることで、理解が進み、自分の知識も広がります。
また、日本語の使い方や言い回しについて、学習することができるので、文章力をつけることにも役立つと考えています。

ぜひこのブログを参考にして、ご自身のアセスメント力の幅を広げる糧にして頂ければ幸いです。

当ブログの内容は、ご自身の課題や実習への使用に限り、自由に使用して良いです。ただし、あくまでも見本なので、自己責任で使用するようにしてください。

当ブログの内容を無断で複製・転用することは、許可していません。
著作権侵害に当たるので、他の方に見せたり、コピーして配布することは禁じます。

注意点を守って活用していただければ幸いです。


内容は適宜、最新の内容に更新します。
看護学生さんの力になれるレベルを目指して作成していますが、アセスメントや看護計画の作成時間は、事例によって異なりますので、確認する方によっては、一部不十分な部分がある場合があるかもしれません。

【サービス紹介】

事例の見本を作ってほしい!
アセスメントの書き方がどうしても分からない!
といったお悩みの方は、こちらのサービスを利用もございますので、
興味がある方は、気軽にご相談ください。
※ 時期によっては対応できないこともあるのでご了承ください。



【アセスメント例】

〇患者情報
診断名 肺癌
氏名 A氏
現病歴 高血圧
既往歴 脂質異常症
介入時期 入院5日目
性別 女性
年齢 75
身長 155
体重 45
家族構成 夫(他界、大腸がん)、長女夫婦と同居
職業 無職
性格 穏やか
嗜好 "飲酒はしない
喫煙は60歳までしていた"
趣味 裁縫、孫と出かけること
ADL 自立
IADL 自立
食事 1日3食だが、最近5~7割程度の量に減ってきた
排泄 自立
睡眠 時々眠れないことがあり、頓服でマイスリーを1錠内服している
清潔 自立
アレルギー なし
コミュニケーション 問題なし
信仰 なし
経済状況
入院経緯 3か月前ほどから、咳嗽と少量血痰の自覚症状があった。最近、自覚症状が強くなってきたため、呼吸器内科を受診。採血・レントゲン・CT・MRIで癌の疑いがあり、気管支鏡下で生検・骨シンチなどを行い、肺腺癌のステージⅢAの診断を受ける。
治療経過1 "医師より、「現在の状況では、抗がん剤治療を行うことが、健康で過ごせる時間が長い可能性が高い」と説明があり、A氏は家族と相談の上、抗がん剤治療を行うことに決めた。
入院1日目にオリエンテーションを行い、2日目からカルボプラチン・タキソール療法を開始することとなった。
【治療内容は以下のとおりである】
(1)生食200mL 血管確保・流し用
(2)生理食塩水50mL + デカドロン+ ガスター
(3)生食 100mL 30分
(4)5%ブドウ糖250mL + タキソール
(5)5%ブドウ糖250mL + パラプラチン
3週間を1クールとして、第1日目に入れる。
1)前投薬として、必要に応じタキソール投与30分前にベナ錠50mg 内服
2)吐き気止めは症例に応じて(3)の時に医師に相談

治療は問題なく終了、経過を見て、問題がなければ、一度退院し、3週間後に再度治療予定である。
"
治療経過2 "入院3~4日目
治療後に軽度の嘔気があったが、それ以外は自覚症状なし。抗がん剤は末梢から点滴をするが、血管外漏出の兆候もない。

入院5日目
KT37.0度、HR90回/分、血圧150/60mmHg、SPO2:96%。
点滴抜去部に異常なし。
乾性咳嗽が時々あり。
痰性状は淡黄色。朝に極少量の血が混じることあり。
呼吸苦はなし。
吐き気はなし。
疼痛もない。

本人・家族の言動
本人「治療の効果があって、少しでも健康で過ごせる時間が増えればと思っているの。子育ても終わったし、もう思い残すことはないです。でもいざ癌という現実を突きつけられると、不安な気持ちになりますね。何かあったら相談するので、よろしくお願いします。」
長女「父も癌だったけど、母もこうなるとは思わなかった。父を見ているから、どんな経緯を辿るか大体は予想できるけど、知っていても考えるのは辛いです。残りの時間を楽しんで過ごせるように私もサポートできたらよいと考えています。」"
バイタルサイン
血液検査 "治療後4日目の採血結果(一部)
WBC5860、Neutro700、、RBC448、TP6.4、Alb3.5、GOT21、GPT25、ALP194、rGTP25
総ビリルビン1.0、クレアチニン0.5、eGFR100
尿酸9.9、Na133、K4.5、CL99、血糖81
"
尿検査
胸部X線
心電図12誘導
内服薬 カルボシステイン錠3T/3×毎食後、ランソプラゾール1T/1×朝

〇アセスメント内容 全てのクラスター

〇健康知覚-健康管理 アセスメント内容

【健康知覚-健康管理で記載する内容】
■健康状態  ■受診行動  ■疾患や治療への理解  ■運動習慣
■服薬状況  ■身長・体重・BMI  ■飲酒・喫煙の有無  ■既往歴 など
"■肺がんは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。 進行すると、がん細胞は周りの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れにのって転移することもあります。転移しやすい場所はリンパ節、反対側の肺、骨、脳、肝臓、副腎。早期であれば手術が最も治癒の期待できる治療法ですが、発見された時には進行している場合が多く、手術のほかに放射線治療や抗がん剤治療、さらにこれらを組み合わせた治療が選択されます。がんの中で最も死亡数が多い病気です。また、5年生存率も20%強で、肝がんと並んで治療が難しいとされています。原因の70%はタバコですが、その他に受動喫煙、環境、食生活、放射線、薬品が挙げられます。タバコには約60種類の発がん物質が含まれており、肺や気管支が繰り返し発がん物質にさらされることにより細胞に遺伝子変異が起こり、この遺伝子変異が積み重なるとがんになります。がん細胞は細胞分裂を繰り返しながら無制限に増殖しますが、1cmのがんができるまでには約30回の細胞分裂が必要です。
■臨床症状:肺がんに特徴的な症状はない。肺がんの種類、発生部位、進行度によって症状は異なります。せき、たん、倦怠感(だるさ)、体重減少、胸痛などさまざまですが、これらの症状はほかの呼吸器の病気でもみられます。一方、血痰は肺がんの可能性が高く、日本人で最も多いのは無症状である。

入院時の咳嗽・血痰は肺がんによるものと考えられる。入院5日目では乾性咳嗽が時々、痰黄色の排痰、起床時に極少量の血痰である。抗癌剤治療により骨髄抑制から、易感染状態に移行するため、炎症反応のデータは把握しておく必要がある。現在の症状より、腫瘍からの出血や感染の状態は、軽度と推察される。しかし今後、病態進行により、症状悪化の可能性がある。それに伴い、呼吸苦、咳嗽による消耗性疲労・不眠・刺激による血痰・免疫低下による感染、不安が考えられる。症状出現・悪化に注意が必要である。

■肺腺がんは、肺がんの一つです。肺がんは組織型によって「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に分けられ、さらに非小細胞肺がんは3つに大別できる。このうちの一つが腺がんで、一般的に「肺腺がん」と呼ばれる。非小細胞肺がんは肺がんの8割、その中で肺腺がんは6~7割を占める。一般的に肺がんは致命率が高く悪性度が高い印象がありますが、肺腺がんの一部には進行が非常にゆるやかなタイプも存在する。
"■ステージⅢAとは、潰瘍浸潤型で遠隔転移はない状態である。
肺がんの発生部位、大きさ、壁深速度(T)、リンパ節転移の程度(N)の情報がない。治療方針が手術や放射線治療は行わず、化学療法のみである。病状と治療方針、ICの内容について医師に確認が必要である。

○/○に初回のケモ実施。
現時点で好中球が700と低い。今後さらに低下する可能性がある。易感染状態の為、自己で感染対策を行うよう、説明・指導が必要である。バイタルサイン・採血データモニタリングしていく。
現在は出現していないが、今後脱毛・神経障害・食事量の低下が考えられる。
ケモのオリエンテーションも行っていると思われるが、理解・受け止め状況確認が必要である。
今後、2クール目まで自宅退院予定。家族構成や日中の過ごし方、家庭内の役割の情報が不足している。退院後の家族の協力がどこまで得られるのか。家族の理解度と関係性と合わせて情報収集が必要である。その上で治療後の症状や生活上の注意点等の退院オリエンテーションを実施し、2クール目の治療が問題なく行えるよう指導を行っていく。
"■高血圧とは、血管がしなやかで柔軟なときは、血圧は上下とも基準値以下に収まりますが、動脈硬化などで血行が悪くなると、それをカバーしようと、心臓が血液を、よりたくさん強い力で全身に送ろうとするため、血圧が上がります。こうしたことが常態となったのが高血圧症です。体を動かしたり寒さを感じたりしたときの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを高血圧症という。収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断される。自覚症状がほとんどなく、放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれる。塩分の取り過ぎや肥満、ストレス、運動不足など生活習慣による要因、体質などの遺伝的要因のほか、腎臓疾患やホルモン異常などの病気によって引き起こされることもある。高血圧症の原因には、遺伝的なものと、生活習慣などの環境的なものがある。
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