短編シナリオ(脚本) お題「復讐」

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小説
①なかよし公園・砂場
   砂場で砂山を作っている向井さち(26
   向井エリカ(5)。
エリカ「(振り返って)おばあちゃーん」
    少し離れたところから、ベンチに座っ
   て見ている向井波子(46)小さく手を
   振っている。
    砂山にトンネルを通そうと賢明にスコ
   ップで砂を掻き出すエリカ。
    突然、男の子が現れ足で山をつぶす。
 エリカ「(驚いて)あっ!」
    エリカ立ち上がり、スコップで男の子
    の頭を思いきり殴る。
    うずくまり大声で泣き出す男の子。
    ベンチの波子、目を見開いている。
    さち、エリカのスコップを乱暴に奪い
   一瞬、鬼のような形相に変わる。
    エリカ、驚いて大声で泣き出す。
    波子、さちと一瞬目が合うが、慌てて
   反らす。
    動悸を押さえようと胸に手をやる波子
    ×    ×    ×
   フラッシュ。
    20年前のなかよし公園。
    まだ若い波子(26)がスコップを手に
   持って呆然と立ちすくんでいる。
    波子の手が震えている。
    波子の傍らで、泣きながら倒れている
   幼い頃のさち(6)。
    ×    ×    ×
    現代に戻って。ベンチの波子、必死に
   手の震えを抑えている。
    さち、慌てて気を取り直し、優しい笑
    顔を作り男の子の手を取る。 
さち「ごめんねぇ、大丈夫?痛かったねぇ」
    そこへ男の子の母親が駆け寄ってくる
    互いに頭を下げ合う、さちと男の子の
    母親。
    さち、優しくエリカを抱きしめ、波子
   の方を見る。ベンチに波子の姿はない
さち「…」 

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 ②向井家・和室(夕)
    さちとエリカ、積み木で遊んでいる。
   さち、ふと壁時計を見上げ、 
さち「ご飯の時間よ、お片付けしましょ」
    エリカ、賢明に積み木を積んでいる。
 エリカ「やだ…」
    さち、エリカの手を持って、 
さち「だめ、エリカ。お片付けするの」 
エリカ「(首を大きく振って)やだー、やだ ー!まだ積み木する!」
    さちの手を振りほどくエリカ、その反
    動で積み木が崩れてしまう。
    エリカ、癇癪を起こし、手元にある積
    み木を取って思い切り投げる。
    積み木はふすまにぶつかり穴が開く。
    さち、鬼の形相でエリカを睨む。 
さち「(大声で)エリカ!」 

 ③同・台所(夕)
    さちの声に驚いて包丁を落とす波子。 

 ④同・和室(夕)
    波子、慌ててふすまを開ける。
    先ほどとは変わって、優しくエリカを
    抱きしめ頭を撫でているさち。 
さち「いい子ね、エリカは一人でお片づけで
 きるもんねーママ怒らないでしょー」
    さち、波子を冷たい目で見上げている 
波子「(動揺して)…ご飯、できたから…」
    出て行こうとする波子の背に、
 さち「あら、エリカ!ママのママと同じとこ
 ろにホクロがあるわね!」
    波子、振り返りエリカを見る。 
エリカ「ママのママ?おばあちゃんのこと?
    エリカのアゴ下に、少し目立つホクロ
   波子、愕然としてエリカの後にある仏
   壇の遺影を見上げる。 
   遺影は向井哲治(35)の写真。
    ×   ×   ×
    フラッシュ。
    20年前の向井家・玄関
    哲治、困ったように頭を掻いている。
   その横に気の抜けたような顔の波子。
    三和土に寝かせられた赤ん坊のさち。
   扉の前で土下座している和装の女。
    和装の女、頭を上げる。その顔、かす
   かな笑みとアゴ下のホクロ。
    ×   ×   × 
   現代に戻って。
    逃げるように出て行く波子。
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